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Osprey Combat Aircraft#53 "F-15C EAGLE UNITS IN COMBAT"

Steve Davies Osprey

英語版オスプレイの1作品で、米空軍及びサウジ空軍でF-15Cを運用して撃墜を記録した部隊の記録である。
F-15Cによる撃墜戦果は、合計40機(米空軍37機、サウジ空軍3機)で、内訳はMiG-29が9機と最も多く、続いてMiG-23の8機、MirageF1EQの6機と続いている。使用兵器ではAIM-7によるものが26機で全体の65%を占め、AIM-9が9機、AIM-120によるもの4機と続いている。敵が強敵であるほどBVR(目視外兵器)による戦果の割合が増え、MiG-29はマニューバーキルした1機を除けばAIM-7MとAIM-120が4機づつ。もし湾岸戦争開戦時にAIM-120が間に合っていれば、スコアの大半がAIM-120によるものだったかもしれない。
このようにBVR兵器による戦果が大半を占めているため、個々の空戦シーンはほぼ一方的である。AWACSからの警報によって敵機の接近を知り、自らのレーダーで敵を捕捉、射程距離に入ってAIM-7又はAIM-120を発射。目標に命中、撃墜。という流れになる。敵からの反撃は殆どなく、そういった意味では機材の性能を云々する場面は少ない。
興味深かったのはAIM-120による空戦場面。中でも1999年3月26日のMiG-29との空戦では、AIM-120による史上初の2目標同時攻撃、同時撃墜が達成され、同兵器の優秀性を見せつけた。その一方で射程距離ギリギリを逃げ回るMiG-29相手にはさしものAIM-120も命中率が激減する等、「完全無欠の兵器」というものが存在しないことは興味深い。
ベトナム戦や中東戦争以外でジェット機同士の空戦が書籍化された例は珍しく、しかもミサイル戦中心の空戦となれば尚更である。空戦シーンそのものは「血沸き肉踊る」ものでは必ずしもないが、現用機の運用に興味のある向きにはお奨めしたい作品だ。

お奨め度★★★