国際通信社の「アジアンフリート」をプレイしました。今回プレイしたのはシナリオ6「Two Against Japan」。中国と韓国が日米連合を攻めるというちょっと過激な設定のシナリオです。今回の参加者は3名で、下名が中国軍を担当し、1名が韓国軍、もう1名が日米連合軍を担当しました。
ルールは最新の「オレンジのなる頃に」を採用。補給ルールはなしとしました。
ルールは最新の「オレンジのなる頃に」を採用。補給ルールはなしとしました。
前回までのあらすじ --> こちら
第7Turn(3日目午前)
九州南方海上で行動中の海上自衛隊護衛艦隊に対し、中国空軍が積極的な攻撃を実施した。Tu26、JH7等の対艦ミサイル攻撃でイージス護衛艦「きりしま」、ヘリ搭載護衛艦「しらね」の2隻を相次いで撃沈。さらに迎撃に上がってきた航空自衛隊のF4戦闘機を、Su30「フランカー」長距離戦闘機が返り討ちにした。久しぶりの朗報に中韓連合軍は湧き返った。さらに九州南方海上では、中国潜水艦隊が日本駆逐艦1隻を撃破。さらに恨み重なる米帝の攻撃型原潜「シティ・オブ・コーバス・クリスティ」(長たらしい名前だなぁ)をも撃破。潜水艦隊の奮戦に期待が高まる。
しかしすぐに凶報が舞い込んできた。まず済州島近海で行動中の韓国海軍大型揚陸艦「独島」が空自F2戦闘機の攻撃を受けて轟沈。九州南方海上でも最新鋭の商級原潜が日米潜水艦隊の攻撃を受けて1隻沈没、1隻中破。宋級ディーゼル潜水艦1隻も沈没した。

商級(Type093)原潜。2006年頃に就役したとされる中国海軍最新鋭の攻撃型原潜。最新鋭とはいってもアジフリにおけるその性能は、精々旧ソ連のヴィクター3型原潜程度の評価であり、四半世紀も前に就役した米ロス級よりもあらゆる点で劣っている。はふぅ・・・。
さらに米帝の魔の手は中国本土にも及ぼうとしていた。
中国本土東岸の路橋航空基地(ヘクス2440)に米軍機の大編隊が来襲。中国戦闘機による必死の迎撃にも関わらず米軍機はそれを排除。B52、B1、F117のワンツーパンチによって路橋基地は瞬時に壊滅した。
中国本土東岸の路橋航空基地(ヘクス2440)に米軍機の大編隊が来襲。中国戦闘機による必死の迎撃にも関わらず米軍機はそれを排除。B52、B1、F117のワンツーパンチによって路橋基地は瞬時に壊滅した。
路橋基地壊滅により衝撃を受けた中国では、一部高官が米本土に対する核攻撃を示唆するような発言(無論そんなルールはない)を出すという醜態をさらしてしまう。勿論核の先制使用は国是に反するということですぐに撤回されたが、路橋基地壊滅は中国軍にとってそれほど大きな衝撃を与えたということであろう。

第7Turn終了時の状況。路橋基地における攻防戦は、出目如何では米F22「ラプター」にステップロスを食らわせるチャンスだっただけに、ホントに惜しかった。また路橋基地と共に最新鋭のSu30SMK「フランカー」戦闘機が失われたことの方が痛かった。
第8Turn(3日目午後)
米軍は再び中国本土強襲を敢行。しかし今度は対空砲部隊が奮戦。上海上空に飛来してきたF117ステルス攻撃機をステップロスさせた。九州南方海上では中国潜水艦が米原潜「ヒューストン」を撃破した。

第9Turn終了時
第10Turn(4日目午前)
決戦を前にした戦略航空作戦で中国空軍が大戦果をあげた。東シナ上空。相手はAWACS付きの日米戦闘機。圧倒的に不利な状況であったが、中国空軍はこの不利を跳ね返して勝利した。勢いに乗る中国空軍は航空自衛隊のAWACS 3ユニットをまとめて撃墜。大戦果をあげた。そして尖閣諸島。空母「施琅」を主力とする中国海軍空母機動部隊が海上自衛隊護衛艦隊に対してSSM攻撃を仕掛けた。数次に渡る攻撃によってイージス艦「ちょうかい」、護衛艦「はるさめ」を撃沈。護衛艦3隻を撃破した。中国海軍も自衛艦隊のSSM攻撃によって空母「施琅」中破の損害を被ったが、まずは勝利と言って良い。
日米連合軍は報復すべく大規模な航空攻撃を仕掛けてきたが、これは些か無謀であった。日米連合軍の攻撃隊はF15「イーグル」2個飛行隊(日米)の護衛の元、B52「ストラトフォートレス」、海上自衛隊のP3C 2個からなり、それを嘉手納基地から発進したF22「ラプター」が全般援護を行うという豪華なものであった。しかし迎え撃つ中国空軍はAWACS支援のついたSu30、Su33等であり、空戦力では劣っていたものの、AWACSの支援がそれを補って余りあった。結果的にこの空戦は中国空軍の勝利に終わり、米軍は虎の子F22「ラプター」1ユニットを失うという大損害を被った。


