Asian Fleet(以下AF)は2008年に国際通信社から発売された現在海戦ゲームである。テーマは日本近海における現代海戦。日、米、中共、台湾、北鮮、韓国の6ヶ国が登場し、極東海域での利権を巡って戦いを繰り広げられる。
AFは、1980年代に米Victory Games社が出版したフリートシリーズと呼ばれる海戦ゲームシステムを基本としている。AFのベースとなるのは、フリートシリーズ第3弾である「7th Fleet」(以下7F)である。AFは7Fのルールを基本としながら、21世紀の海上戦闘に対応するため、イージス艦や弾道ミサイル迎撃、AWACS、ステルス爆撃機といった新ルールを追加している。
AFは、1980年代に米Victory Games社が出版したフリートシリーズと呼ばれる海戦ゲームシステムを基本としている。AFのベースとなるのは、フリートシリーズ第3弾である「7th Fleet」(以下7F)である。AFは7Fのルールを基本としながら、21世紀の海上戦闘に対応するため、イージス艦や弾道ミサイル迎撃、AWACS、ステルス爆撃機といった新ルールを追加している。
今回プレイしたシナリオ6「Two Against Japan」は、中国と韓国が手を組んで、日本を叩こうというシナリオである。日本側には米軍が立って参戦し、日米連合vs中韓連合という構図になる。現実の国際情勢を鑑みるとやや荒唐無稽な設定とも思えるが、日米の二大海軍国に対し近代化著しい中韓連合が挑むという状況設定は、国際政治の世界を離れてミリタリーマニア的な視点からは興味をそそられるのも否定できない。
今回本シナリオをプレイするに際し、下名が覚悟したのは、中韓連合担当という立場であった。このシナリオはどう転んでも日米連合が有利であり、フリートシリーズに慣れた下名が中韓連合を担当するのが自然であると思えたからである。まあ中韓連合でも打つ手はあるし、それはそれで面白いとは思っていた。
しかし開催前日の飲み会で下名が日米連合を担当することになっていると聞いて吃驚。
「ホントに良いのか?」
と思う反面、空母機動部隊やステルス爆撃機、最新鋭戦闘機等を率いて戦う魅力はやはり抗し難いものがある。相手がそれで良いと言っている以上、遠慮する必要はない。明日の勝利を夢見てその日は程良く酔っ払った。
しかし開催前日の飲み会で下名が日米連合を担当することになっていると聞いて吃驚。
「ホントに良いのか?」
と思う反面、空母機動部隊やステルス爆撃機、最新鋭戦闘機等を率いて戦う魅力はやはり抗し難いものがある。相手がそれで良いと言っている以上、遠慮する必要はない。明日の勝利を夢見てその日は程良く酔っ払った。
迎えて決戦当日。既に盤上にはセットアップが完了されたマップが並べられていた。下名はフリーセットアップになっている一部水上艦艇と潜水艦を適宜配置した。米原潜4隻は東シナ海の大陸棚から離れた太平洋上に配置し、東シナ海の浅海域には海上自衛隊の潜水艦群を配置した。彼らの任務は尖閣諸島に向かうであろう中国艦隊の邀撃である。本シナリオの焦点は尖閣諸島、対馬、竹島の3ヶ所だが、対馬、竹島については日本側基地航空隊の威力圏内にあるため、我々としてはそれほど重視していなかった。同方面の主力が韓国軍であり、その戦力は質量共に中国軍に比べると見劣りするため、あまり重視する必要がないと考えていたからである。
第1Turn(第1日目)戦略航空作戦
