以前にNightFighter(GMT)のシナリオプレイをいくつか紹介しましたが、その時にも触れたとおり、NightFighterには他にも興味深いシナリオが沢山掲載されています。その全てを紹介することは冗長過ぎるので避けますが、いくつか興味深いシナリオだけでも紹介させて下さい。

シナリオ1A「London Blitz」

イメージ 1本作の中でルール的に一番簡単なのはシナリオ1なのですが、こちらはプレイの難易度が異常に高い。シナリオの紹介でもプレイヤーが勝利するのは「ほぼ不可能」とされています。それもそのはず。レーダー装備のない昼間戦闘機であるHurricane Mk.Iがパイロットの目だけを頼りに夜間迎撃戦を試みるわけですから。
そこでこのシナリオバリエーションは防御側にサーチライトを用意し、迎撃のチャンスを増やすことによりプレイヤー側の勝利のチャンスを増やしています。登場機は攻撃側がHe111Hx3、防御側がHurricane Mk.Ix1。基本ルール以外にいくつかのルールを事前に理解しておく必要がありますが、審判側が理解しておけば問題ないでしょう。

シナリオ2C「The Second Raid on Pearl Harbor」

イメージ 2K作戦として知られる日本軍による真珠湾第2次攻撃です。攻撃側は2機の二式大艇。プレイヤーが操る防御側はSCR-270レーダー(初期の早期警戒レーダ)に支援されたP-40B戦闘機1機(15FG所属)です。史実では「夜間迎撃に関する経験不足」のために迎撃に失敗した、とのことですが、それを反映してかP-40Bは視認ルールで特別な制約が課せられています。

シナリオ2D「Rabaul」

イメージ 31943年5月。ラバウル上空に飛来したB-17に対する夜間迎撃戦です。この戦いで日本軍は初めて斜銃を使用。B-17に対する初の夜間撃墜に成功します。日本軍は二式陸偵改造夜戦(J1N1-C改)1機が登場。攻撃側は3機のB-17Eです。ラバウルには初期型レーダーもありますので、ある程度の支援が可能です。

シナリオ3「The Kammhuber Line」

イメージ 5レーダーによる「暗い夜戦」とサーチライトによる「明るい夜戦」が軌道に乗りつつあった1941年春におけるドイツ本土防空戦を描きます。プレイヤーが操る防御側は、エキスパートパイロットが操るJu88C-2が1機。侵入側はWellington Mk.Icが3機です。Ju88C-2はかなり初期の夜戦なので機上レーダーなし、速度や火力も十分とは言えませんが、対するWellingtonも左程強力な機体ではない上、エキスパートパイロットの威力も相まって、勝利は左程困難ではないと思われます。

シナリオ4「Himmelbett」

イメージ 4独側の機上レーダーが期待使用され始めた1942年8月頃のシナリオです。このシナリオでは、ドイツ側の迎撃機として珍しいDo215B-2 "Kauz 3"が登場します。Ju88C-2に比べるとレーダー装備と火力面で優越していますが、それ以外に際立った特徴はなく、Ju88やMe110の後期型に比べると見劣りする点が多いです。

シナリオ4H「Guadalcanal」

イメージ 61943年4月19日、ガダルカナル上空におけるP-70Aと一式陸攻の夜間空中戦を描いたシナリオです。P-70Aとは、A-20軽爆撃機を改造した夜間戦闘機で、機上レーダーを装備し、火力も優れていますが、速度性能が低いため、高速の陸攻を捕捉するのは容易ではないでしょう。

シナリオ5「Wilde Sau」

イメージ 7ヴィルデ・ザウ戦法とは、レーダーに頼らず、サーチライトの光を頼りに敵爆撃機を襲う戦法のことで、英軍の電波妨害戦術によって捜索レーダーや機上レーダーが機能不全になったために産み出された苦肉の策と言って良い戦術です。主にMe109GやFw190Aといった単発戦闘機が採用しました。このシナリオでは45機のLancaster Mk.3からなるボマーストリームと、それを迎撃する3機の単発戦闘機(Me109G-6x2、Fs190A-5x1)が登場します。英軍の電波妨害を反映して機上レーダー/捜索レーダーは使えません。独夜戦隊はサーチライトの光と自らの目だけを頼りに爆撃機を追うことになります。勝利条件は爆撃機3機以上の撃墜ですが、これはかなり難しそうに思えるのですが、はてさて・・・。

シナリオ7「Serrate」

イメージ 8このシナリオはやや変則的な内容で、プレイヤーは英爆撃機を護衛するMosquito NF.2夜間戦闘機1機を指揮します。審判はHalifax Mk.3爆撃機28機と独Ju88C-6夜戦2機を指揮します。プレイヤーは爆撃機を襲う独夜戦を探し出し、背後から奇襲してこれを撃墜する任務を帯びています。敵味方識別が課題になりますが、英夜戦はSerrateと呼ばれる識別装置を装備しているので、機上レーダーを搭載している独夜戦を識別することが可能です。

シナリオ8G「Saipan」

イメージ 9サイパン島のB-29基地に対する日本軍の夜襲を描いたシナリオで、日本軍は一式陸攻5機が登場し、迎撃側はUSAAFのP-61A Black Widow 1機が登場します。新鋭夜戦と優秀な捜索レーダー(5つの目標を同時に追尾可能)の組み合わせははたして日本軍を阻止できるでしょうか。

シナリオ10B,C,D

イメージ 10これらは以前に紹介したシナリオ10のバリエーションです。シナリオ10B「Mosquito Hunter」ではHe219A-6 "Uhu"が、シナリオ10C「Moskito」ではTa-154A "Moskito"が、シナリオ10D「Me262」ではジェット夜戦Me262B-1aが登場します。これらドイツが誇る新鋭夜戦と英モスキートの対決は興味津々です。