方針
対人戦の場合でもそうだが、特にソロプレイの場合、最初に何をして良いのか大いに迷う。取りあえず勝利条件を参照し、勝利条件を満足するように行動すべきだろう。ゲーム序盤で主導権を握っているのは日本軍(のはず)だ。であれば日本軍の勝利条件を意識し、日本側は勝利条件を満足するように、連合軍は日本軍の勝利条件を阻むように行動すれば良い。
日本軍の勝利条件は以下の3つを全て満足することである。
(1) マップ上に米軍のCV,CVL,BB,CAが存在していない
(2) 日本軍地上ユニットがラバウル、ポートモレスピー、ガダルカナルを同時に支配している。
(1) マップ上に米軍のCV,CVL,BB,CAが存在していない
(2) 日本軍地上ユニットがラバウル、ポートモレスピー、ガダルカナルを同時に支配している。
(3) 日本軍がオーストラリアの1地点、ニューヘブリデス諸島、ニューカレドニア、フィジーのいずれかを占領する
この中で最優先目標はポートモレスピーである。ガダルカナルは取りあえず「手をつけておいて」、その後でじっくり攻めるのが良かろう。その他の目標はモレスピーとガダルでケリを付けてから、となる。そういう訳で日本軍としてはまずポートモレスピー攻略を優先することとした。ただし中盤以降はガダルカナルが攻防の焦点になることは明白なので、簡単にガダルカナルを取られない程度の補強はしておく必要がある。
一方連合軍はサドンデスを避けるのが第一なので、兵力を補強しつつ部隊を集結させて反撃の機を伺う。
ルールの確認
このゲームはいくつかルールに曖昧な所がある。取りあえず以下の通りに解釈した。8.6 G1-1増援要請
ルールブックには「ダイス2個を振ってその合計だけユニットを受け取る」とになっているが、その直後に「1~6個のユニットを受け取る」とある。ダイス2個なら2~12個のはずだが、どちらが正しいのだろうか?。ここは素直に2~12個と解釈した。最大基地レベル
ルールにはないのだが、マップ上には基地レベルの最大値が記載されている。マップの記載に従えば、例えばガダルカナルに設置できる基地レベルの最大値は4、ラバウルは6となる。それは良いのだが、問題は最大基地レベルが記載されていない島嶼等をどうするか?。基地を配置できないが正しいのか、あるいは・・・。ここでは最大基地レベルが記載されていない場所の基地レベルは最大2として解釈した。日本軍輸送船
日本軍輸送船の輸送能力は(1)となっている。これは重ユニットを輸送できないことを意味する。ところで日本軍にはいくつかの重ユニットがある。ということは日本軍の重ユニットは全く使い物にならない・・・?。というのも可笑しな話なので、APユニット2個で重ユニット1個を輸送できることとした。1~4Turn
両軍とも序盤は増援を優先して兵力を貯め込むことにする。日本軍は序盤の優位を利用してガダルカナルを占領。師団規模の部隊を送り込み、基地の設営を開始する。またポートモレスピーにも強襲揚陸を敢行。同地を占領した。5~7Turn
続々と強化されつつある敵艦隊の布陣を見た日本軍は、重巡と駆逐艦からなる快速部隊をニューヘブリデス諸島北東海域に展開中の米艦隊主力に突入させた。奇襲が成功したにも関わらず意外にも連合軍は強力であった。ニューヘブリデス沖海戦と呼ばれる海戦で数に劣る日本艦隊は善戦したが、その損害は連合軍よりも多かった。8~10Turn
山本五十六大将が戦死した。前線視察中に米戦闘機に襲われたのだ。山本長官の戦死によって日本軍の活動能力は大いに封殺されることになった。それでも山本長官の弔い合戦とばかり、フィジー近海の米艦隊に対して連合艦隊は全艦が突入する。戦いは壮烈なものとなり、日本艦隊は出撃した艦のほぼ全てが撃沈破されてしまう。米艦隊の損害も大で、生き残った戦力は海戦前の1/3程度に過ぎなかった。艦隊の大半を失った米艦隊は、その再建に努めることが喫緊の課題となった。11~14Turn
11Turnから1943年に突入する。連合軍は兵力の再建に努めつつ、失った地歩を取り戻すべくガダルカナルへの上陸進攻を行った。予め連合軍の進攻を予測していた日本軍はガダルカナルに地上兵力を結集して上陸進攻を迎え撃つ。連合軍はイベントチットを使って日本軍の機先を制しようとしたが、それが裏目に出て日本軍に先制攻撃を許してしまう結果となった。地上兵力5個師団で行われた「ウォッチタワー」作戦であったが、米海兵2個師団が日本軍の水際抵抗によって撃破されてしまう。しかしそれでも連合軍はその大兵力に物を言わせてガダルカナルを奪取。連合軍は中北部ソロモンに向けてのスプリングボードを確保した。15~18Turn
連合軍はポートモレスピーに進攻した。圧倒的な兵力で押しまくる連合軍の前に日本軍守備隊2個師団は瞬時に壊滅してしまう。連合軍はさらにミルン湾に進出。ラバウルへ向けての前線基地を確保した。19~22Turn
連合軍がラバウルに進攻する。ラバウルを守る日本軍は6個師団。対する連合軍は9個師団。日本側は塹壕を掘って待ち構える。連合軍側は海空の支援を受けて進攻する。結果は連合軍の勝利。ラバウルを守る日本軍は壊滅した。感想
ルールは比較簡単です。ただ行動パターンが多いので全て使いこなすのはやや骨が折れます。全般的には連合軍有利だと思われます。ユニット数は多く、イベントチットも連合軍にとって有利なチットが多いからです。General MacArther, General Kenney, General Blamey, Admiral Halseyの4人が揃うと、毎TURN連合軍は最低5アクション実施できるようになります。一方の日本軍はAdmiral Yamamotoがいても2アクションが精一杯。IJN Operation, IJA Operationを首尾よく入手できればそれぞれ3アクションのボーナスがつきますが、これらのチットは使い捨てなので使いどころが難しいです。
ゲーム展開はやや大味になりがちではないかと思いました。Red Dragon Rising(S&T#250/CMJ#92)をプレイされた方にはご理解頂けると思いますが、このシステムは兵力を集中すればするほど有利になります。1スタックは制限なく、1アクションで行動できるのは1スタックだけなので、スタックすればするほど有利になるのです。連合軍は全艦隊を集中して運用させたくなるし、同じ事が日本側にも言えます。お互いが兵力集中に努めると、結局は兵力の多い連合軍が勝つことになります。他にもVengance作戦(山本大将暗殺作戦)の影響が大き過ぎるとか、史実よりも明らかに投入兵力が過大だとか、基地航空隊が使えないとか、色々と気になる点はあります。
そんなこんなで現時点では佳作とするにはやや苦しい作品ではないかと思っています。