GMT社の新作ゲーム"Next War Korea"をプレイした。プレイしたシナリオは16.2.2戦略奇襲。3つある上級シナリオのうち、最もDPRK(北朝鮮)側に有利なシナリオである。下名はROK/US(韓国/米国)側を担当した。
ゲーム開始前
上級シナリオでは、国際情勢表を使って米中日の3国について態度を決定する。それぞれの国家について、政府、軍隊、世論の3種類のパラメータで態度を決定する。ダイス判定の結果は以下の通りになった。
PRC=中間
JPN=中間
USA=積極
兵力劣勢なROK/US軍に対してさらに追い打ちをかける。各機種につき半数(端数切り上げ)が「第1Turnは飛べませんよ」とのこと。その結果、ROK/US側で飛行可能な航空機は、10ユニットまで減少する。対するDPRKは、MiG-29、MiG-23に加えて空戦力2のMiG-19/21(及びその改造型)が計17ユニットもある。制空権を握るのは困難と思われ・・・。
さらにROK/US軍に対して「泣き面に蜂」。先制奇襲を仕掛けてくるDPRK軍は、スカッドミサイル10発を韓国領内に降り注ぐ。その威力たるや凄まじい。たった1発で航空基地が全壊または半壊する始末。kt級核弾頭でも仕込んでいるのでは・・・、思わせる威力だが、恐らくゲーム上の1発が数十発のミサイルを表しているのだろう。にしてもスカッドBにしても、ノドンにしても、CEPが数百メートルと必ずしも高精度ではない。このような怪しげなミサイルで航空基地に対して有効打撃が期待できるのか。甚だ疑問である。
ともあれ、スカッドは韓国領内に大打撃を与えた。特にデグ(大邱Daegu)付近の飛行場に展開していたAH-64「アパッチ」飛行隊2個が目の敵にされ、真っ先に壊滅してしまう。さらに飛行場や航空基地数か所が狙われ、その付随損害でA-50軽攻撃機1ユニットがステップロス、虎の子F-4 Wild Weasel飛行隊1ユニットが壊滅した。
1Turn
1st Special Forces Phase
第1TurnのDPRK側SOF攻撃は、特別ルールにより2回実施可能である。DPRK側は攻撃を早期警戒網に集中。早期警戒レベルを-4した。現在のROK側早期警戒レベルは3まで低下している。攻撃を行ったDPRK軍SOFx6部隊は、生還チェックを潜り抜け、全員生還した。口惜しい・・・。
Air/Naval Phase
このTurn、ROK/US側は制空戦闘を見合わせた。現有兵力では制空権を確保するための兵力が足りないという判断である。朝鮮半島の空はDPRK側が支配した。
22.10.1 Allocating Units to Air Superiority(航空優勢へのユニット割り当て)についてだが、「どちらのプレイヤーが先に配置するか」について記述がない。我々は「両方隠した状態で同時に公開する」という方式を採用したが、やや煩雑な感があった。
1st Strike Phase
スカッド第2波が飛来する。韓国各地の航空基地/飛行場が痛打を浴びて行く。A-50軽攻撃機2ユニットが失われた。旧式のF-4Dx2ユニットもステップロスしてしまう。航空基地や飛行場が打撃を受けた場合、付随損害が発生するが、その場合は旧式機や能力の劣る機体に損害が優先的に割り当てられる傾向がある。そういった意味でA-50やF-4Dが最初に犠牲になるのは止むを得ない。
他に先ほどからの集中攻撃を辛くも生き残っていたUSのAH-64x1ユニットが遂に壊滅してしまう。またROK陸軍のAH-1攻撃ヘリ部隊も1ユニットが失われた。
そんな中、ROK陸軍のAH-1部隊が一矢を報いた。金浦空港より出撃したAH-1部隊は敵司令部を急襲。対空砲火を浴びながらも敵司令部に1打撃を与えることに成功した。
攻撃ヘリ部隊は本当に使い勝手が良い。先のスカッド攻撃でDPRK側が攻撃ヘリを目の敵にしたのも頷ける。
Initiative Movement/Combat Phase
DPRK Movement/Combat
DPRK軍地上部隊が前進を開始。各地で突破を図ってくる。ソウル正面の西海岸は、ROK陸軍第1軍団(赤橙)の部隊がなんとか戦線を支えているが、DPRKの猛攻を受けて今にも崩壊寸前である。
その東方、ウィジョップ(議政府 Uijeongbu N3118)前方のと突出部付近では、第5軍団(青)、第6軍団(緑)に所属する3個歩兵師団が両翼から包囲され、そのうちの歩兵1個師団(第3歩兵師団6-8-4)が壊滅。残りの2個師団も前線でDPRK軍の奔流に取り残される結果となった。
