"Buffalo Wings"は、Against the Odds誌第29号の付録ゲームで、1939~41年にかけて戦われたソフィン戦争における空中戦闘を、1機対1機で扱います。本作についは、以前に簡単なレビューを紹介していますので、そちらもご覧下さい。--> 紹介記事
この度、YSGAの例会にてBuffalo Wingsをプレイする機会がありました。その結果についてご報告致します。
第1回戦
最初にプレイしたシナリオは17.3「One Behind the Other, 7 July 1941」。このシナリオは1機のBrewster Model 239を2機のソ連機が襲うというものです。ソ連機の種類や練度はダイスで決定します。私がソ連軍を担当しました。ダイス判定の結果、ソ連軍の機体はi-153「チャイカ」に決定。複葉機ながらも1000馬力級エンジンと引き込み脚を備えた究極の複葉機です。
下図はセットアップ時の状況です。
両者はヘッドオンですれ違い、すれ違いざまi-153の1機がB239を追う。
前後から挟まれたB239は右へ逃れようとするが・・・。
B239の背後に2機の「チャイカ」がピタリと取りつく。
この直後、「チャイカ」の射撃がB239を粉砕した。
第2回戦
今度はもう少し登場機の多いシナリオを選びました。シナリオ17.2「Sonny and Daddy,3 July 1941」です。このシナリオにはi-153「チャイカ」が3機とB239が2機登場。B239の2番機はベテラン・エースです。
下の写真がセットアップ時の状況です。1機のB239を3機の「チャイカ」が追い、その後方からさらに別のB239(ベテラン・エース)が「チャイカ」の編隊を追うという状況です。私はソ連軍を担当しました。
先頭の「チャイカ」1機が逃げるB239を追い、残った2機の「チャイカ」が隊長機の援護に回ります。後方から割り込んできたもう1機のB239が「チャイカ」3番機と至近距離で交戦。「チャイカ」1機が撃墜され、B239は被弾大破。被弾したB239はもう1機の「チャイカ」に追い詰められて四散しました。
「チャイカ」1番機に追われたもう1機のB239も「チャイカ」に撃たれて撃墜されてしまいました。
「チャイカ」1番機に追われたもう1機のB239も「チャイカ」に撃たれて撃墜されてしまいました。
結果はB239の2機撃墜に対して、i-153の1機の損失。「勝った」と評して良いのではないでしょうか。
第3回戦
最後に新鋭機同士の対戦ということで、シナリオ17.14「Brewster Epilogue, 2 April 1944」を選びました。このシナリオは、新鋭のLaGG-3が2機とお馴染みB239が2機の対戦です。今回も私はソ連軍を担当しました。今までの複葉機とは違い、今度は単葉機ということで期待したのですが・・・。いやー、LaGG-3は使いにくい。まず運動性がダメダメ。旋回許容速度が高いため、かなり高速で飛行しないと高G旋回ができない。しかし高速で飛行すれば必然的に旋回半径が大きくなる(旋回半径は速度の二乗に比例する:r = v^2/a )。しかも急旋回を行えばエネルギーロスが大きく、速度が急激に低下する。低速域ではLaGG-3の強みである速度性能も生かせない。うーん・・・。
てな具合で結局2対2の空戦でしたが、有効打を与えることなく終始してしまいました。折角高速機を操縦するのだから、高速機に相応しい戦法を取りたかったのですが、いやはやなかなか上手くいかないものです。
感想
シナリオあたりのプレイ時間は2~3時間。今回は登場機数が少なかったためにスカスカ進んだとも言えますが、それでも1回の空戦で所要時間が2~3時間というのは魅力的です。同じテーマを扱った「Air Force」(AH)にしても、1回の空戦で1~2時間は覚悟する必要があります。Buffalo WingsはAir Forceよりも遙かに難易度の高いゲームですが、プレイ時間がAir Forceとして大差がないというのは嬉しい所です。空戦ゲームとしてのリアリティは、Buffalo Wingsの方がAir Forceよりも遙かに高く、Air Forceが一種の「あてずっぽう」ゲームとも言えるのに対し、Buffalo Wingsは空戦機動によって相手を追い詰める快感(あるいは苦しさ)があります。もう1つ嬉しいことが。
このBuffalo Wingsは、以前に紹介したWhitling Deathとデータカードとルールの両方で互換性があります。つまりWhitling DeathのルールでBuffalo Wingsに登場する機体を扱ったり、逆にBuffalo WingsのルールでWhitling Deathに登場する機体を操ったりできます。
このBuffalo Wingsは、以前に紹介したWhitling Deathとデータカードとルールの両方で互換性があります。つまりWhitling DeathのルールでBuffalo Wingsに登場する機体を扱ったり、逆にBuffalo WingsのルールでWhitling Deathに登場する機体を操ったりできます。
Whitling Deathは究極の空戦ゲームというべき難度の高いゲームで、おいそれとプレイできるものではありません。その点Buffalo Wingsはルールが簡略化されているので比較的プレイは容易です。Whitling Deathに登場する零戦やヘルキャットを、比較的プレイしやすいBuffalo Wingsのルールでプレイできるのは楽しみです。
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