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「ソロモン夜襲戦」のシナリオ7は第3次ソロモン海戦の第2次夜戦、つまり日米戦艦同士の撃ち合いです。
太平洋戦争中ほぼ唯一といって良い日米戦艦のガチンコ勝負(スリガオ海峡海戦はガチンコ勝負というよりは一方的な虐殺に近い)を扱った本シナリオは、残念ながら調整不足の点がありました。特に日本軍プレイヤーにとっては全く楽しくないというのが一番問題で、バランス調整を含めて見直す必要が出てきました。

今回、良い機会なのでシナリオの中身を見直し、以下の通り大幅に改編してみました。
(1) 従来マップ9枚のシナリオだった所を、他のシナリオと同じくマップ6枚シナリオにする。理由は今後のデヴェロップ時にマップデザインが大幅変更になった場合、他のシナリオと揃えておいた方が調整し易いためです。
(2) 初期主導権と視認距離を日本軍有利なように見直しました。理由はバランス調整です。
(3) 日本軍主戦部隊投入に関する特別ルールを全部削除しました。元々は日本軍の逐次投入を再現するためのルールでしたが、面倒な上に唯でさえ不利な日本側が益々救いがなくなるので、それを避けるためです。その代わり日本軍主戦部隊の配置に手を加え、日本軍の逐次投入を特別ルールなしで再現できるようにしました。史実の配置とはかなり異なった初期配置になりましたが、史実に拘って特別ルールを増やすよりもこちらの方がスマートだと思います。
(4) 勝利条件を見直し、両軍とも戦艦、重巡以外でも加点できるようにしました。これで日米両軍の軽艦艇同士の戦いがより重要度を増す筈です。

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もう一点、今回見直ししたものがあります。それは命中判定表です。従来は「夾叉判定」-->「命中判定」という2回のダイス判定で命中判定していましたが、面倒ではないかと思えてきました。そこでダイス判定1回で命中判定できるようにしてみました。以下の表が新しい命中判定表です。ただし夾叉判定という概念は残そうかと思っています。

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第1Turn

日本水雷戦隊が両翼から米艦隊を包囲する。米艦隊もレーダー射撃で反撃。戦艦「ワシントン」の主砲弾2発が軽巡「長良」を捉えた。「長良」中破。ぐーっと速度を落とす。一方、砲撃を免れた日本第3水雷戦隊所属の駆逐艦3隻から計27本の大型魚雷が発射される。早くも窮地か。米艦隊。

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第2Turn

「ワシントン」の舷側を魚雷が走り去った。ふーっと、ため息が聞こえてきそうな瞬間。しかし次の魚雷が迫る。恐怖の金床戦術。右にも左にもよけられない。

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第3Turn

遂に「ワシントン」に61cm大型魚雷が命中した。酸素魚雷ではない。駆逐艦「敷波」が放った90式魚雷9本のうち1本だ。酸素魚雷でなかったことが幸いし、「ワシントン」と戦闘航行には支障がない。しかしサボ島の西側を回り込んできた日本軍第10戦隊が計35本もの魚雷を放ってきた。2隻の米戦艦は最大戦速に速度を上げて魚雷を振り切ろうとする。
「サウスダコタ」の主砲が駆逐艦「綾波」を捉えた。2発命中。「綾波」は沈没こそしなかったものの、速度をぐっと落した。

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第4Turn

米艦隊の後方から魚雷が迫ってくる。駆逐艦「五月雨」の発射した93式酸素魚雷8本は戦艦「ワシントン」の艦尾をかすめて通り過ぎた。その他の駆逐艦が発射した90式空気魚雷は米戦艦の後方から発射したため燃料切れで沈んでいった。さすがに遠過ぎたか。
米戦艦の反撃。駆逐艦「白雪」が距離12,000mから「ワシントン」のレーダー射撃を浴びる。16インチ砲弾1発が命中。巨弾は「白雪」の船内奥深くで爆発。真っ二つになった「白雪」はその場で轟沈した。「サウスダコタ」の主砲弾は駆逐艦「初雪」の周囲に水柱を立てるが、奇跡的に命中弾なし。肝を冷やす「初雪」。しかし米戦艦の追撃は執拗である。魚雷攻撃の仮を返さんとしているかのような追撃だ。

