Avalon Hill社のVictory in the Pacific(以下「VITP」)は、私が生まれた初めて購入し、プレイしたウォーゲームである。その後約30年の時を経て、久しぶりにVITPに触れる機会があった。改めてプレイしてみると、新たな発見があった。例えば勝敗ラインをゃんと計算し、日本軍をして「勝つために最適な手段」をゲーム上で実践してみる意外と史実に近い展開になることもわかってきた。
よし、それならVITPを一度通してプレイしてみよう。ルールは標準ルールのみ。当然キャンペーンだ。私自身の問題として、、ゲームそのものは保有していなかったが、VASSALを使えばソロプレイは可能だ。
よし、それならVITPを一度通してプレイしてみよう。ルールは標準ルールのみ。当然キャンペーンだ。私自身の問題として、、ゲームそのものは保有していなかったが、VASSALを使えばソロプレイは可能だ。
7Turn(1944年5月)



ともあれたった4隻とはいえ、弱体化しつつある日本軍にとって嬉しい増援には違いない。尤も今更役に立たない軽空母の1隻よりは、高速重巡の1隻の方が、日本軍にとっては嬉しかったかも知れない。




対する連合軍は、現段階では本土に集中する日本艦隊との決戦はリスクが大きいと判断した。なんといってもオーストラリア方面から出撃する艦艇が日本本土に届かないというのが大きい。水上戦力の不足は明らかで、仮に本土近海で戦った場合、水上戦力の不足によって大損害を被る可能性がある。そう判断したのだ。
その代り連合軍は日本本土以外の水域をカッチリ押さえる戦略を採った。


このTurn終了時、日本軍に残された支配海域は日本本土のみとなった。POCは3点である。一方の連合軍は日本本土とアリューシャンを除く全海域を支配した。POCは13点。差分はー10点で累積POCは9点まで減少した。

8Turn(1944年10月)



対する連合軍は各地に対応する兵力をばら撒きつつ、それぞれの海域で制海権を狙う。そして主力である日本本土攻略部隊は、空母13、戦艦8、巡洋艦11を投入した。対する日本本土防衛艦隊は空母14、戦艦9、巡洋艦1だ。


基地航空部隊についても、上陸部隊が米軍機の攻撃を引き付けている間に軽空母「キャボット」(0-2-7②)を撃沈、同じく「バターン」(0-2-7②)を帰還させたが、そこまでだった。米軍機の猛攻を受けた日本軍基地航空部隊もまた沈黙を余儀なくされてしまう。

マリアナ海域では日本軍基地航空部隊1個と連合軍基地航空部隊3個の戦い。この戦いは双方基地航空部隊を1つずつ失って終了した。


第3ラウンドは航空・水上戦となり、米空母2隻が沈没。水上砲戦で日本戦艦1隻沈没、1隻大破。この時点で航空戦力を失った米軍が戦闘を諦め後退していった。
両軍の損害を比較すると以下の通りになる。
(1) 日本軍
沈没:
戦艦2(「山城」「陸奥」)
正規空母3(「赤城」「加賀」「大鳳」)
軽空母5(「隼鷹」「飛鷹」「龍驤」「千歳」「鳳翔」)
重巡1(「羽黒」)
大中破:
戦艦4(「大和」「武蔵」「金剛」「日向」)
基地航空隊1隊壊滅
(2) 米軍
沈没:
戦艦1(「ワシントン」)
正規空母5(「ワスプ2」「ホーネット2」「バンカーヒル」「イントレピッド」「タイコンデロガ」)
軽空母1(「プリンストン」)
重巡1(「ポートランド」)
大中破:
戦艦4(「ミズーリ」「ノースカロライナ」「マサチューセッツ」「インディアナ」)
正規空母2(「ヨークタウン2」「レキシントン」)
軽空母1(「サンジャシント」)
重巡1(「キャンベラ2」)
沈没:
戦艦2(「山城」「陸奥」)
正規空母3(「赤城」「加賀」「大鳳」)
軽空母5(「隼鷹」「飛鷹」「龍驤」「千歳」「鳳翔」)
重巡1(「羽黒」)
大中破:
戦艦4(「大和」「武蔵」「金剛」「日向」)
基地航空隊1隊壊滅
(2) 米軍
沈没:
戦艦1(「ワシントン」)
正規空母5(「ワスプ2」「ホーネット2」「バンカーヒル」「イントレピッド」「タイコンデロガ」)
軽空母1(「プリンストン」)
重巡1(「ポートランド」)
大中破:
戦艦4(「ミズーリ」「ノースカロライナ」「マサチューセッツ」「インディアナ」)
正規空母2(「ヨークタウン2」「レキシントン」)
軽空母1(「サンジャシント」)
重巡1(「キャンベラ2」)
何はともあれ、日本本土近海の戦いは辛くも日本軍の勝利に終わった。米艦隊、なかんずく空母群は大損害を被り、無傷で行動可能な空母は正規空母1隻「エセックス」(1-3-7④)、軽空母2隻「カウペンス」「インデペンデンス」(いずれも0-2-7②)の計3隻にまで激減した。このTurnだけで失われた米空母の隻数は8隻、大中破3隻に及び、威容を誇った太平洋艦隊は一気に戦力を半減せしめられたのである。

このTurn終了時、日本軍に残された支配海域は日本本土のみとなった。POCは3点である。一方の連合軍は日本本土以外の全海域を支配した。POCは14点。差分はー11点で累積POCは-2点である。僅差であるが、最終的な勝利の栄冠は連合軍の元に輝いた。












