自作ゲーム「戦術級日本海海戦」をソロでテストしました。
ゲームの主なスペックは以下の通りです。
1ユニット=1隻(巡洋艦以上)、1ヘクス=1km、1ターン=10分
ゲームの主なスペックは以下の通りです。
1ユニット=1隻(巡洋艦以上)、1ヘクス=1km、1ターン=10分
1Turn
ロシア艦隊は3列に分かれて盤内に進入してきた。左翼は軽巡「スベトラーナ」を旗艦とする第5戦隊。
中央は戦艦「スワロフ」を先頭に、戦艦7、重巡1からなるロシア艦隊最強の戦隊(第1、第2戦隊)。
右翼は仮装巡洋艦「ウラル」と輸送船6隻である。
勿論ロシア軍の戦力は上記だけではなく、さらに後方盤外からは戦艦「ニコライ1世」を主力とする第3戦隊と巡洋艦「オレーグ」を旗艦とする第4戦隊が続いている。
日本艦隊は、第1戦隊と第2戦隊の戦艦4隻、装甲巡洋艦8隻が単縦陣となってロシア艦隊の前方左舷を扼する位置にいる。その距離は約13~17km。まだ有効射程距離内ではない。
日本艦隊は史実通りの敵前大回頭を実施。ロシア艦隊の前面に展開。理想的なT字戦法を取るべく運動する。しかしそれは危険な動きであった。回頭中の日本艦隊に向けてロシア主力艦隊が砲火を開く。「スワロフ」以下4隻の主力戦隊は、距離6~7kmで上村彦之丞中将の旗艦「出雲」(装甲巡洋艦)に砲火を集中する。戦艦に比べると遙かに脆弱な装甲巡洋艦はロシア戦艦の猛火に耐えることはできなかった。「出雲」の損害ポイントは6に達し、「出雲」中破。第2戦隊は早くも戦闘指揮に重大な支障を来すことになる。
日本艦隊は「三笠」以下4戦艦がロシア側旗艦「スワロフ」に集中砲火。しかし回頭中からの射撃は命中率が低く、「スワロフ」に軽微な損害を与えたのみ。「春日」「日進」「出雲」「磐手」の4装甲巡洋艦は2番艦「アレクサンドル3世」に集中砲火。損害ポイントは1ポイントに過ぎなかったが、「混乱」の結果を得たので「アレクサンドル3世」は一時的に戦闘力を失う。
3Turn
T字戦法嫌ったロシア艦隊は第1戦隊を左旋回させて北方に向かわせた。T字を取ろうとする日本艦隊の裏をかき、日本艦隊の背後をすり抜けようという運動である。また速力に劣るロシア第2、第3戦隊は右へ回頭。日本艦隊と並行砲戦に出るべく運動する。両者激しい砲撃戦を展開するものの、回頭中のために両者とも決定打はない。練度に優る日本艦隊がスコアを上げ、戦艦「ボロジノ」「オスラビア」「ニコライ1世」、装甲海防艦「ウシャコフ」、巡洋艦「ジェムチューグ」「アルマーズ」等に損害が発生する。4Turn
二手に別れたロシア艦隊は日本艦隊を挟撃すべく運動する。一方の日本艦隊も艦隊を二手に分離し、「三笠」以下の第1戦隊をロシア側第2,3戦隊に向けさせ、「出雲」以下の装甲巡洋艦6隻はロシア側第1戦隊との砲撃戦に当たらせた。「三笠」とロシア艦隊は距離2kmの至近距離に迫った。「オスラビア」以下4隻の砲火が「三笠」に集中。「三笠」にかなりの損害が出た(4損害ポイント)。
5Turn
「三笠」以下第1戦隊はロシア艦隊の中に突入。凄まじい接近戦を演じる。さらに後方から近付いてきた上村彦之丞の装甲巡洋艦6隻も距離3,000mで「オスラビア」以下8隻のロシア艦隊の頭を押さえた。「浅間」以下4隻の装甲巡洋艦が戦艦「シソイ・ヴェリーキー」に多数の命中弾を与えた。6損害ポイントを被った「シソイ・ヴェリーキー」は中破。速力を失っていく。また巡洋艦「浪速」以下4隻の集中砲火を浴びた仮装巡洋艦「ウラル」が中破。速度を失っていく。さらに「厳島」「鎮遠」ら4隻からなる第5戦隊はロシア巡洋艦「アルマーズ」等に命中弾を与えていた。ロシア側最強の第1戦隊は、日本艦隊の左後方から追いすがるように砲撃を浴びせる。装甲巡洋艦「八雲」「吾妻」に数発の命中弾が発生したが、もとより決定的な戦果ではない。
6Turn
両軍通じて初の沈没艦が出た。日本側第5戦隊の砲撃を受けたロシア巡洋艦「ジェムチューク」が弾薬庫に直撃弾を受けて轟沈したのである。さらに激しい接近戦は衝突事故を多発させる。ロシア側輸送船と装甲巡洋艦「八雲」が衝突。装甲に劣るロシア側輸送船に損害が発生する。
戦艦「ナワリン」は日本戦艦「朝日」に対してラム戦を強行。両者とも損害が発生する。
7~9Turn
日本側の優越が顕著になり始めた。「三笠」以下4戦艦はまず高速戦艦「オスラビア」に3損害ポイントを与え、累積9ポイントに達した「オスラビア」がまず中破する。さらに旧式戦艦「ニコライ1世」も多数の命中弾を受け、誘爆等もあって大破。列外に後落していく。さらに装甲巡洋艦「春日」がラム戦で装甲海防艦「ウシャコフ」を撃沈していた。同じ時期に日本第2戦隊は、新鋭戦艦「ボロジノ」に多数の命中弾を与えてこれを中破。さらに装甲海防艦「アプラクシン」にも命中弾を与えて中破せしめている。ロシア艦隊の戦列は乱れ、バラバラの状態で必死にウラジオストックを目指す。