そんなこんなでゲーム開始。早速正念場がやってくる。戦略航空作戦だ。今回の焦点は日本海と東シナ海。前者は韓国空軍の威力圏内にあり、後者は中国空軍の威力圏内にある。質的には日米連合が優勢だとはいっても、量的な要素を加味した場合、その優位も怪しくなる。我々は日本海に2ユニット、東シナ海に2ユニットの戦闘機を戦略任務に投入した。東シナ海には空母「ジョージワシントン」搭載の電子戦機EA-6プラウラーを付けて必勝を期する。対する中韓連合は日本海に韓国空軍機6ユニット(F4又はF5)、東シナ海に虎の子Su-30フランカー3ユニットと唯一の中国製AWACS機A50を投入してきた。果たせるかな、日本海での戦いは両者相打ち。日本側としては日本海に投入したAWACS機が任務を遂行できることになったので、結果としては勝利と評して良かろう。一方東シナ海については、電子戦機の投入が功を奏したのか、日米連合の大勝利。中国空軍はSu-30 1ユニットの他、虎の子AWACS機を失い、作戦の前途に暗い影を落とした。この敗北が中韓陣営に与えた衝撃は予想以上に大きく、中韓陣営はこの時点で早くも敗北を覚悟したという。
フリートシリーズの戦略航空作戦は難しい。空対空戦闘自体に博打性が強く、相手の出方がわからないのでどの程度の兵力を投入すべきか感覚を掴みにくい。特に今回のシナリオのように両軍とも十分過ぎる戦闘機を有している場合、過剰に戦略任務に戦闘機を投入したくなる。特にフリートシリーズに慣れていない初心者の場合、過剰投入の傾向が強い。 下名は「適度な投入」を心がけている。なるほど戦略任務に多く投入すると制空権が得られやすくなり、その後の作戦が有利に展開することは間違いない。しかし過度に戦闘機兵力を戦略任務に投入してしまうと、自陣営の基地防御や敵陣営の基地攻撃のための兵力を割くことができなくなる。そうなると相手は対航空基地爆撃戦(航空撃滅戦)を有利に展開し、結果として自軍基地航空兵力の崩壊を招くことになる。逆にこちらが十分な戦闘機兵力を手元に残しておけば、こちらの航空撃滅戦が有利に展開できる。実際、私が見てきた所、過剰に航空戦力を戦略航空任務に投入したプレイヤー達は、それに続く相手の航空撃滅戦によって丸ごと基地を焼かれていくという憂き目を見ている。それも国籍に関係なくだ。時には航空自衛隊であったり、米空軍であったり、あるいは韓国空軍であったり、ソ連空軍であったりだ。 もう1つ注意したいのが戦略航空任務の博打性の高さだ。仮に相手の3倍以上の戦闘機兵力を戦略航空作戦に投入したとしても、相手プレイヤーの"9"の目や自軍プレイヤーの"0"の目によってその努力は灰燼に帰してしまう。あわよくば制空権を握ったとしても、次のボーナス攻撃で"0"とか"1"の目を出してしまうと、相手にも任務継続を許すことになり、何のための制空権だかわからなくなってしまう。 そんな訳で私は戦略任務に投入する戦闘機は「適度に」を心がけ、仮に戦略制空任務に失敗しても致命傷にならないような布陣を心がけている。この方法で戦う限り、少なくとも後悔するような負け方だけはしなかったと思っている。
ちなみにAFでは戦略航空任務にAWACSを投入すると有利になるというルールがある。今回のプレイでは失念して適用しなかったが、もし適用していれば、日米側がより一層有利になったであろう。
第1Turn(第1日目AM)
