Normadny'44は米GMT社が2010年夏に発売を開始したシミュレーションゲームです。1944年6月におけるノルマンディの戦いを1Turn1日、1ヘクス3.8km、1ユニット大隊~連隊で描きます。
第19Turn(6月24日)曇天3


独軍は先ほどカーン北方に食いこんできた英第6空挺師団に対して反撃を行う。ティーガー重戦車大隊の支援を受けた第12SS装甲師団による攻撃。4-1の比率だったが、ダイスで"1"を出してしまい結果はEX。虎の子ティーガー大隊が壊滅してしまった。
連合軍はシェルブール正面で1ヶ所、オマハ正面で2ヶ所、カーン付近で2ヶ所の計5ヶ所で攻撃を敢行。しかしいずれも支援に乏しい低比率攻撃であり、さらに独軍の奮戦(断固たる防御)によって悉く攻撃は失敗に終わった。連合軍にとって残された時間は少ない。

第20Turn(6月25日)晴天5

独軍はこのTurn攻撃を控え、シェルブールに虎の子第2装甲師団を送り込んで守りを固めた。
カーン方面は第1SS装甲師団「ライプシュタンダーテ・SS・アドルフ・ヒトラー」の増援を得て兵力的には潤沢になってきたので、増援は送らずに再配置により守りを強化する。
このTurn増援で現れた第9SS装甲師団「ホーエンシュタウフェン」は、カーン方面ではなく、米英軍の軍境界線付近に送り込んだ。



第21Turn(6月26日)晴天5

独軍にとって厳しいことは重砲の弾薬が殆ど空になっていることだ(独軍が曇天時に得られる弾薬は2ポイント。晴天時は1ポイントになる)。シェルブールでは虎の子第2装甲師団をシェルブール市街に入れて守りを固める。重砲弾が残り少ないので、エリート部隊の練度だけが守りの要だ。

オマハビーチ方面ではサンローに向う米第5軍団の各部隊がようやくボカージュ地帯を突破し、前進を始めていた。
シェルブール地区はこのTurnも戦いの焦点であったが、独軍エリート部隊が守り切った。シェルブールには一歩も近付けない米軍。


第22Turn(6月27日)曇天2
いよいよ最終Turnである。運命の天候は「曇天2」。最後の最後に天候は独軍に微笑んだ。独軍は最後の増援、第10SS装甲師団「フルンツベルク」をカーン正面、前Turnに登場していた第9SS装甲師団をサンロー方面に回して戦線を整理した。
米英軍は航空支援に乏しいため艦砲と砲撃支援だけで攻撃を続行する。例によって数ヶ所で低比率攻撃を仕掛けたが、その殆どが独軍の抵抗によって跳ね返された。唯一の例外がカランタンに対する攻撃。カランタンを守備する独軍がいずれも低練度部隊であったことが連合軍にとって幸いし、カランタンは陥落した。連合軍は最終Turnにようやくユタビーチとオマハビーチの間で連絡路を確保することに成功した。

結果
最終Turnまでに連合軍はシェルブール市街地を一つも落とすことができなかった。ユタビーチとオマハビーチの連絡路は辛うじて確保したものの、コタンタン半島を縦断することにも失敗した。カーンも落とせず、サンローにも届かなかった。VPは以下の通り。
<連合>
Epron
<独軍>
Balleroy
St-Clair-sur-l'Elle
コタンタン半島11ヘクス
シェルブール都市3ヘクス
計算するまでもなく独軍の圧勝である。米軍はコタンタン半島縦断に失敗したのが最大の敗因であった。オマハ方面に注力せず、コタンタン半島方面にも兵力を回しておくべきだった、と考えても、後の祭りである。St-Clair-sur-l'Elle
コタンタン半島11ヘクス
シェルブール都市3ヘクス
感想
対人戦の時には独軍の苦しさを感じましたが、ソロでプレイしてみると米英軍の方が苦しいように感じました。独軍は前半戦が苦しいのですが、そこを乗り切ると増援部隊が増えてくるので、戦線構築には随分楽になります。また今回はカーン当方でオルヌ川東岸の英軍を早期に撃破できたのも大きかったです。この方面で英軍が生きていると、独軍の戦線が広がる上、戦線がオルヌ川を挟んで左右に二分されることになり、機動力に劣る独軍にとって対応が難しくなります。シェルブールについては、米軍はとにかくコタンタン半島を横断して独軍戦線を広げる努力をする必要があると思います。またユタビーチにはある程度の兵力を揚陸しておかないと兵力不足に陥る危険があります。重砲弾の揚陸も魅力的なのですが最初の間連合軍は兵力を揚陸することに注力した方が良いように思いました。
米英軍から見た場合、序盤にもっと積極的に攻撃をすべきだったと思います。それから予備移動をもっと積極的に利用すべきでした。序盤に攻めておいて独軍の戦線を広げておけば、後半の展開もまた変わってきたのではないかと思います。
いずれにしても面白い作品です。細かいルールが多いので使いこなすにはそれなりの技量を必要とすること、プレイに時間がかかること(キャンペーンシナリオで丸2日ぐらい必要)等が難点ですが、そのような欠点を差し引いても十分魅力的な作品であると思います。今回のプレイでソロプレイは打ち止めにしようと思っていましたが(このゲームばかりに時間をかける訳にもいかないので)、連合軍の攻め方にはまだまだ工夫の余地がありそうなので、もう1度ぐらいソロで試してみたいと思っています・・・。








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