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Carrier Strike

Eric Hammel Pacifica Pr

以前に紹介したCarrier Clashの続編である。Carrier Clashがガダルカナル上陸から第2次ソロモン海戦終了までを扱っているのに対し、本作では同海戦終了直後から南太平洋海戦終了までを扱っている。
本書は基本的に良質な戦記で、米国製の戦記の例に漏れず、数値面で押さえるべき点は押さえていて、同時期の航空戦、海上戦について基本的な内容を知ることができる。日本では紹介される機会の少ない(あるいは紹介されても「無敵零戦」とか「1式ライター」とか言ったステレオタイプな内容ばかり)ガダルカナルを巡る航空戦の実情についても詳しく知ることができる。航空戦についてはFirst Teamから要点を抜き出したような内容なので、First Teamと重複する部分が多いが、First Teamよりも手軽に読めるのが嬉しい。またFirst Teamでは扱っていない艦船部隊や艦爆、艦攻隊の戦い、哨戒飛行艇の戦い等にも触れており、モリソン戦記だけでは良くわからない部分にも触れられている。私は南太平洋海戦終了直後にPBY飛行艇が空母「隼鷹」に対して夜間雷撃を行っており、命中を報じていることを初めて知った(無論、実際には命中していない)。
米国側から見たガダルカナル方面の戦い。特に9~10月期の戦いについて理解を深めるには格好の著作である。

お奨め度★★★★


Carrier Clash: The Invasion of Guadalcanal and the Battle of the Eastern Solomons, August 1942 (The Guadalcanal Battles Series Book 3) (English Edition)
Carrier Strike: The Battle of the Santa Cruz Islands, October 1942 (The Guadalcanal Battles Series Book 4) (English Edition)
空母対空母 空母瑞鶴戦史[南太平洋海戦篇] (光人社NF文庫)
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