26AM
A.German Turn
ガス欠は第2装甲師団と第2SS装甲師団。前のTURNと同じである。撤退を続ける独軍は、ウルト川から東へ後退し、新たな防衛戦をマネ(Manhay E3626)とスタボロ(Stavelot E2730)を結ぶ戦場に敷いた。パットン正面は比較的戦力が充実しているので、現有戦線を維持する。
B.Allied Turn
ウルト川戦線では、エワイユ(Aywaille E3633)付近の独軍防御陣地を撃破した米第3機甲師団に所属するA戦闘団(CCA 9-6-6[3])がウェルボモン(Werbomont E3630)まであと1Hexと迫った。その南東では、米第2、第9機甲師団が独軍総統警護旅団に圧力を加える。さらにその南では、第2機甲師団のB戦闘団(CCB 9-6-6[3])がラ・ロッシュ・アン・アルデンヌ(La-Roche-en-Ardenne E3920)を占領し、さらに南に向かう勢いを見せている。パットン第3軍正面では、米第10機甲師団のR戦闘団(CCR 5-4-6[3])がエテルブルック(Ettelbruck E2207)を占領。その東では第10機甲師団のA戦闘団(CCA 6-4-6[3])がコンソート(Consdort E1404)付近で第653重駆逐戦車大隊(4-2-4[5d])に援護された独歩兵連隊を撃破。戦闘後前進によってSauer川まで後1Hexに迫った。
26PM
A.German Turn
最終Turn。ガス欠は第2装甲師団、第2SS、第9SS装甲師団である。独軍は前線を少しずつ下げていくしかない。パットン第3軍正面で3-1の限定反撃を行い、一応の成功を見た。
B.Allied Turn
連合軍にとっても最終Turnである。しかし最後の最後で連合軍が突破に成功した。まず戦線北方のエルセンボルン(Elsenborn E1834)付近では米第1歩兵師団「ビックレッドワン」の歩兵連隊(6-7-3)が低比率攻撃にも関わらずドイツ軍の2ユニットスタックを撃破し、突破口を穿った。その突破口から第3機甲師団「スピアヘッド」のB戦闘団(CCB 9-6-6[3])が駆逐戦車大隊(3-2-7[3d])の支援を受けて森林地帯から平原地帯に抜けだした。
主戦線ともいうべきオウル川戦線では午後の攻撃で開けた突破口を機甲部隊が前進し、要域マネ(Manhay E3626)に攻撃を仕掛けた。独軍の必死の防戦によってマネは独軍が守り切ったが、それでもあと一歩で陥落しそうな雰囲気である。
その南では低比率攻撃で開かれた突破口を抜けた米第2機甲師団「ヘルオンホイールズ」のB戦闘団(CCB 9-6-6[3])が突破。独軍の背後を抜けて一気にバストーニュ(Bastogne E3413-3414)を占領した。
その南では低比率攻撃で開かれた突破口を抜けた米第2機甲師団「ヘルオンホイールズ」のB戦闘団(CCB 9-6-6[3])が突破。独軍の背後を抜けて一気にバストーニュ(Bastogne E3413-3414)を占領した。
パットン第3軍正面では、新たに登場した米第6機甲師団が第28歩兵師団と共にRedange(E2803)付近でドイツ第352歩兵師団、第5降下猟兵師団を撃破。そのままマルトランジュ(Martelange E3306)からバストーニュに向かう態勢を整えた。
さあ、これから米軍の大反攻が始まるのか・・・、という所で、惜しくもタイムアップ。ここでゲーム終了となった。最終状況を以下に示す。
感想
とにかく面白いゲームである。一見ルールは多いが、基本的には移動、戦闘の繰り返し。特徴的な戦闘後前進、ファイアファイト、断固たる防御といったギミックはあるものの、それほど難しい訳ではない。いわゆる典型的な作戦級ゲームだが、米独両軍の戦車性能の違いや駆逐戦車の特徴、練度の違い等がさりげなく再現されており、作戦戦術級的な味付けもされている。作戦級ゲームとしても、バルジ戦ゲームとして一級品といえよう。米軍有利と言われている本作だが、確かにどちらが有利かといえば米軍だと思う。今回も勝利条件的には米軍の勝利に終わった。しかし独軍に勝ち目がないかといえば、そうではないと思う。西マップの勝利条件地点6箇所占領という条件は、困難とはいえ、達成不可能ではない。チャンスは中盤で、9~12Turnあたりが勝負になる。独軍に増援として総統擲弾兵旅団、総統警護旅団、第2SS、第9SS装甲師団、第3装甲擲弾兵師団が登場し、パットン第3軍が登場するまでが勝負である。そのためにはそれ以前に米軍部隊をどれだけ多く撃破できたかが勝負になりそうだ。それに対して米軍としては、パットン第3軍登場までできるだけ多くの部隊を生き残らせるかが、勝負になる。米軍は損害を抑えることによって勝利が近づくだろう。
今回のプレイでは、序盤に米軍部隊が多大な損害を被ったが、それが中盤の苦戦につながったと思われる。
今回のプレイでは、序盤に米軍部隊が多大な損害を被ったが、それが中盤の苦戦につながったと思われる。
いずれにしても新版Ardennes'44は面白い。今度は対人戦でキャンペーンを戦ってみたいものである。
おまけ
標準ゲームでは22Turnで終了するのだが、延長ゲームならさらに8Turnの延長戦を戦うことができる。そこで今回さらに8Turn分の延長戦を戦ってみた。独軍が反撃に転じる可能性は最早皆無に近いが、米軍の反撃に対して独軍がどこまで粘れるかを検証してみたいと思う。第23~24Turn(12月27日)の焦点はバストーニュ南東部。パットン第3軍の機甲部隊がマルトランジュ前面で独第7軍を撃破。そのままマルトランジュを抜けてバストーニュまで突破した。その結果バストーニュ西方に取り残されていた独第5装甲軍の残余と第7軍の間が分断され、第5装甲軍は退路を断たれることとなった。
さらに米軍の突進は止まらず、第2機甲師団を主力とする部隊がバストーニュからウィルツ(Wiltz E2719)方面に進出。南側から前進してきたパットン第3軍の歩兵部隊と手を結び、独第7軍の後方を遮断した。第7軍に所属する2~3個師団の歩兵が包囲されてしまう。
さらに米軍の突進は止まらず、第2機甲師団を主力とする部隊がバストーニュからウィルツ(Wiltz E2719)方面に進出。南側から前進してきたパットン第3軍の歩兵部隊と手を結び、独第7軍の後方を遮断した。第7軍に所属する2~3個師団の歩兵が包囲されてしまう。
第25~26Turn(12月28日)は、今度は戦線北部、すなわち第6装甲軍が米軍の突破を許してしまう。エテルブルック(Ettelbruck E2207)付近を突破した米第3機甲師団がその突破口を広げてモンシャウ(Monschau E1838)とサンビット(St-Vitz E2125)の間に楔を打ち込んだ。
決着が着いたのはその翌日(12月29日)であった。南から攻め上がってきたパットン第3軍と、北部で活動してきた米第5軍団が独軍の初期配置ヘクス3個所を占領したのだ。初期配置ヘクスを1箇所でも占領された場合、即座に奪回しなければ独軍の負けが確定する。独軍はあらゆる兵力をかき集めて反撃を試みたが、既に破断界に達していた独軍に機動予備などあろうはずもなく、前線からなけなしで捻出した機動兵力も交通渋滞に阻まれてその殆どが前線に到着しない。結局独軍の反撃はいずれも失敗に終わり、ここに連合軍のサドンデス勝利が確定した。
(終わり)