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「山科会」という会合があります。これは山科の某所に集まってゲームを楽しもう、という趣旨の会合です。私も昨年頃よりこの
「山科会」に参加させて頂くことになりました。その「山科会」で「5th Fleet」(VG)をプレイする機会を得ました。「5th Fleet」は、米Victory Games社が1989年に発売した現在海戦シミュレーションゲームです。
今回選んだのはシナリオ4「バルチスタン侵攻」。これはイランとパキスタンに侵攻し、インド洋沿岸に不凍港を手に入れたソ連軍に対し、アメリカを筆頭とする西側諸国が、イラン、パキスンタン、サウジアラビア、オマーン等、現地諸国の支援を得て反撃しようとするものです。

今回はプレイヤーが3名だったので、本作に慣れた筆者がソ連軍を担当し、あとの2人で兵力の多い連合軍を担当して頂きました。

前回までのあらすじ-->こちら

第4ターン(第2日午前)

2日目である。このシナリオは長さ6Turn。実時間にして2日分に相当する。いよいよ後半戦。ソ連側も米英側も味方船団の目的地到着と敵船団の阻止を目指して詰めに入る。

戦略航空作戦は防備の堅そうなオマーン湾上空を避け、比較的手薄なペルシャ湾方面に偵察機と制空戦闘機を派遣した。ペルシャ湾には西側連合軍に与するイラン空軍のF-5「タイガー」戦闘機も要撃に上がっていたが、MiG-31「フォックスハウンド」、MiG-23「フロッガー」、さらにはTu-16E「電子戦バジャー」からなる戦闘機隊には敵わず、ほうほうの体で引き上げていった。

このTurn、ソ連軍はペルシャ湾を航行する連合軍タンカーとその護衛艦を襲う。ペルシャ湾方面ではイタリア海軍ペルシャ湾部隊(駆逐艦1、フリゲート艦2)が船団護衛にあたっていたが、戦闘機の護衛を欠く水上部隊では「バックファイヤー」に対抗する術もなかった。フリゲート艦「シロッコ」「サジッタリオ」の2艦が瞬く間に轟沈した。イタリア派遣艦隊旗艦の新鋭駆逐艦「アニモソ」は、「バックファイヤー」の攻撃を逃れて任務を継続し続けたが、ペルシャ湾に進入したソ連ディーゼル潜水艦「グリフ」(フォクストロット型)の執拗な追撃からは逃れることができず、これまたペルシャ湾にその姿を没した。


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イタリア駆逐艦「ルイージ・ドゥランド・デ・ラ・ペンネ」。本艦は進水時には「アニモソ」と命名されていたが、就役前に左記の長ったらしい名前に改名された。「5th Fleet」発売時は「アニモソ」の艦名がまだ残っていた。


第5ターン(第2日午後)

オマーン湾を北上する「トビリシ」機動部隊は、パキスタン沿岸に近づいていた。それまで船団護衛を優先するために行動の自由を抑制されていた「トビリシ」機動部隊であったが、この時点で船団護衛の任務はほぼ完遂できたと判断。船団を分離してパキスタン方面へ向かわせ、空母「トビリシ」、打撃巡洋艦「カリーニン」等を含む6隻の精鋭打撃艦隊はいよいよその牙をむかんとしていた。

イラン方面ではSu-24「フェンサー」、Tu-26「バックファイヤー」、MiG-23「フロッガー」等からなる混成編隊がイラン南西部バンダルホメイニ飛行場(3102)を襲った。バンダルホメイニ飛行場からはイラン空軍のF-4「ファントム」、F-14「トムキャット」が要撃に舞い上がる。電子戦機の援護を受け、数的にも優勢なソ連軍編隊であったが、ここではイラン空軍が凱歌を上げた。Su-24数機が撃墜され、残ったソ連機は爆撃を行わずに引き上げた。

久々の凱歌に湧くイラン空軍であったが、その直後に再び冷や水を浴びせられることになる。カブールを発進したソ連軍Tu-95H「ベア」の編隊がバンダルホメイニに巡航ミサイルを放った。その1発がバンダルホメイニ飛行場の滑走路に命中。バンダルホメイニ基地を機能を失った。

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第5Turn終了時の状況


第6ターン(第2日夜間)

最終ターンである。このターンはオマーン沖で米ソ両軍の激しい戦闘が行われた。
船団を分離し身軽になった「トビリシ」機動部隊、強力なオスカー型ミサイル原潜「バルクハッシュ」、そしてソコトラ島を発進するTu-16C「バジャー」が三位一体となって連合軍船団を襲う。米フリゲート艦「マッキナニー」(OHペリー級)が打撃巡洋艦「カリーニン」の発射した対艦ミサイルの直撃を受けて轟沈した。「バジャー」のミサイルはタンカーを引き裂く。「バルクハッシュ」のミサイルは別のタンカーを海の藻屑とした。

イラン方面ではバンダルホメイニ飛行場に対するソ連軍航空部隊の連続波状攻撃が続いていた。Tu-26「バックファイアー」、Su-24「フェンサー」、MiG-29「ファルクラム」等の攻撃を受けてバンダルホメイニ飛行場は壊滅した。

その頃パキスタン南西部のジワリ港(3820)に、補給物資を満載したソ連輸送船約20隻が1隻の被害もなく入港していた。この輸送船団がイランにおけるソ連軍優位の決定的要因になったことは言うまでもない。

結果

連合軍のVP

・撃沈/撃破(8点)
 SN Ovseenko
・揚陸ポイント(51点)
・敵基地破壊(10点)
合計69点

ソ連軍のVP

・撃沈/撃破
1xCG(Anzio)
2xDD(Hayler,Animoso)
5xFF(Klakring,McInerney,Nicholas,Sagittario,Scirocco)
4xInt(2xF4,F5,F14)
・揚陸ポイント(60点)
・敵基地破壊(10点)
合計103点

結果:ソ連軍の決定的勝利。
連合軍にとっては、ソ連軍の輸送船団を無傷で通してしまったことが痛かった。

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ロシア海軍オスカー型大型ミサイル原潜。本シナリオでは、オスカー型原潜「バルクハッシュ」が、米イージス巡洋艦「アンツィオ」、駆逐艦「ヘイラー」等多数の艦船を撃沈、撃破し、本シナリオで最大の活躍を見せた。ちなみに「バルクハッシュ」という艦名は架空の名称であり、実際に「バルクハッシュ」というオスカー型原潜は存在しない。

感想

結果的には大差がついてしまいましたが、連合軍を担当して頂いたお二人にも十分に楽しんで頂けたようなので良かったです。お二人ともフリートシリーズにはあまり慣れていなかったのですが、フリートシリーズの感触のようなものはご理解頂けたようです。フリートシリーズは海戦ゲームでありながら、陸戦ゲーム的な面白さも併せ持つ好ゲームで、単なる「海戦シミュレーション」に留まらない面白さを持っています。お二人ともその点は十分にご理解頂けたようで、今後、フリートシリーズが「山科会」の定番ゲームになりそうな予感大です。


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