山科会でGMT社のArdennes 44をプレイしてみた。アルデンヌ攻防戦、いわゆる「バルジの戦い」を1Hex=2.6km、1Turn=8時間、1ユニット=大隊、連隊、旅団規模で再現するゲームである。ゲームが扱っている期間は12月16日~26日までの計11日間。TURN数でいえば22TURNという長さになる(夜間TURN除く)。実際に11日間のキャンペーンシナリオは時間的にプレイ困難であり、やや短い6Turnシナリオや8Turnシナリオなら1日で十分終えることも可能である。
今回の参加者は計4名。下名は独軍の南部を担当した。セットアップはQuick Setup Displayに従った。
今回の参加者は計4名。下名は独軍の南部を担当した。セットアップはQuick Setup Displayに従った。
1Turn(12/16AM)
私の担当する第5装甲軍と第7軍には、3個の装甲師団(戦車教導、第2、第116)と8個の歩兵(擲弾兵)師団がある。そのうち1個装甲師団(第116)と2個歩兵師団はサンビット(St-Vith 2123)攻略のために北部担当プレイヤーに託し、残った2個装甲師団と6個歩兵師団でミューズ川(Meuse)への突破を目指すことにした。第1Turnはオウル川(Our)の線をまず越えなければならない。しかし川にかかる橋の殆どが爆破されているので戦車部隊は川を越えることができない。仕方なく機械化歩兵を主力とする部隊が川を越えて対岸の米軍部隊(第9機甲師団、第28歩兵師団、第4歩兵師団)を攻撃する。砲兵戦力で勝る我々は前線の米軍部隊と激しく戦い、3Stepの歩兵を失いながらも敵歩兵大隊4個を葬った。
第5装甲軍の戦車教導師団はスカイラインドライブ(SkyLine Drive)の線まで進出した。また第7軍の第212国民擲弾兵師団はエヒテルナハ(Echternach 1105)を占領した。
第5装甲軍の戦車教導師団はスカイラインドライブ(SkyLine Drive)の線まで進出した。また第7軍の第212国民擲弾兵師団はエヒテルナハ(Echternach 1105)を占領した。


2Turn(12/16PM)
オルヌ川に架かる二つの橋、Dasburg橋とGenOnd橋の修理が完成した。さらにOurenに架かる木橋も独軍が奇跡的に無傷で占領する。戦車がこれらの橋を渡り、オルヌ川の線を越えて前線に展開してきた。戦車教導師団はクレルボー(Clervaux 2416)を攻撃。歩兵と戦車のスタックなので苦戦を強いられ、シャーマン戦車大隊と相打ちで精鋭5号駆逐戦車(ヤークトパンター)大隊が失われたのは痛かった。しかしそれでも要域クレルボーを占領したドイツ軍はさらに西に向けての進撃路を確保した。
第2装甲師団はWeiswampach(2318)を守る米軍歩兵大隊を圧倒的兵力差で撃破。さらに突破して米第9機甲師団のCCRと交戦し、A1/D1でこれに損害を与えた。
サンビットの南翼から攻める第116装甲師団も米第14騎兵連隊の歩兵大隊を攻撃。これを撃退していた。

3Turn(12/17AM)
攻勢開始2日目である。独軍の先頭を進むのは2個装甲師団(戦車教導、第2)である。彼らはサンビット-バストーニュ街道にまで進出していた。もう1つの装甲師団(第116)はサンビットの南西部から北上。サンビットを包囲する形となる。第2装甲師団は街道上で米第9機甲師団CCRを撃退。戦車教導師団も米独立戦車大隊を攻撃し撃退した。バストーニュ(Bastogne 3414/3413))まであと6Hex。
第7軍も着実に前進。エテルブリューク(Ettelbruck 2207)で米歩兵大隊を包囲した。


