零戦最後の証言2
神立尚紀 光人社NF文庫
以前に紹介した「零戦最後の証言」の続編である。零戦と共に戦い、戦後それぞれの人生を歩んだ零戦パイロット達。本書はそのような零戦パイロット達の生き様を戦中、戦後を通して追いかけている。本書で取り上げられている零戦パイロットは計12名。進藤三郎、羽切松雄、岩井勉等は本書以外にも登場する機会の多い人物である。本書は戦史というよりは零戦パイロット達の生き様が主なテーマである。従って「どこの戦いで誰が何機落とした」というような「エース列伝」的な話はあまり出てこない。そういった内容を期待する向きにとって、本書は退屈に感じるかもしれない。しかし本書の魅力はそのような所ではない。零戦パイロットという名の我々と同じ日本人が、戦中戦後をどのように生きたか。それを感じる所が本書の魅力といってよいだろう。
お奨め度★★★