F22とSu30。「アジフリ」の中の評価では、当然ながら圧倒的にF22が勝っている。今回のプレイでF22を除去できたことは、勝敗を別としても中国軍としては誇らしい戦果であった。
一瞬嘉手納上空のCAPが空白となった。このチャンスを見逃す手はない。中国本土各地からTu26、H6、JH7といった中距離、長距離爆撃機が嘉手納基地に殺到する。激しい対空砲火で中国空軍も少なからぬ被害を被ったが、中国空軍の反復攻撃により遂に嘉手納基地を壊滅に追い込んだ。基地に在地していたF117、F15の各飛行隊も失われた。F22撃墜に続く中国空軍2つ目の大戦果である。

第10Turn終了時
第11Turn(4日目午後)
米空母「ジョージワシントン」の機動部隊が沖縄近海に接近。攻撃隊を放ってきた。目標は勿論中国機動部隊である。中国空軍のAWACS機は既に引き上げて付近にはいない。空母「施琅」のCAP機は必死に迎撃したが、電子戦機の支援を受けた米攻撃隊によって撃退されてしまう。SSM攻撃によって2隻の中国駆逐艦「杭州」「哈爾浜」が沈没した。
駆逐艦「杭州」。旧ソ連のソブレメンヌイ級駆逐艦で、強力な対艦ミサイルP-270「モスキート」8基を搭載している。今回のシナリオでも対艦ミサイルで自衛艦隊を攻撃するなど活躍を見せたが、日米連合軍機の航空攻撃により沈没した。

第11Turn終了時
第12Turn(4日目夜半)
時間の関係でこのTurnを以て最終Turnとする。空母「施琅」機動部隊は沖縄近海を離れて中国近海に後退。日米連合軍も積極的な追撃戦を行わなかったために大きな動きはなかった。結果
中国軍の損害
DDx2 「杭州」「哈爾浜」(5vp)SNx1 「T930-2」(5Vp)
SSx1 「SS330」(3Vp)
INTx4 S30SMK,J7,J7E,J8(14Vp)
基地1個(3Vp)
計(30Vp)
韓国軍の損害
AAx1 「独島」(5Vp)DDx10 「世宗大王」、その他x9(32Vp)
SSx9 「孫元一」、その他x8(29Vp)
INTx17 F15Kx2,KF16x8,F4x5,F5x2(89Vp)
基地4箇所(12Vp)
計(167VP)
両軍の損害だけを比較すると、日米連合の+55Vpとなり、日米連合の限定的勝利となる。
損害以外を加味すると、+25Vpとなり、中韓連合の実質的勝利となる。
実質的には日米連合の限定~実質的勝利かな?。
損害以外を加味すると、+25Vpとなり、中韓連合の実質的勝利となる。
実質的には日米連合の限定~実質的勝利かな?。
いくつか苦言というかプレイする上での注意点を書きます。
まず両軍とも航空機の初期配置には要注意です。特に中国空軍。このゲーム、基地変更は原則禁止なのですが、戦略航空作戦や航空活動を実施すると、帰るべき基地がどこかわからなくなることが多々あります。他のフリートシリーズの場合、アジフリほど多くの航空ユニットが出てくることが少ない上、航空機のセットアップが固定のために、帰るべき基地がわからなくなることは殆どありません。しかしアジフリはその逆。しかも悪いことに中国空軍にはフリーセットアップの航空ユニットがあり、さらにセットアップ時の基地変更が許されているため、管理をしっかりしておかないと訳がわからなくなってしまいます。
揚陸に関するVp計算も他のフリートシリーズとは異なっていて、他のフリートシリーズの場合は「卸逃げ」なのですが、アジフリは最終Turnに判定されます。個人的には他のフリートシリーズと同じく「卸逃げ」方式の方が楽です。大型シナリオの場合、時間的な制約から最終Turnまで行くことは稀なので、途中で終わった場合でもVp計算出来た方が嬉しいです。
まず両軍とも航空機の初期配置には要注意です。特に中国空軍。このゲーム、基地変更は原則禁止なのですが、戦略航空作戦や航空活動を実施すると、帰るべき基地がどこかわからなくなることが多々あります。他のフリートシリーズの場合、アジフリほど多くの航空ユニットが出てくることが少ない上、航空機のセットアップが固定のために、帰るべき基地がわからなくなることは殆どありません。しかしアジフリはその逆。しかも悪いことに中国空軍にはフリーセットアップの航空ユニットがあり、さらにセットアップ時の基地変更が許されているため、管理をしっかりしておかないと訳がわからなくなってしまいます。
揚陸に関するVp計算も他のフリートシリーズとは異なっていて、他のフリートシリーズの場合は「卸逃げ」なのですが、アジフリは最終Turnに判定されます。個人的には他のフリートシリーズと同じく「卸逃げ」方式の方が楽です。大型シナリオの場合、時間的な制約から最終Turnまで行くことは稀なので、途中で終わった場合でもVp計算出来た方が嬉しいです。
ともあれ、アジフリは極東海域における現在海軍力の対決を描いた秀作です。シナリオの完成度やルールの洗練さ等ではオリジナルのフリートシリーズには敵いませんが、同人レベルのゲームとしては破格の完成度を持った作品です。是非、広くプレイされることを期待します




![提督が解説する海上自衛隊艦隊と軍艦のすべて 2024年 09 月号 [雑誌]: 軍事研究 別冊](https://livedoor.blogimg.jp/mk2kpfb/imgs/5/b/5b3aae4f.jpg)



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