2日目早朝
山小屋の朝は早い。午前3時頃になると早立ちする登山者達がゴソゴソと寝床を抜け出し、朝飯を食べたり、山小屋を後にしたりしています。私は4時過ぎまで寝たり起きたり状態でしたが、0430まで起きてきて、0500少し前に山小屋の用意してくれた朝食をとりました。朝食を終えると外に出て今日の天気を確認。丁度日出の時間だったので、東側から太陽が顔を出そうとしていました。左側の鹿島槍も太陽の日を受けていました。
鹿島槍へ
準備を整えて出発したのは0540頃でした。荷物の半分は山小屋に残し、軽装で鹿島槍へ向かいます。片道2.5時間、帰路も含めると4.5時間の工程になります。歩き始めると正面に布引山、そして鹿島槍が見えています。今日も良い天気になりそうだな。
歩き始めてすぐにキャンプ地に到着。そこからは視界が開けて左手には立山、正面には鹿島槍ヶ岳、そして右側は仁科三湖が見えるという絶好のロケーション。まさに山登りの醍醐味です。
歩き始めて1.5時間ぐらいで標高2683mの布引山山頂に到着しました。ここまで来たら鹿島槍はもうあと一息です。
歩き始めて1.5時間ぐらいで標高2683mの布引山山頂に到着しました。ここまで来たら鹿島槍はもうあと一息です。
標高2889mの鹿島槍ヶ岳に到着したのは0750頃でした。うれしくなってTwitterで登頂を報告したら、案外反響が大きかったので驚きです。そういえば世間的には平日の0750といえば、お仕事に出かける時間でしたね。そういう時間帯に非日常であるアルプス登山を報告するのはなかなかシュールかも・・・。
それはとにかく、鹿島槍山頂から見た山々の景観を見てください。まさに登山の醍醐味とは、このことかな。といった感じの景観です。順番に剣岳、立山、南側の稜線、鹿島槍ヶ岳北峰です。
下山
鹿島槍ヶ岳の山頂で30分ほどじっくりと時間を潰した後、0820頃下山開始。来た道を逆方向に戻ります。帰りも天気は良く、山々を愛でながら歩く楽しい山歩きでしたが、1000前後からガスが上がってきて、一部の山はガスに隠されてしまいました。
冷池山荘に戻ってきたのは1020頃でした。往復5時間弱の山歩きでした。山荘に残していた荷物をザックに詰め込み、いざ、出発です。
山小屋を出ると荷物が急に重くなったので、1歩1歩が重たく感じます。さらにこれまで下り道に慣れた体に上り坂はキツイキツイ。冷池山荘から爺ヶ岳山頂までの標高差は200~300mに過ぎないのですが、やっぱり上りは・・・。それでも歩き始めて10分もすれば、体が上り坂に馴染んでくるので、歩くペースが上がってきます。
歩き始めて2時間で種池山荘に到着。昨日も休憩を取った場所です。時計を見ると1240。午後に入るとガスがかかってくるのが山の天気の特徴ですが、今日もその例に漏れず周辺の山々は白いガスに包まれていました。
種池山荘からさらに稜線を歩くか、あるいはここから扇沢に下山するか、少し悩みました。しかし久しぶりの本格的な山登りが効いたのか、左膝がなんだか痛い。結局は筋肉痛だったのですが、その時は「捻挫でもしたのかな?」と少し心配になってきました。
そこで今回はムリをせず下山を決意。1300過ぎに下山を開始しました。
そこで今回はムリをせず下山を決意。1300過ぎに下山を開始しました。
上ってくる時には良い登山道だと感じた柏原新道。しかし下山時の感想は全く異なります。とにかく長い。標高差1,100mもあるので、歩いても歩いてもなかなか標高が下がってこない。途中にベンチがいくつかあり、休憩する場所にはあまり不自由しないのが救いか。
歩くこと3時間。コースタイムが2.5時間なので、コースタイムを大きく上回る形になってしまいましたが、それでも1600過ぎになんとか無事下山しました。さすがに疲れましたが、登山口に戻ってこれた時には、ホッとしました。
登山口から車道沿いに歩くこと10分で扇沢の駐車場に到着。1泊2日の山旅が終わりました。車で近くの大町温泉郷へ移動し、温泉郷の真ん中にある「薬師の湯」に入って2日分の汗を流しました。「薬師の湯」は登山者や地元の人たちでイモ洗い状態でしたが、それでもゆっくりとお湯に浸かるのは気持ちよかったです。
その後中央高速、東名高速を経由して帰宅。Uターンラッシュの影響を少し受けて大町からの所要時間は6時間ほどかかりましたが、それでも日付が変わる前に帰宅できました。
その後中央高速、東名高速を経由して帰宅。Uターンラッシュの影響を少し受けて大町からの所要時間は6時間ほどかかりましたが、それでも日付が変わる前に帰宅できました。
感想
鹿島槍ヶ岳に登るのは私にとって初めての機会でした。今回使ったコースは最も難度の低いコースで、確かに危険個所は殆どありません。柏原新道も距離こそ長いものの登山自体は良く整備されて歩きやすいです。また種池山荘から冷池山荘を経て鹿島槍ヶ岳に至る稜線は、途中に爺ヶ岳、布引山といった山塊を含み、景観に飛んだ楽しいルートです。こちらも危険個所は殆どなく(勿論注意を怠れば滑落する危険はあります)、天候さえ注意すれば、安心して山歩きできます。そういった意味ではアルプス初心者の方にも安心してお奨めできるコースだと思いました。鹿島槍ヶ岳は、私にとっては北アルプスの中では最後に残った未踏破の百名山でした。百名山自体では私にとって85番目に制覇した山になります。全山制覇まで後15。しかし残る未踏破の百名山としては、荒島岳(福井)、、高妻山(長野)、平ヶ岳(新潟・福島)、幌尻岳(北海道)等のように、あまり魅力を感じない山とかあるいは登るのが滅茶苦茶面倒な山とかしか残っていません。百名山以外の目標として百高山とかも目指したいのですが、こちらは3年前にトップ30を制覇してからはモチベーションダウン。31~50位には西穂高岳とか鑓ガ岳みたいに「怖い山」や赤牛岳みたいに「面倒な山」が入っているのでトップ50も難しい。今後の目標をどうしようかと悩んでいる所です。