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Ardennes'44(GMT)キャンペーンシナリオに挑戦

2003年に第1版が発売されて以来、「バルジゲームの最高傑作」という呼び声の高いマークシモニッチデザインのArdennes'44。長らく待たれていた第2版が2012年に発売された。
我々は2012年度版Ardennes'44の真髄に触れるべく、早速プレイしてみた。下名はドイツ軍を担当。対戦相手のk氏は、史実に対する拘りよりは作戦級の面白さを堪能したいという根っからの「作戦級野郎」である。

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5Turn(18AM)

第7軍は前進し、メルシュMersch(E2102)を占領。さらに米軍の登場へクスを3箇所支配した。現時点で同方面での獲得VPは5VP。順調である。ただし米軍が南方から反撃の気配を見せている。要警戒。

イメージ 9第5装甲軍はバストーニュBastogne(E3413-E3414)前面の防御線を攻撃。米第10機甲師団所属の機甲連隊戦闘団(9-6-6)を包囲せん滅。ホッファライズHouffalize(E3219)で戦車教導師団の戦闘団が4-1攻撃で突破を図ったが、米工兵大隊(1-2-4)の奮戦でその突破を阻止されてしまう。
要域サンビットSt-Vitz(E2125)では、3-1攻撃を仕掛けたものの、米工兵隊3個のハイスタックに阻まれて同地を占領するに至らなかった。しかしその西方のヴィエルサルムVielsalm(E2826)は、先ほどに続いて第116装甲師団の戦闘団が4-1攻撃を実施。同地を占領するに至った。第5装甲軍方面での獲得VPは3VPになった。

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イメージ 10第6SS装甲軍は、これまで同様米軍の抵抗に阻まれてその前進は捗らなかったが、それでも要域マルメディMalmedy(E2432)に向けてあと3Hexに迫っていた。第1SS装甲師団、第12SS装甲師団という強力な部隊による攻撃であったが、米軍も第7機甲師団その他が増援に駆けつけて戦況は予断を許さない。同方面での獲得VPは現時点ではエルゼンボルンElsenborn(E1834)占領による1VPのみである。

現時点での合計VPは9VP。6Turnシナリオの勝利ラインまではあと1VP。サンビット、ホッファライズが取れそうなので、なんとか6Turnシナリオの勝利ラインである10VPには達すると思われるが、果たして・・・。

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6Turn(18PM)

イメージ 11第7軍は僅かに前進。その先頭を進む第5降下猟兵師団の尖兵たる降下兵連隊(5-6-3)は、要域マルトランジュMartelange(E3306)を占領していた。バストーニュ南方へ向かう米軍の増援ルートに位置するマルトランジュの占領は、今後の戦況に大きな影響を与えるだろう。第7軍方面での全獲得VPは現時点で5VP。

イメージ 12第5装甲軍は、第2装甲師団と戦車教導師団がバストーニュを前面から強攻を実施。米工兵連隊の頑強な抵抗に阻まれつつバストーニュまであと3Hexの線で停滞を余儀なくされていた。
その北方ホッファライズは戦車教導師団の包囲攻撃を受けた米工兵隊が壊滅。さらにその北方では戦車教導師団と第116装甲師団が進撃方向を西から北へ変更。無人の野を行くが如く前進していた。この運動により、ドイツ第6装甲軍と対峙しマルメディ付近で抵抗している米軍部隊も背後から包囲される危機が迫ってきた。
またこの旋回運動により、マネManhay(E3626)、ウェルボモンWerbomont(E3630)、エワイユAywaille(E3633)、トロワ・ボンTrois-pons(E3029)などを占領していた。これまで頑強に抵抗を続けていたサンビットも、このTurnに遂に陥落。これにより第5装甲軍戦区で獲得したVPは、西方のラ・ロッシュ・アン・アルデンヌLa-Roche-en-Ardenne(E3920)、オットンHotton(W1224)を含めて11VPに達した。

第6SS装甲軍は大きな前進なし。獲得VPは1VPのままである。
結局ターン終了時の獲得VPは、その後に米軍に奪回された特点も加味して15VP。この時点で8Turnシナリオの勝利条件ラインである14VPもクリアした。

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Night Turn

第1SS装甲師団の戦闘グループがマルメディ前面で戦闘を行ったが、戦果なし。

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7Turn(19AM)

