YSGAの例会で「第2艦隊(2nd Fleet)」をプレイしました。「第2艦隊」は、フリートシリーズの1作で、1986年に米国Victory Games社から発表された現在海戦ゲームです。テーマは北大西洋からノルウェー近海におけるソ連海軍とNATO海軍の激突で、NATO軍は米英蘭加独伊が登場します。
前回までの経過-->こちら
7Turn(3日目AM)
開戦3日目に突入。国連で停戦交渉が始まった。交渉を横目に見ながらノルウェー中部のボードー(Bodo 3516)にソ連軍が空挺強襲を実施してきた。NATO軍も対抗上空挺部隊をボードーに投入。激しい争奪戦が繰り広げられた。
ノルウェー中北部要図
8Turn(3日目PM)
ノルウェー北岸沖に4隻からなるソ連小艦隊が発見された。今まで攻撃の機会がなく、苛々をつのらせてきたNATOの基地航空隊は勇躍発進。攻撃に向かう。先陣を切ったのは中部ノルウェーに進出していた英国王国空軍のバッカニア2個中隊。ソ連CAP網を巧みに潜り抜けた攻撃隊は、シーイーグル空対艦ミサイルを次々と発射。数発の命中を受けたミサイル駆逐艦「ストローイヌイ」(Stroynyy Kashin改型)が撃沈された。それに引き続き、アイスランドのケフラビック(Keflavik 1831)基地を発進したB-1爆撃機、同じくP3C哨戒機、さらには英本土を飛び立ったニムロッド哨戒機も加わり攻撃を実施。フリゲート艦「ベスメンヌイ」(Bessmennyy Krivak2型)を撃沈した。多数機による波状攻撃であったが、戦果が駆逐艦、フリゲート艦各1隻の撃沈というのは、やや寂しい感があった。
ノルウェー海でSS「Constantin Chernenko」(フォックストロット型)を撃沈。潜水艦としては8隻目の戦果、ディーゼル潜は2隻目の戦果であった。


英空軍のバッカニア攻撃機。足の長さと対水上攻撃力が自慢の機体だが、既に旧式化していることは否めない。にも関わらず今回大きな活躍が出来た最大の理由は、航続距離の長さにある。本機と類似の任務を持つ我がF-1支援戦闘機が、7th Fleetではその航続距離不足により殆ど役立たずであることを見た時、この種の"陸攻"にとって航続距離がいかに重要かが自ずと理解できよう。
10Turn(4日目AM)
開戦4日目。ソ連の空挺部隊がアンドーヤ(Andoya 3313)航空基地に進攻。また強襲揚陸部隊はナルビク(Narvik 3412)に進攻してきた。両地は瞬く間に陥落。ノルウェー北部一帯はまさにソ連軍の為すがままである。ノルウェー近海では両陣営の潜水艦がまたもや激突した。ソ連原潜隊が米英の原潜群に激しく襲いかかったが、これまでの戦いで旧式艦をほぼ一掃されたNATO潜水艦はロス級、トラファルガー級といった新鋭艦揃いになっていた。静粛性に優れたNATO新鋭潜水艦はソ連潜水艦の攻撃を悉くかわして反撃の機を伺う。
ナルビクから撤退するソ連空母機動部隊(軽空母2、原子力重ミサイル巡洋艦1、ミサイル巡洋艦2、駆逐艦1)を歴戦のバッカニア2個中隊が襲う。ノルウェー空軍のF16と英空軍のキャンベラ電子戦機が援護しているため、艦隊を守るYak36フォージャーは手も足も出ない。軽空母「バクー」(Baku Kiev級)に数発のシーイーグルが命中。「バクー」が中破したが沈没は免れた。続いてケフラビックを発進したB1爆撃機とP3C哨戒機の編隊が、F15戦闘機の援護を受けて飛来した。ハープーンミサイル数発が新鋭ミサイル駆逐艦「ウダロイ」(Udaloy Udaloy級)に命中。「ウダロイ」轟沈。
アイスランド南方では、手負いの米ドッグ型輸送揚陸艦「オグデン」(Ogden LPD-5 Austin級)がTu26バックファイアーのミサイル攻撃を受けて沈没した。
英潜「タラント」(HMS Talant S018)の攻撃で「Ivan Konev」(Victor3型)大破。


