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ミッドウェー海戦-その時艦隊はどう動いたか

左近丈尚敏 新人物往来社

ミッドウェー海戦の経過を追った著作。日米両機動部隊の動きだけではなく、基地航空部隊や攻略部隊、潜水艦、さらには後方司令部等の動きにも目を向けている。特に海戦に至る米軍の情報戦については一見の価値あり。日本軍の地点符号の意味(Aから始まるもの(AF、AK、AL等)は太平洋のアメリカ領、Bから始まるものは英領、Mはフィリピン、Rはソロモン、Pは委任統治領)や米軍がミッドウェー海戦前に「エンタープライズ」「ホーネット」の2隻をワザと日本軍に見つかるように行動させたことなど、興味深い記述がみられる。細かい点で校正不足や勘違い、あるいは「これってホント?」という首を傾げるような記述(例えば「瑞鳳」がミッドウェー戦に参加していないといった主張)もあるが、他の資料なり史料なりで補うことを前提にすれば、購入して損はない。

お奨め度★★★