イメージ 14いよいよ恐れていた燃料欠乏がドイツ軍装甲部隊を襲う。ダイス判定の結果、このTurnの燃料欠乏は第116装甲師団となった。これまで攻撃の先鋒を走ってきた精鋭装甲師団のガス欠に、言葉を失うドイツ軍なのであった。しかも前Turn、米燃料基地確保のチャンスが十分にあっただけに悔やんでも悔やみきれないドイツ軍なのであった。

このTurn、第7軍戦区は大きな動きなし。と思ったら果敢に米軍が反撃に転じてきた。それをなんとか撃退するドイツ軍なのであった。

イメージ 13第5装甲軍戦区ではバストーニュの包囲に向けて第2装甲師団がバストーニュ北方の米工兵隊を攻撃。これを撃破する。戦車教導師団はその遙か北方を前進。ウルト(Ourthe)川の線まで到達し、要域デュルビュイDurbuy(W1127)を占領した。

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マルメディの背後からは米軍戦線背後に回り込んだ第5装甲軍の部隊がスタボローStavelot(E2730)を占領。マルメディ正面から第1SS、第12SS装甲師団が攻撃を加えるも、米軍の激しい抵抗に阻まれて前進できず。

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このTurn終了時点での獲得VPは、第7軍戦区6VP、第5装甲軍戦区11VP、第6SS装甲軍戦区1VPの計18VP。


8Turn(19PM)

時間的にこのTurnが最後になりそうである。各戦線では軒並み独軍の進撃に陰りが見え始めた。

第7軍戦区では先のTurn米軍が反撃してきたので、それに対する再反撃を実施。反撃に成功し米軍駆逐戦車大隊をマップ外に追い出した。

イメージ 16バストーニュ正面では、独軍も明らかに兵力不足の様相を呈してきた。当初の3個装甲師団+1個国民擲弾兵師団体制は、今や戦車教導師団、第116装甲師団がいずれも北方に転戦し、残るは第2装甲師団と第26国民擲弾兵師団のみとなってきた。それでもバストーニュまではあと2Hexに迫ってきたが、独軍の衝撃力は明らかに低下しつつある。このTurnも健気に正面攻撃を敢行。米軍と激しく戦っていた。

イメージ 15ウルト川戦線では、第116装甲師団、さらには後方から戦線に加わってきた総統護衛旅団(Fuhrer Begleit Brigade)がウルト川各橋梁に陣取っていた。突出してきた米軍部隊とねずみとりの要領で戦いを続けている。
マルメディ前面では正面から攻めるドイツ第6装甲軍、さらにはスタボロー方面から南下してきたドイツ第5装甲軍とが、マルメディ付近で米軍部隊を包囲の輪で締め付ける。米軍は各地で奮戦し、その進撃を阻みつつあったが、その抵抗は限界に近づいていた。

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結局8Turn終了時点で時間切れのためにゲーム終了となった。所要時間は約15時間。1Turn平均2時間近くかかったことになる。マップ2枚の本格的なゲームだから時間のかかるのもある程度は仕方がないが、それでもやはりヘビーなゲームであった。今回もキャンペーンを目指しながら、結局は8Turnシナリオを完遂したのみ。龍頭蛇尾を絵に描いたような展開になってしまつた。

ドイツ軍の最終獲得VPは19VP。8Turnシナリオの勝利条件は満足した。ゲーム途中からキャンペーンの勝利条件を諦め、シナリオの勝利条件に走った結果である。自慢にはならない。

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感想

全般的に「ヘビーなゲーム」という印象はぬぐえない。1Turnの所要時間が平均2時間弱。ゲームに慣れればもう少し短くなるかもしれないが、それなりに時間のかかるゲームであることは覚悟しておいた方が良さそうだ。
ゲームとしては非常に面白いと感じた。ルールも量は確かに多いが、基本的な移動・戦闘を繰り返しシステムなのでそういった点は楽である。ユニットの移動力も少なめで、地形による移動量力コストが大きいので、あまり大きく動けない。スタック制限も厳しいため攻撃力の集中が難く、極端に大きい戦闘比も立ち難い。

Ardennes'44は「時間がかかる」という点を除けば極めて優れた作戦級ゲームであり、登場後約10年を経た現時点においても、その価値は揺いでいない。


バルジ大作戦 (ジャパン・ウォーゲーム・クラシックス第4号 第2版)
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