山岳地帯では、ROK陸軍第2軍団(黄)の第27歩兵師団(6-8-4)がDPRK軍の包囲攻撃により壊滅。残りの2個歩兵師団も部隊密度の薄さが災いして退路を断たれつつある。
日本海側では、Goseong(N4615)付近で突出しているROK陸軍第3軍団(橙)の3個師団が軽歩兵部隊を含むDPRK軍の猛攻を受けている。3個師団中2個師団がステップロスし、1個師団が包囲されて壊滅の危機が迫っていた。
ROK/US Elite Reaction Movement
このSegmentで移動できるのは、敵ZOC内になくER値が6以上のユニットのみである。US陸軍のほぼすべてとROK陸軍の機械化歩兵部隊、海兵部隊等が該当する。逆に数の上で多数を占めるROK陸軍歩兵師団は該当しない。
戦線は各地で危機に陥っているが、全てを救援することは不可能だ。包囲されている第5軍団(青)の3個歩兵師団、その東方でやはり前線で孤立している第2軍団(黄)の2個歩兵師団、さらには東海岸付近で敵中に孤立している第3軍団(橙)の1個歩兵師団は見捨てざるを得ない(下図赤丸)。
その他は可能な限り防衛線を固める。首都周辺の機械化師団が前進。ソウル前面からMunamのやや南(N3316)付近のラインまでを阻止線をにする。デグ(大邱 Daegu S3821)に待機中のUS第2歩兵師団のBCT(旅団戦闘チーム)も急速北上し、戦線へ向かう。
DPRK Exploitation Movement/Combat
DPRK側の拡張移動戦闘である。このセグメントは敵ZOCにいないDPRK側ユニットが移動できる。また戦闘を行うことも可能で、この場合は予め敵ZOC内にいたユニットも参加できる。ただしこのセグメントにおける攻撃では、2コラム不利な方向へシフトするというペナルティがつく。
一連の移動および攻撃によってROK側はさらに損害続出。西海岸ではステップロスしていたROK陸軍第1軍団所属の第1歩兵師団(6-8-4)がDPRK軍の攻撃を受けて遂に壊滅。他にも先のTURNに包囲された歩兵師団2個が壊滅した。
ROK/US Reaction Movement/Combat
首都防衛を担当するROK第7軍団(赤)を投入し、3個機械化師団を中核とした局地反撃を行う。攻撃目標はMunam南方(N3316)で突出していたDPRK軍軽歩兵師団(2-2-5)x1個と、それに隣接した形で突出してきた戦車旅団(6-5-8)x2個を狙う。攻撃は成功。DPRK軽歩兵師団と戦車旅団各1個を殲滅し、戦車旅団1個を敗走せしめた。
結果的には反撃は成功したので結果オーライだが、後から振り返るとこの反撃は不要だったかもしれない。素直に戦線を後退させてウィジョップ東方へ伸びる高地帯に防衛線を敷き、ROK軍の損害を回避した方が得策だったかも。この時はZOCを読み間違えて、最前線に突出してきたDPRK軍軽歩兵旅団1個がZOCを展開していると勘違いしてしまった。勿体ない事をした。
Basic Movement/Combat Phase
ソウル正面の西海岸地区はまがりなりにも戦線が安定してきた。Mnusan(N2819)付近にDPRK軍が突出してきた(下図赤丸)。そこに局地反撃を指向する。投入兵力は第7軍団の他、ER値=7を誇る高練度の第2海兵師団(7-8-4)を投入した。反撃は成功し、突出してきたDPRK歩兵2個師団(8-6-4)を叩いた。撃破に成功。ばんざい。
問題は中部山岳と東岸地区である。中部山岳地帯では歩兵中心の1個軍団が国境付近の山岳地帯を抜けてYang-gu(N4117)付近の湖沼地帯にまで進出してきた。問題はそのすぐ後方を続行する平壌軍団である。この軍団は高練度(ER値=6)の自動車化歩兵師団(7-5-6)4個を主力とする精鋭部隊である。DPRK軍随一と言って良い精鋭部隊が同方面に投入されたことによって、DPRK軍の主攻勢軸がこの方面に指向されたことを気づくべきであった。が、その時のROK/US側にその事実に気づく者はなかった。
Reinforcement/Replacement Phase
このTURN到着予定のUS第82空挺師団の1個旅団とUS陸軍SOF部隊は無事到着した。一安心である。
Victory Determination Phase
現在43VP
感想
かなり損害を出したが、首都正面での戦線がかなり安定してきたので少し安心した。次TURNからは奇襲効果もなくなるし、米海空軍の増援部隊が続々と到着するだろう。前途洋洋、とまでは行かないにしても、前途はそれほど暗くない、とは言えそうだ。