傑作の誉れ高いWW1戦略級ゲーム「Paths of Glory」。今回、ルールの肝をマスターすべく、VASSALを使ったソロプレイで中規模シナリオに挑戦してみました。

1Turn(1914年8月)


連合軍はヴェルダン、ナンシーの両要塞から兵力の半数を引き抜き、フランス南部で戦線を張る。要塞背後に回り込まれて一気に補給を断たれる危険を回避する手に出た。逆に独軍は手薄になったヴェルダン要塞を総攻撃。要塞を守る仏軍を後退させた後、要塞単独に対して総攻撃を加え、これを陥落せしめた。
東部戦線ではロシア軍が攻勢を仕掛け、オーストリア東部の町Lembergを一時的に占領したが、オーストリア軍の素早い反撃を受けて撃退されてしまう。
全般的に劣勢を強いられている連合軍は、「モルトケ」カードを出し、独軍の攻勢に掣肘を加えた。

2Turn(1914年9月)
このTURN、両軍は専ら兵力回復に努めた。中欧軍はドイツ、オーストリア両国で新たな軍団を編成した。連合軍もイギリス、フランス、ロシアで新たな軍の編成を進める一方、ベルギーにおける中欧軍の残虐行為を喧伝することにより、国際世論を自陣営に引き入れようとした(Rape of Belgium)。
3Turn(1914年秋)
連合軍は東西両戦線で攻勢を仕掛けてきた。西部戦線ではヴェルダンに対してフランス軍3個軍が攻勢を開始した。当初の攻勢は成功しヴェルダンを一時取り返すことに成功した連合軍であったが、その後独軍の反撃を受けて再びヴェルダンは奪い返されてしまう。東部戦線ではロシア軍が約4個軍を動員してオーストリア領内に進攻する。LembergとCzernowitzを落したロシア軍であったが、オーストリア軍の反撃を受けて進撃がストップしてしまう。
このTURN、ルーマニアが連合軍陣営で参戦する。

4Turn(1915年冬)

東部戦線では独墺連合軍がワルシャワを攻撃。ロシア軍を撃破した後ワルシャワ要塞を包囲、これを陥落させていた。


5Turn(1915年春)

6Turn(1915年夏)
ドイツ軍が東部戦線で攻撃を実施した。オーストリア軍の共同でルブリンを占領。バルカン戦区ではロシア軍がブカレストを奪回。オーストリア軍はセルビア進攻。一度はベルグラードを占領したものの、セルビア軍の反撃によって取り返されてしまう。
8Turn(1916年冬)
西部戦線で大きな動きがあった。英仏連合軍が総攻撃。仏軍の攻撃は阻止されたが、英軍3個軍によって実施された攻撃は成功。ヴェルダンを英軍が奪回。直ちに独軍が4個軍で反撃。突出してきた英軍2個軍を撃破し、ヴェルダンを取り返した。バルカン半島ではオーストリア軍がセルビア軍の残存兵力を撃破し、残った僅かな軍勢はボスニアの山中に逃げ込んだ。
東部戦線ではブレストリトブスクを独軍が攻撃。これを奪取していた。

9Turn(1916年春)
中欧軍は東部戦線で大攻勢を仕掛けた。ドイツ軍がヴィルナを占領。オーストリア軍はLembergを奪回した。苦戦する東部戦線を支援するために英軍がギリシアのサロニカに上陸。崩壊しつつあるセルビアを支援しつつブルガリアを伺う。
西部戦線でも英仏軍が大攻勢を実施。仏軍4個軍がセダンを攻撃して独軍2個軍を撃破して同地を占領した。また別の仏軍3個軍が守備隊のいないメッツ要塞を攻撃し、同地を占領していた。その結果ヴェルダンに前進した独軍2個軍が補給切れ壊滅の危機に陥った。独軍は包囲を啓開すべくメッツ奪回作戦を発動。3個軍がストラスブーグ、コベレンツを起点としてメッツを目指したが、ダイス目が滑って反撃は失敗。ヴェルダン解囲の道は閉ざされ、ヴェルダンに包囲された独軍2個軍は壊滅した。
このTURN、イタリアが連合軍側に立って参戦した。サロニカ上陸とイタリア参戦によって連合軍の戦争状態は「総力戦」状態に移行。シナリオの終了条件を満足したので、この時点でゲーム終了となった。



13VP
感想
VP的には引き分けですが、勝利得点都市の1つヴェルダンは連合軍によって完全に包囲されています。従って実質的には連合軍の勝利と言って良いでしょう。連合軍の勝因というよりは中欧軍の敗因ですが、イベントを回し過ぎて作戦がおざなりになっていた感があります。確かに総力戦に持ち込んだ方が強力なカードが出てくるので有利なのですが、本シナリオは総力戦に持ち込んだ瞬間に終了となるので、時間が敵の中欧軍にとって総力戦に持ち込むことは必ずしも有利ではない。それよりは作戦や補充にカードを回すことで、持続的な攻撃を行い、東部戦線の崩壊を目指すべきでした。セルビアやバルカン方面に対する攻勢も全体的に遅すぎた感があります。
今の所、まだ良く分かっていないパスグロ。ちょっとしたミスで大出血を食らうという怖さはありますが、WW1をプレイアブルに、かつエキサイティングに再現したゲームとして、傑作と呼べる作品でしょう。








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