Victory Games社の3rd Fleetは、フリートシリーズの最終作で、テーマは北大西洋、ベーリング海、カリブ海における海上戦闘です。フリートシリーズは1980~90年代における海上戦闘を1Turn=8h、1Hex=45海里のスケールで描いた作品群で、第1作目の「6th Fleet」以降、「3rd Fleet」まで計5作品が発売されました。
今回プレイしたシナリオ12は、北大西洋におけるNATOとソ連海軍の激突を描くシナリオです。いつもなら圧倒的破壊力を発揮する米空母が何故かこのシナリオでは登場せず(設定によれば、シナリオの時期以前にノルウェー海で米ソ艦隊決戦があり、米海軍が敗れたことになっている)、非力な英空母(搭載機はシーハリアーとAEWヘリのみ)と新鋭水上艦艇、そして基地航空隊だけで迎え撃つことになります。
今回、下名はNATO側を担当しました。
第1~3Turn(第1日目)
天候フェイズでいきなり悪天候となった。ビスゲー湾、英仏海峡、ノルウェー海で天候が悪化。水上艦艇の移動力がいきなり半減してしまう。水上艦の移動力に頼るNATO軍としては痛い。先手を取ったのはNATO軍であった。スコットランド沖を遊弋していたソ連機動部隊の別動隊(空母「キエフ」、駆逐艦4)を英本土から発進した基地航空隊が強襲攻撃を加えた。対艦ミサイルを抱えたバッカニア隊2個中隊がトーネード戦闘機の護衛を受けてソ連艦隊に殺到。上空援護のYak36フォージャー隊は瞬殺され、数十発の対艦ミサイルがソ連艦隊に迫る。対空砲火による反撃虚しく空母「キエフ」があえなく轟沈。さらに新鋭のウダロイ級対潜駆逐艦2隻が海の藻屑と化した。スペイン海軍のP3哨戒機による戦術支援が効いた形となった。
残ったソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦2隻もニムロッド哨戒機、P-3C哨戒機によるミサイル攻撃を受けて次々と轟沈していく。こうして空母「キエフ」の機動部隊は文字通り壊滅し、ソ連水上艦隊は早くもその戦力の約半数を失うに至った。
残ったソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦2隻もニムロッド哨戒機、P-3C哨戒機によるミサイル攻撃を受けて次々と轟沈していく。こうして空母「キエフ」の機動部隊は文字通り壊滅し、ソ連水上艦隊は早くもその戦力の約半数を失うに至った。
空母「キエフ」機動部隊は、セットアップ時の制約で英本土近くに位置している。ソ連側が先手を取らない限り「キエフ」部隊を守り切るのは難しいかもしれない。
ソ連側の反撃は空から始まった。Tu-95Hベアの巡航ミサイルがノルウェー北部のオーランド基地に着弾。同基地の機能を奪った。そこへ通常爆弾を抱えたソ連長距離爆撃隊が殺到。対空砲火による奮戦虚しくオーランド基地は壊滅。ソ連長距離爆撃隊は外洋への回廊を開いた。
遥かフランス沿岸でもソ連潜水艦の跳梁が始まっていた。数隻の潜水艦がNATO船団に殺到。キロ級通常動力潜水艦「ヴォロン」の雷撃で英Type22型フリゲート艦Beaverが大破した。
輸送船団は潜水艦を振り切ろうとやっきとなったが、悪天候のために速度が出ないのが辛い。
遥かフランス沿岸でもソ連潜水艦の跳梁が始まっていた。数隻の潜水艦がNATO船団に殺到。キロ級通常動力潜水艦「ヴォロン」の雷撃で英Type22型フリゲート艦Beaverが大破した。
輸送船団は潜水艦を振り切ろうとやっきとなったが、悪天候のために速度が出ないのが辛い。
バルト海方面ではNATOとWPの航空兵力による制空権を巡る戦いが続いている。英本土を発進するトーネード戦闘機やデンマーク空軍のF16、西ドイツ空軍のトーネード攻撃機等の猛攻に対し、東ドイツに展開するMiG-29戦闘機隊が奮戦。トーネードやF16に計3ステップの損害を強いていた。しかし衆寡敵せず、兵力に勝るNATO航空部隊がWP軍航空部隊を次第に圧倒。東西国境付近のDemon航空基地がNATO機の猛攻を受けて壊滅した。
北海ではオランダ潜水艦の活躍が光った。潜水艦「ドルフィン」がソ連チャーリー1型ミサイル原潜「ドネツ」を捕捉。雷撃によりこれを撃沈していた。
大西洋ではNATO船団を、それを追うソ連潜水艦の戦いが続いている。ソ連潜水艦の攻撃に対し、NATO水上艦はその優秀な対潜能力を以て巧みにその攻撃を防いでいる。しかし空からの脅威には対処し切れなかった。英国西方海域で船団護衛任務についていたオランダ艦隊に対し、コラ半島を発進してきたソ連長距離爆撃機Tu-22Mバックファイアが襲いかかる。対艦ミサイル攻撃を防ぎきれず、オランダ海軍のフリゲート艦2隻が海の藻屑となった。
北海では、NATOとソ連の潜水艦同士が死闘を演じている。英海軍原子力潜水艦「スプレンディット」が魚雷を受けて損傷したが、NATOも負けてはいない。強力な新鋭攻撃型原潜と静粛性を誇るディーゼル潜の反撃によりソ連シエラ型原潜、タンゴ型ディーゼル潜各1隻が撃沈されてしまう。
そしてNATO軍は、上陸部隊をノルウェーに進めんとして北海に出撃してきた。待ってましたとばかりに取りつくソ連原潜部隊。そしてその後方からは対艦ミサイルを装備した水上打撃部隊が布陣する。空母「スヴェルドロフスク」、ミサイル巡洋艦「キーロフ」「スラヴァ」、そしてやや旧式ながらクレスタ1型の「マーシャル・ティモシェンコ」が300海里の距離から対艦ミサイルを放ってきた。激しい対空砲火がこれを迎え撃つ。ミサイルの半数以上が撃墜される中、とうとう1発の対艦ミサイルが英空母「インヴィンシブル」に命中した。火災を起こした「インヴィンシブル」では、艦を救おうとする乗組員たちの死闘が始まる。しかし彼らの苦闘をあざ笑うかのように2発目の大型対艦ミサイルが命中した。オスカー型ミサイル原潜「ボルシャネヴァ」の放ったP-700グラニート(SS-N-19シップレック)である。「インヴィンシブル」は大火災を起こして沈没。乗組員の半数以上が帰らなかった。
(つづく)