11Turn(4日目PM)
バッカニア2個飛行隊が猛威を振るっている。今度はナルビク南方のフィヨルドに潜むソ連艦隊を通常爆撃で襲った。激しい対空砲火の中、ミサイル巡洋艦「ティモシェンコ」(Timoshenko Kresta2型)撃沈、ミサイル巡洋艦「セバストポール」(Sevastpol Kresta1型)を大破させた。さらにケフラビックから発進したB1とP3Cの攻撃で大破した「セバストポール」を撃沈。さらに英空軍のニムロッド哨戒機も加わりミサイル駆逐艦「スデルザンヌイ」(Sderzhanny Kashin改型)を撃沈。NATO基地航空部隊は、わずか1Turnの航空攻撃でミサイル巡洋艦2隻、ミサイル駆逐艦1隻を撃沈した。ナルビク近海は再びソ連水上艦艇の墓場となった。これまでも英雄的な偵察任務についていたノルウェー海軍の潜水艦「スクリナ」(HNoMS Sklinna S305)が数波に渡る敵潜水艦の攻撃に耐えてナルビク近海で頑張っている。この艦は最終的には敵水上艦隊の攻撃を受けてフィヨルド内で悲愴な最期の遂げることになるのだが、彼らの英雄的活躍がなければNATO軍基地航空隊による大戦果もなかったので、ここで改めて記しておく。
軽空母「イラストリアス」(HMS Illustrious R06)を旗艦とするハンターキラーグループ(軽空母1、駆逐艦2、フリゲート艦3)がノルウェー海に進出。対潜戦の一翼を担うべく態勢に入る。
水中戦も相変わらず激しく進攻している。沈めても沈めても次から次へと増援潜水艦を送り込んでくるソ連海軍に対し、NATO潜水艦隊は恐怖を禁じ得ない。そして遂に実害も出始めていた。
ソ連原潜「Mikhail Kalinin」(Victor1型)が原潜「トラファルガー」(HMS Trafalgar S107 Trafalgar級)を攻撃。「トラファルガー」大破。
NATO側の反撃もまた激しかった。米原潜「ホエール」(USS Whale SSN-638 Sturgeon級)がソ連原潜「Anatoly Blagonravov」を攻撃。これを撃沈した。また英原潜「タラント」がソ連原潜「Ivan Konev」を攻撃。これまた撃沈に追い込んでいる。

12Turn(4日目夜)
歴戦のバッカニア飛行隊がなおも猛威を振るっている。ミサイル攻撃で新鋭ミサイル駆逐艦「アドミラル・スピリドノフ」(Admiral Spiridonov Udaloy級)撃沈。さらにケフラビックのB1及びP3Cが追い打ちをかけ、ミサイル駆逐艦「オトリチュヌイ」(Otlichnny Sovremenny級)を撃沈。ミサイル巡洋艦「ニコラエフ」(Nikolayev Kara型)大破。ニムロッドの攻撃でソ連原潜「Feliks Dzerzhinsky」撃沈。
SSN「タラント」「トラファルガー」がソ連新鋭原潜「Leninskiy」(Sierra型)を攻撃。撃沈
この間、NATO水上部隊の多くが洋上での燃料補給に入った。NATO海軍の水上艦、なかんずく英海軍、オランダ海軍、カナダ海軍の護衛艦艇は軒並み足が短い。頻繁な燃料補給の必要性は、見えないところで艦隊の足を引っ張っていた。

英海軍のフリゲート艦「カンバーランド」(HMS Cumberland F99)。Type22型バッチ3に属する本艦は、1989年に就役した(当時としては)最新の対潜艦であった。英海軍の水上艦艇の中にあっては比較的長い航続力を有していたが、それでも全力行動可能期間は3日間に過ぎず、米新鋭駆逐艦の約5日間には遠く及ばなかった。
13Turn(5日目AM)
開戦5日目に突入した。国連の停戦はまた1歩進んだ。もう停戦は目前である。このままではノルウェー北部はソ連側の支配が確定してしまう。なんとか残された時間で反撃を成功させたい。ソ連側はトロムソ(Tromso 3311))に空挺降下を実施してきた。北部ノルウェーで着々と支配を固めてくるソ連軍。
原子力空母「ルーズベルト」(USS Theodore Roosevelt CVN-71 Nimitz級)を旗艦とする米空母機動部隊がアイスランド南方海域に姿を現した。米艦隊は比較的航続距離に余裕のある艦隊を集めて特別打撃部隊(原子力空母1、原子力ミサイル巡洋艦2、駆逐艦3)を編成。最大戦速でノルウェー近海を目指す。到着予定は3日後だが、その時までノルウェー近海で戦いが続いているかどうか・・・。



ここまで
国連の停戦交渉が予想外に進展し、停戦目前の状況となった。これまでNATO軍は主に航空攻撃によってソ連潜水艦や水上艦に対して大きな損害を与えてきたが、ノルウェーにおける陸戦はソ連軍有利に進展し、北部ノルウェー一帯はソ連軍の手に落ちた。先のTurn、いよいよNATOの水陸両用部隊がノルウェー海に進出してきた。米空母部隊もアイスランド近海をノルウェーに向けて急行中である。