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無謀かもしれないが、GMT社の大型現代戦ゲーム"Next War Korea"の上級ルールシナリオに挑戦してみた。選んだシナリオは16.2.3 Tactical Surpriseである。以下はそのレポートである。(S/AR=Standard/Advanced Rules) GSR=Game Specific Rules)

Pre Scenario

International Posture Matrix

上級シナリオでは、International Posture Matrix(国際情勢表)を使って米中日の3国について態度を決定する(GSR16.2.1)。それぞれの国家について、Administration(政権)、Military(軍事)、Popular Vote(選挙)の3種類のパラメータで態度を決定する。ダイス判定の結果は以下の通りになった。

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中国は軍部と民意が強硬だが共産党は穏健、米国は政府と民意が穏健(民主党政権か?)、日本は政府と自衛隊が強硬(安倍内閣か?)という結果になった。全体としては日本が強硬派、米中が中道派。日本はこの戦争に特殊部隊の他、航空自衛隊をも派遣することになった。


初期配置(DPRK)

イメージ 10北朝鮮(DPRK)軍の自由配置ユニットについて初期配置を行う。北朝鮮側自由配置ユニットは、トンネルx8、国境見張所(Combat Outpost)x5、補給基地(Supply Depots)x4、Mi24攻撃ヘリx2、狙撃兵旅団(Sniper Brigades)x3、空挺旅団x3、軽歩兵旅団x3、海兵旅団x2、強襲揚陸艦x2である。まずトンネルだが、これは第1Turnの移動セグメントにDMZ国境線に隣接したHexに配置できる、とある(GSR2.6)。そこで今は配置しない。

イメージ 11次に補給基地だが、こちらは悩ましい。攻撃側の北朝鮮としては、ある程度前進を見越して配置する必要がある。そこで補給ルールを読み返してみる。S/AR19.2 Line of Communicationによると、ユニットは補給源又はHQまで一定距離以内(4~8MP)の範囲で補給線を通す必要があるとのこと。では補給源とは何か、と思ってルールを読み返すと、S/AR19.1 Supply Sourcesによれば、補給基地は補給源になるとある。有効範囲は8MPだ。ということは補給基地は前線に近い道路ヘクス(ただし敵の反撃の恐れが小さい場所)に配置するのがベターだ。敵の反撃に備えるため、国境見張所とスタックしておこう。

イメージ 12最後に各種軽歩兵部隊である。まずMi-24攻撃ヘリと空挺部隊は前線に近い飛行場に分散配置する。
海兵隊と揚陸艦は東海岸(日本海側)のウォンサン(元山Wonsan N3704)に集中配備する。守りの比較的緩やかな東海岸から上陸を敢行し、韓国軍の防御をかく乱する構えだ。
Mi-2装備の狙撃兵旅団3個は前線に近い位置に分散配備。最後に独立軽歩兵師団も同じく浸透移動(GSR3.1.3)に備えて国境線に沿って配置する。

初期配置(ROK/US)

イメージ 13続いて韓国(ROK)軍の自由配置ユニットについて初期配置を行う。韓国軍の自由配置ユニットは、国境見張所x4、補給基地x3、揚陸艦x1、AH-1攻撃ヘリx4である。まず国境見張所だが、道路が交差している重要拠点に配置し、あとは防御上の弱点にも配置する。次に補給基地だが、最前線まで補給が届く場所で、かつ出来る限り被害を被らないように戦線後方に配置する。AH-1攻撃ヘリについては、弾道ミサイル攻撃を避けるために分散配置する。最後に揚陸艦は、海兵隊とスタックさせるべくポハン(浦項Pohang S4720)に配置する。

イメージ 8イメージ 9さらに米軍部隊も配置する。まず米陸軍第2歩兵師団は、デグ(大邱Daegu S3821)から2Hex以内に配置する。連隊戦闘グループ(5-5-8)x1、HQx1、AH-64攻撃ヘリ部隊(2-16)x2の有力な部隊だ。また海兵隊はソウル周辺に展開中。空母戦闘グループ1個が日本海に展開し、不測の事態に備える。空母艦上には最新鋭のF-35C「ライトニング2」ステルス戦闘機が搭載されていた。

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選択ルール

以下を採用した。
 GSR15.2 F-22 Raptor Deployment
 GSR15.3 USN F-35Cs
 GSR15.11 Refugees(Internally Displaced Persons)
この結果、ゲーム開始時にDPRK側は15VPを得た。

前進移動

このシナリオでは、シナリオ開始前に全ユニットを移動力の半分までの範囲で移動させることができる。
北朝鮮軍は軍団毎に集結し、序盤の突破戦に備えている。一方の韓国軍は、最前線から一歩後退した地点に部隊を配置した。言うまでもなく北朝鮮軍のトンネル攻撃を避けるためである。さらに強力な攻撃が予想される西海岸地区では、可能な限り2個師団をスタックさせて敵の北朝鮮の出方を伺った。韓国軍にとって重要なのは、序盤で兵力を可能な限り温存することだ。兵力を温存すればそれだけ長期抵抗が可能になるし、いずれ米軍が制空権を得れば、航空攻撃で状況逆転が狙えるからだ。

ルールに明記されていない(と思う)が、事前移動について以下のルールを適用した。
(1) 国境線を超えて移動するのは禁止
(2) EZOCの影響は無視
(3) 全移動力を使えば1Hex移動できるルールは有効

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Pre Start Strike

イメージ 15DPRK軍は韓国領内の軍事目標に対してスカッドミサイル10発を発射した。以前にも触れた事があるが、スカッドミサイルの威力は凄まじい。たった1発で航空基地が全壊または半壊する始末。キロトン級核弾頭でも仕込んでいるのでは・・・、思わせる威力だが、恐らくゲーム上の1発が数十発のミサイルを表しているのだろう。にしてもスカッドBにしても、奴等が独自に開発したノドンにしても、CEP(半数必中界)が数百メートル代と必ずしも高精度ではない。このような怪しげなミサイルで航空基地に対して有効打撃が期待できるのか。現実には甚だ疑問である。

ちなみに今回は以下のハウスルールを採用した。
 (1)巡航ミサイル(弾道ミサイル含む)による攻撃は同一フェイズに発射する目標を全て決定した後、解決する。
 (2)航空基地/飛行場が破壊された場合の攻撃ヘリ部隊の強制移動(S&AR27.7.2.2)については、フェイズ終了時に行う。

DPRK側は10発のスカッドミサイルを以下のように配分した。
・連合軍の攻撃ヘリ(AH-64/AH-1)が展開している航空基地/飛行場に各1発(計7発)
・仁川国際空港(N2422)に1発
・金浦国際空港(N2721)に1発
・スウォン(水原 S2603)航空基地に1発

イメージ 14攻撃の結果、金浦国際空港とウォンジュ(原州Wonju S3501)航空基地、他2箇所の飛行場が破壊され、仁川国際空港等3ヶ所の航空基地/飛行場が損害を被った。付随損害は、韓国空軍のA-50軽攻撃機1ユニットと、F-15K戦闘爆撃機2ユニットが壊滅し、A-50 1ユニットがステップロスしてしまう。韓国陸軍のAH-1攻撃ヘリ2ユニットも失われた。

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最後に、SSRに従って韓国空軍の5ユニットを任務終了BOXに移動させる。
ようやくこれで準備完了だ。