4Turn(12/17PM)
バストーニュを目前にしながらドイツ装甲部隊の進撃やや停滞気味である。第2装甲師団はバストーニュ北方約15kmの要域ウッファリーズ(Houffalize 3219)に対して攻撃を仕掛けたが、結果はENGで攻略には失敗した。ウィルツ(Wiltz 2712)に対しても歩兵部隊で攻撃したがこちらも米軍の抵抗に遭い攻略に失敗している。そのような状況下、戦車教導師団の戦闘団は米軍部隊を撃破し、バストーニュまであと3ヘクスに迫る。第7軍戦区ではエテルブリュークの米軍歩兵をを包囲せん滅した。
このTURN、初めて連合軍が第7軍戦区に攻撃を仕掛けてきた。この攻撃は兵力不足で失敗。


5Turn(12/18AM)
第2装甲師団が再びウッファリーズを攻撃する。今度は十分な戦力を投入した上での集中攻撃なので攻撃は成功。町を守っていた米軍工兵部隊は包囲殲滅されウッファリーズは独軍の占領する所となる。戦車教導師団はバストーニュ東方5kmに位置するMageret(3214)で米軍を撃破、その勢いで戦車教導師団の一部がバストーニュに突入した。
6Turn(12/18PM)
戦車教導師団と第2戦車師団が戦果の拡張を図るべく敵地奥深くに進攻する。まず戦車教導師団はバストーニュ北方を抜けてその西方に進出。バストーニュ包囲を狙う。しかし敵中深く突出した戦車教導師団のカンフグルッペは強力な反撃に遭遇する。米第10機甲師団を主力とする増援部隊だ。包囲されていたのでかなりヤバイ状態であったが、この攻撃はなんとか撃退した。第2装甲師団はその先鋒部隊がGrandmenil(3626)まで進出。友軍の第6SS装甲軍の攻勢を助けるため、敵の背後を伺う。

7Turn(12/19AM)
バストーニュ方面では戦車教導師団と米第10機甲師団との交戦がなおも続いている。増援で現れた総統警護旅団と実質2個師団体制でバストーニュの一角を再び占領するが、米軍も第101空挺師団がトラックに乗って増援として現れてきた。
8Turn(12/19PM)
第2装甲師団、第2SS装甲師団、第9SS装甲師団が燃料切れで補給切れ扱いとなってしまう。それでもバストーニュ完全占領を目指す独軍は、戦車教導師団と装甲警護旅団の共同でバストーニュに残った最後の敵拠点に対して攻撃を実施した。
攻撃力比でいえば32-10で3-1。それに砲兵支援と戦車優越で5-1の攻撃。十分に勝算の立つ攻撃であったが、出目がまさかの"5"で結果は"FF"(Fire Fight)。それでは、と、パンター戦車大隊を先導ユニットに指定してのFire Fight表ではまたもや"6"の目を出してしまい結果は"A1/DR"で虎の子パンター大隊がまさかのステップロス。それでもバストーニュを奪えたから良いかな、と思っていたら、連合軍が死守表を使って後退をキャンセルすることに成功。バストーニュはなんとか持ちこたえている。


プレイ時間はセットアップ含めて約8時間。1Turn=1時間程度のペースである。この分ではキャンペーンシナリオの所要時間は20時間強となり、1日では無理としても、2日あれば十分プレイできそうなボリュームだ。
このゲーム、細かいルールが多いのでルールを読んだだけではなかなか感覚が掴めないかもしれない。しかし実際にプレイしてみると驚くほどシンプルで、ある程度慣れたプレイヤーが参加するのであれば、作戦級初心者でも十分に楽しめる作品といえる。面白いかどうかは人それぞれなので断言はできないが、少なくとも私にとっては本作はプレイしていて楽しい作品であった。
機会があれば、今度はキャンペーンシナリオにもチャレンジしてみたい。とはいっても近い将来GMT社からRePrint版が発売になるので、それを購入した後になると思うが・・・。