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第5Turn

窮地の味方駆逐艦を救おうと第3水雷戦隊の軽巡「川内」以下駆逐艦2隻が米戦艦に突進していく。米戦艦は新たに現れた目標にその砲門を向けたが、「ワシントン」の主砲弾は日本艦の頭上を飛び去った。

第6Turn

米戦艦2隻と日本のちっぽけな水雷戦隊が距離7500mmで砲火を交える。しかし戦艦と軽巡以下の撃ち合いではもとより勝負にならない。再び「ワシントン」に狙われた駆逐艦「浦波」は2発の巨弾を受けて波間に没した。「川内」も「サウスダコタ」に狙われたが、こちらはやや乱射気味で5インチ砲弾2発を食らっただけで済んだ。
「川内」は90式魚雷4本を発射する。

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第7Turn

「ワシントン」は魚雷を回避しながらも新たな目標に主砲を向けた。北方から接近中の日本軍主力部隊。戦艦1、重巡2、駆逐艦2の主戦部隊だ。その先頭艦である大型駆逐艦「照月」を「ワシントン」の主砲が捉えた。距離12,000mから放たれた主砲弾は2発が命中。「照月」は大破した。

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第8Turn

南下してきた日本軍主戦部隊。旗艦「愛宕」が米駆逐艦を視界内に捉えた。10門の8インチ主砲が唸りを上げて降り注ぐ。しかし命中弾はたったの1発。駆逐艦「プレストン」は命拾いした。

第9Turn

日本艦隊は米艦隊をやり過ごすように東へ向かう。狙いは飛行場砲撃だ。一瞬の隙を突かれた米艦隊。慌てて艦首を左に向けるが・・・。

第10~11Turn

日本艦隊の方が速度では優っている。どんどん離されていく米艦隊。

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第12Turn

しかし日本艦隊は逃げるつもりなどなかった。一旦引き離した後、反転して米艦隊を迎え撃つ日本艦隊は2列縦陣で日本艦隊に向かっていく。

第13Turn

日本艦隊を前にして右旋回を行った米艦隊は古典的なT字戦法を取る。「ワシントン」「サウスダコタ」がレーダースコープに映った大きな影、戦艦「霧島」に対して集中砲火を浴びせた。「ワシントン」の放った16インチ砲弾2発、5インチ砲弾3発が「霧島」に命中した。しかし「霧島」は僅かに速度を落しただけで、なおも戦闘継続する。

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第14Turn

重巡「高雄」がようやく敵戦艦の姿を視認距離に捉えた。探照灯が海面を舐め、新型戦艦の塔状構造物を照らし出す。その後方に潜んでいた戦艦「霧島」の14インチ砲が唸る。夾叉弾が「ワシントン」を捉えた。1弾命中。「ワシントン」のヴァイタルパートを見事に貫いたその1弾は、しかし「ワシントン」の戦闘能力を奪うには至らない。
猛烈な砲火が「霧島」に降り注ぐ。5発の16インチ砲弾が相次いで「霧島」に命中した。先ほどの2発と合わせて計7発の16インチ砲弾が命中したことになる。そのうち1発は「霧島」の艦内奥深くで爆発。「霧島」に重傷を負わせた。沈没こそ免れた「霧島」だったが、大破して完全に戦闘能力を失った。

この時点でゲーム終了とする。

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結果

日本軍の損害

沈没:駆逐艦「白雪」「浦波」
大破:戦艦「霧島」、駆逐艦「照月」「綾波」
中破:軽巡「長良」
小破:駆逐艦「五月雨」

連合軍の損害

沈没:駆逐艦「ウォーク」
中破:駆逐艦「ベンハム」
小破:戦艦「ワシントン」、駆逐艦「プレストン」

感想

まだ少し日本軍が不利なようである。指揮ポイントと指揮値の見直しを行おう。
また戦闘を続けさせる動機付けルールも見直しが必要だ。特別ルールも見直そう。
今までに比べれば随分とエキサイティングな展開になったと思う。
あと一歩だ。

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