Black Cat Raiders of WW2
Richard C.Knott BlueJacket Books

PBYカタリナ飛行艇のWW2期における活躍を描いた著作である。本書は真珠湾攻撃に始まり、フィリピン戦、ミッドウェー戦、ソロモン戦、ニューギニア戦、そしてフィリピン近海におけるPBYカタリナ飛行艇の活躍を取り扱っている。初期から中期にかけては主に哨戒機として活躍していたPBYであったが、1943年後半からはレーダーを装備した夜間攻撃機としても活躍し始めていた。さらに機首部に旋回式4連装の12.7mm機関銃を搭載するに及んで、「艀キラー」としても活躍するようになった。本機の夜間攻撃機としての活躍は1944年以降の北部ニューギニアや南部フィリピンが主体であり、日本軍における夜間装備の不足と相まって多数日本敵船舶を撃沈していた。
本書で残念な点は記録が殆ど米側からのみの視点に偏っていることである。それでもカタリナ飛行艇という今まであまり取り扱われなかったテーマを取り扱っているという点にといても本書は貴重である。
お奨め度★★★★