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Avalon Hill社のVictory in the Pacific(以下「VITP」)は、私が生まれた初めて購入し、プレイしたウォーゲームである。その後約30年の時を経て、久しぶりにVITPに触れる機会があった。改めてプレイしてみると、新たな発見があった。例えば勝敗ラインをゃんと計算し、日本軍をして「勝つために最適な手段」をゲーム上で実践してみる意外と史実に近い展開になることもわかってきた。
よし、それならVITPを一度通してプレイしてみよう。ルールは標準ルールのみ。当然キャンペーンだ。私自身の問題として、、ゲームそのものは保有していなかったが、VASSALを使えばソロプレイは可能だ。

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2Turn(1942年5月)(承前)

イメージ 10最初の戦いはマーシャル近海で切って落とされた。戦艦1、空母2、重巡3からなる米襲撃部隊に対し、日本軍の兵力は巡洋艦1、基地航空隊1、そして潜水艦だ。最大の脅威は基地航空部隊だが、それを首尾よく撃破できるか・・・。
最初の伊号潜水艦(①-*-*)による雷撃は外れ。続いて航空戦が戦われる。空母「ヨークタウン」「ホーネット」(いずれも0-2-7④)と日本軍基地航空部隊(3-4-*)。数では空母部隊が優勢だが、基地航空隊は思いの外しぶとい。空母「ヨークタウン」が陸攻隊による雷撃の犠牲となったが、なんとか基地航空隊を制圧することに成功した。残った「ホーネット」の艦載機が重雷装軽巡「北上」(①-0-7)を撃沈。マーシャル海域を制圧した。

イメージ 11続いてミッドウェー海域である。こちらは空母「エンタープライズ」(0-2-7④)、「レキシントン」(1-3-7④)、戦艦「ニューメキシコ」(4-5-3)、重巡3隻の米艦隊に対し、巡洋艦1、基地航空隊1の日本軍との戦いである。
日本機の攻撃で空母「エンタープライズ」が帰還を余議なくされたが、日本側基地機は2隻の米空母による爆撃により壊滅した。「レキシントン」艦載機の爆撃によって重巡「加古」(①-1-7)を撃沈。中部太平洋を米軍が支配した。

アリューシャン方面でも哨戒中の重巡「那智」(①-2-7)が米重巡3隻の襲撃を受けて沈没する。
サモア方面でも哨戒中の重巡「衣笠」(①-1-7)が空母「サラトガ」(1-3-7④)艦載機の攻撃を受けて沈没する。

イメージ 13このTurn、最大の激戦地となったのは、インドシナ水域であった。日本側はこの方面に戦艦6隻と基地航空隊3隊を投入。対する英軍も戦艦4、空母3、重巡2、基地航空隊2隊を投入した。
しかし海戦の結果は一方的なものだった。英空母部隊は日本側陸攻隊の攻撃で早々に退場してしまい、2隊投入した連合軍基地航空隊も内1隊が早々に壊滅した。起死回生を狙って砲戦を挑んだ英艦隊だったが、戦艦「ウォースパイト」(4-4-4)が沈没、「リヴェンジ」「レゾリューション」は退却してしまう。英艦隊は砲撃で日本の誇り戦艦「長門」を撃沈したのが唯一の戦果だった。

そして空母11隻を投入した第2次真珠湾攻撃。奇跡を期待した米軍だったが、奇跡は起こらなかった。真珠湾の泥に眠っていた6隻の戦艦は全て破壊尽くされた。戦艦6隻完全損失。ここに開戦時に真珠湾に残っていた米艦隊は、文字通り壊滅したのである。

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このTurn、日本軍はハワイ海域を得たものの、アリューシャン、中部太平洋、マーシャル海域の支配を失った・。POCの合計は前回同様13点。一方連合軍は中部太平洋、マーシャル諸島を得たのでPOCは計6点。その差は7点で、累積POCは15点となった。またこのTurn、フィリピン、シンガポール、ラエの3拠点がそれぞれ補給切れによって降服した。

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3Turn(1942年9月)

イメージ 14両軍とも増援が登場する。日本軍は最大最強の戦艦「大和」(6-9-5)が空母「飛鷹」(1-2-4③)と共に登場する。また連合軍も新鋭戦艦「ノースカロライナ」(5-6-5)を始め、戦艦が計3隻登場した。まだまだ日本軍の優位は動かないが、稼働兵力の面では徐々に拮抗しつつある。

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イメージ 12サモア沖で大海戦が起こった。日本軍はサモア襲撃用に速度8の超高速艦艇ばかりで空母4、重巡4の艦隊を編成してきた。対する米軍は空母4、戦艦1、重巡9、さらに基地航空部隊を投入し、数の力で敵を圧倒しようとする。
空母同士の戦いは壮烈であった。日米合計8隻の空母が参加した壮烈な空母決戦の結果、日本側4隻、米側3隻の計7隻が失われた。艦名を列挙すると「蒼龍」「飛龍」「翔鶴」「瑞鶴」「エンタープライズ」「ホーネット」「サラトガ」だ。「レキシントン」だけが生き残った。残った日本の高速重巡4隻は、快速を生かして戦場を離脱していく。

イメージ 15インドシナでは英艦隊が再びチョッカイを出してきた。日本軍は戦艦6、空母1、重巡1、基地航空隊1隊を投入。戦艦の1隻は最新鋭の「大和」(6-9-5)だ。対する英軍は戦艦1、空母4、重巡2だ。夜間に遭遇した両軍であったが、砲力に勝る日本軍が一方的な勝利を収めた。戦艦「ヴァリアント」(4-4-4)は「大和」の砲撃を受けて大破(4Hit)。2隻の空母「フォーダブル」「イラストリアス」(共に0-2-7[2])は日本戦艦の砲撃を受けて沈没してしまう。日本軍の損害は殆どゼロ。第2次インドシナ沖海戦は日本軍の圧勝に終わった。

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このTurn、日本軍はハワイ近海の制海権を失ったが、アリューシャン、中部太平洋、マーシャル方面の支配を取り返した。日本軍の支配した海域は計7海域。獲得POCは13である。一方連合軍はベンガル湾、インド洋、珊瑚海、米委任統治領、ハワイ海域の計5海域を支配した。獲得POCは8である。差は+5点で、累積POCは+20点になった。

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4Turn(1943年1月)

イメージ 16年が変わって1943年。連合軍には空母「ワスプ」(0-2-6④)、新鋭戦艦「ワシントン」「サウスダコタ」「インディア」(最初が5-6-5、後の2つが⑤-6-5)が登場する。同じ空母、戦艦であっても、種別によって微妙に性能差があるのが嬉しい。WASやVITPの名作たる所以は、簡単なルールながらも軍艦マニアの壺をキッチリ押さえてある所だろう。両軍の稼働戦力を下表に示す。

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このTurn、両軍とも大きな動きはなかった。唯一動きがあったのがアリューシャン方面である。日本軍と連合軍の基地航空隊同士が北の海で激突する。ユニット数は2対2で互角。火力が日本軍の方が有利だが、ダイス目で連合軍が勝利した。日本軍基地航空部隊2隊が撃破され、アリューシャンの制海権を米軍が奪い返した。

日本軍はアリューシャンを失って12POCに減少。一方の連合軍はアリューシャン、北太平洋の支配を獲得し、10POCとした。その差は+2点で、累積POCが+22点となった。その他米海兵隊がガダルカナルに上陸し、連合軍が南太平洋に向けて制空権を伸ばすチャンスを得た。


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