その間、「春日」はロシア装甲海防艦「セニャーウィン」等の砲撃を受けて中破。東郷平八郎大将の旗艦「三笠」も多数の命中弾を受けて損害を増やしていったが、ギリギリで戦列に留まっている。
軽快艦艇同士の戦いでは、巡洋艦「浪速」等の砲撃を受けた仮装巡洋艦「ウラル」を撃沈。巡洋艦「須磨」以下4隻からなる第6戦隊はロシア高速巡洋艦「イズムルド」を砲撃で撃沈していた。
10~14Turn
逃げるロシア艦隊と追う日本艦隊との間で激しい砲撃戦が展開される。列外に後落した戦艦「シソイ・ヴェリーキー」を「厳島」「松島」「橋立」「鎮遠」の4艦からなる第5戦隊が追う。典型的な落ち武者刈りだが、さすがに「腐っても戦艦」。「シソイ・ヴェリーキー」は意地を見せる。接近してきた第5戦隊に猛烈な砲火を浴びせて旗艦「厳島」を中破に追い込んだ。「シソイ・ヴェリーキー」も多数の命中弾を浴びて沈没寸前に追い込まれたが、ギリギリで盤外離脱に成功した。
一方で落武者狩りの犠牲になるものもあった。まず戦艦「オスラビア」が「三笠」以下の砲撃により撃沈された。「オスラビア」も意地を見せて「三笠」を中破に追い込んだが、そこまでだった。
旧式戦艦「ニコライ1世」、装甲海防艦「アプラクシン」は、「須磨」「和泉」「千代田」「秋津州」という弱小な巡洋艦群の砲撃によって撃沈されていった。
一方で落武者狩りに対して手痛い損害を強いた例もあった。
「スワロフ」以下4隻の主力戦艦はそれまで比較的軽微な損害で済んでいたが、それに対して「笠置」「千歳」ら4隻の高速巡洋艦からなる日本側第3戦隊が勇敢にも接近戦闘を挑んできた。しかしこれは些か無謀であった。装甲の薄い防護巡洋艦が戦艦群に敵う訳がない。しかも「スワロフ」以下は落武者といっても戦闘単位としての能力を未だ維持していたのだ。
旗艦「笠置」は多数の命中弾を受けて轟沈。出羽少将も艦上で壮烈な戦死を遂げた。
第3戦隊の危機を救うべく「浪速」以下第4戦隊も馳せ参じたが、ロシア戦艦はこちらに対しても猛烈な砲火を浴びせてきた。「浪速」大破。「高千穂」「対馬」中破。さらに「対馬」「明石」の2艦は火災が発生していた。第4戦隊は壊滅的な打撃を被ったのである。「スワロフ」以下は日本艦隊の追撃を振り切り、盤外へ離脱していった。
「スワロフ」以下4隻の主力戦艦はそれまで比較的軽微な損害で済んでいたが、それに対して「笠置」「千歳」ら4隻の高速巡洋艦からなる日本側第3戦隊が勇敢にも接近戦闘を挑んできた。しかしこれは些か無謀であった。装甲の薄い防護巡洋艦が戦艦群に敵う訳がない。しかも「スワロフ」以下は落武者といっても戦闘単位としての能力を未だ維持していたのだ。
旗艦「笠置」は多数の命中弾を受けて轟沈。出羽少将も艦上で壮烈な戦死を遂げた。
第3戦隊の危機を救うべく「浪速」以下第4戦隊も馳せ参じたが、ロシア戦艦はこちらに対しても猛烈な砲火を浴びせてきた。「浪速」大破。「高千穂」「対馬」中破。さらに「対馬」「明石」の2艦は火災が発生していた。第4戦隊は壊滅的な打撃を被ったのである。「スワロフ」以下は日本艦隊の追撃を振り切り、盤外へ離脱していった。
ロシア側の損害(中破以上のみ)
沈没:戦艦「オスラビア」「ニコライ1世」、装甲海防艦「ウシャコフ」「アプラクシン」、巡洋艦「イズムルド」「ジャムチューグ」「ウラル」、輸送船1ユニット中破:戦艦「ボロジノ」「シソイ・ヴェリーキー」、巡洋艦「オレーグ」
日本側辛勝
感想
ロシア艦隊を二分したのが失敗でした。ロシア側は一部の艦艇だけが逃げても勝てないので、可能な限り一団となってウラジオストックを目指すべきでした。いずれにしも史実で日本側がボロ勝ちした海戦であり、ロシア側が不利なことは否めません。ゲーム全体の感想としては、バランスはまあいい感じかなと思います。今回日本側の辛勝に終わりましたが、VP的にはギリギリだったので、ロシア側がもうひと頑張りで引き分けに持ち込めました。まあ史実が史実だけに日本側有利なのは止むを得ないとは思っています。
1つ気になったのはプレイ時間。今回のプレイはVASSALで行ったのですが、約6時間かかってしまいました。ちょっと気になる長さです。砲撃の解決に時間がかかるのが主な原因です。対策としては、例えば2等巡洋艦以下を2隻1ユニットにして駒数を減らすという手段があります。しかし個艦単位に拘りたい面もあり(できれば同じシステムで日清戦争も再現したいと思っているので・・・)、悩ましい所です。
巡洋艦「笠置」。同型の「千歳」と共に日本海海戦に参加した日本艦の中では最速を誇る。武装も20cm砲を装備する等、このクラスの巡洋艦では比較的強力である。
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