中韓軍の航空部隊が日本本土に敢然と襲いかかってきた。岩国基地から迎撃に上がった米海兵隊のF-18Cが韓国空軍KF-16との交戦で帰還を余儀なくされ、西日本一帯の日米防空網に穴があいた。その間隙を縫って中国空軍の長距離爆撃機や韓国空軍のF-15Kストライクイーグルが飛行場一帯を叩いていく。築城基地が2打撃を受けて発進能力を奪われた。一方関東方面に飛来してきた韓国空軍機に対し、小松基地の第303飛行隊のF-15Jが邀撃戦に大活躍を見せた。韓国空軍のKF-16 2ユニットを叩き落とす等、同方面に対する中韓連合の攻撃をほぼ完封した。
日米連合軍は水上艦及び潜水艦搭載のトマホーク巡航ミサイルによって反撃を行う。約20発の巡航ミサイルが韓国内部に向けて撃ち込まれた。韓国自慢のF-15K戦闘爆撃機2個飛行隊が配備されている大邸基地に巡航ミサイルが着弾。F-15Kの発進能力が失われた。
第2Turn(第1日目PM)
航空自衛隊のAWACS機が韓国東岸沖90海里の地点に占位した。韓国本土から発進して日本本土を狙う韓国空軍機の出鼻を挫く算段だ。それでも韓国空軍機は空自AWACS機の監視の目を?い潜るように九州北部へ侵入。韓国KF-16戦闘機のAIM-120ミサイル攻撃によって、新田原から迎撃発進した空自F-4EJ改が返り討ちに会ってしまう。再び九州上空にCAPの穴ができ、その間隙を縫って韓国空軍機が築城基地に殺到。遂に築城基地は壊滅。同基地に配備されている第6飛行隊所属のF-2戦闘機隊は、1度も発進することなく失われてしまう。その一方で鹿屋基地攻撃に飛来したTu-22Mバックファイアに対しては、対空砲火が奮戦し、残り1ステップとなっていたTu-22Mを完全に撃滅した。
海でも日米連合軍の苦戦が続く。
対馬沖で警戒中の海上自衛隊護衛艦隊に対し、韓国海軍のChangBoGo型潜水艦6隻が連続攻撃を仕掛けてきたのだ。ドイツ製の小型潜水艦で能力も限定的なものとはいえ、数が揃うと侮れない。最新鋭のイージス護衛艦「あしがら」が魚雷攻撃を受けて沈没。ヘリ搭載護衛艦「くらま」も雷撃によって中破してしまう。
韓国水上部隊も活発な活動を開始していた。佐世保に停泊して待機していた米海兵隊の揚陸部隊に対し、韓国水上部隊(合計駆逐艦9隻、フリゲート艦3隊)が強襲攻撃を仕掛けてきたのだ。僅か4隻の揚陸艦と2隻の補給艦、そして一握りの海上自衛隊哨戒艇しかいなかった佐世保基地艦隊に対し、発射された対艦ミサイルは100発以上。米海軍自慢の大型強襲揚陸艦「エセックス」が数発の対艦ミサイルを受けて轟沈。他に2隻の揚陸艦と海自の補給艦2隻、さらにミサイル艇1隊が成すすべもなく失われてしまった。
後に「第2次対馬沖海戦」と呼ばれることになる日韓対決の第1ラウンドは、こうして韓国海軍の大勝に終わった。
対馬沖で警戒中の海上自衛隊護衛艦隊に対し、韓国海軍のChangBoGo型潜水艦6隻が連続攻撃を仕掛けてきたのだ。ドイツ製の小型潜水艦で能力も限定的なものとはいえ、数が揃うと侮れない。最新鋭のイージス護衛艦「あしがら」が魚雷攻撃を受けて沈没。ヘリ搭載護衛艦「くらま」も雷撃によって中破してしまう。
韓国水上部隊も活発な活動を開始していた。佐世保に停泊して待機していた米海兵隊の揚陸部隊に対し、韓国水上部隊(合計駆逐艦9隻、フリゲート艦3隊)が強襲攻撃を仕掛けてきたのだ。僅か4隻の揚陸艦と2隻の補給艦、そして一握りの海上自衛隊哨戒艇しかいなかった佐世保基地艦隊に対し、発射された対艦ミサイルは100発以上。米海軍自慢の大型強襲揚陸艦「エセックス」が数発の対艦ミサイルを受けて轟沈。他に2隻の揚陸艦と海自の補給艦2隻、さらにミサイル艇1隊が成すすべもなく失われてしまった。
後に「第2次対馬沖海戦」と呼ばれることになる日韓対決の第1ラウンドは、こうして韓国海軍の大勝に終わった。