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無謀かもしれないが、GMT社の大型現代戦ゲーム"Next War Korea"の上級ルールシナリオに挑戦してみた。選んだシナリオは16.2.3 Tactical Surpriseである。以下はそのレポートである。

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1Turn

Weather Phase

第1Turnの天候は主導権プレイヤーが決定できる(S&AR4.0)。主導権プレイヤーは北朝鮮側である。ここはClear(晴天)とした。ついでに季節も北朝鮮側が決める。季節は春(修正なし)とした。

Electronic Detection Phase

イメージ 14S&AR21.3に従って電子諜報を行う。電子諜報能力では、連合軍側が圧倒的に有利であったが、この時は連合軍側の出目が今ひとつ冴えず、北朝鮮側の司令部2個所を探知したに留まった。北朝鮮側の出目も似たようなものだったが、こちらは元々の探知能力の低さもあって、韓国軍司令部を1箇所も探知できなかった。

1st Special Operations Forces Phase

イメージ 15S&AR20.0に従って北朝鮮側が特殊部隊(Special Operations Forces 以下SOF)による任務を行う。このシナリオで北朝鮮側が最初に保有しているSOFは8部隊。また実行可能な任務は、襲撃、阻止攻撃、偵察、標定の4種類である。またSSRによって第1Turnの北朝鮮軍は、通常の2倍のSOF攻撃を実行できる。
北朝鮮軍は最初の攻撃で、早期警戒網襲撃に8部隊全てを投入した。攻撃は大成功で、探知レベルは9から2に激減した。
第2回目の攻撃は、早期警戒網襲撃に2部隊、航空基地/飛行場の位置標定に6部隊を投入した。結果は位置標定1箇所成功、早期警戒レベルも最低値の1にまで低下せしめた。その一方で北朝鮮軍特殊部隊は1部隊が帰らなかった。

Air/Naval Phase

イメージ 16スカッドミサイルの第2波攻撃が行われた。スカッドミサイルは航空基地/飛行場に集中され、その結果、6箇所もの航空基地/飛行場が破壊された。しかし地上における損害は比較的軽微で、AH-1攻撃ヘリ1ユニットが失われ、F-4D、A-50各1ユニットがステップロスしたに留まった。

攻撃の余波によってさらに5ユニットを戦列外に退けられた連合軍側であったが、米空軍、韓国空軍のF-16、KF-16Cが果敢にも制空任務に出撃する。その数は計7ユニット。対する北朝鮮側はMiG-29UBファルクラム3ユニット、MiG-23ULフロッガー4ユニットを含む計25ユニットが迎撃に発進する。

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イメージ 17空戦は両軍の中距離ミサイル戦より始まった。F-16,KF-16の搭載するのはAIM-120アムラーム。対する北朝鮮空軍機はセミアクティブホーミングのR-27である。R-27は西側では旧式となったAIM-7スパロークラスの性能を持つミサイルで、AIM-120アムラームに敵うべくもない。しかし数で圧する北朝鮮軍は、強引にドグファイトに持ち込んできた。空戦の結果、北朝鮮軍はMiG-23戦闘機1ユニットを失い、MiG-29、MiG-23、MiG-21各1ユニットがステップロスした。連合軍側はKF-16C 1ユニットがステップロスし、その他合わせて5ユニットが強制帰還せしめられた。航空機の損害では連合軍に分があったが、強制帰還では連合軍の方が多かった。空戦後残ったのは北朝鮮軍23ユニット、連合軍2ユニットで、北朝鮮軍が圧倒的航空優勢(Air Supremacy)を獲得した。

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2nd Special Operations Forces Phase

イメージ 18今度は連合軍側の特殊部隊による攻撃である。韓国軍4部隊、米軍3部隊、CW(英連邦軍)1部隊、そして我が陸上自衛隊の1部隊の計9個のSOF部隊を持つ連合軍側は、阻止攻撃に5部隊、司令部評定に2部隊を投入した。残り2部隊は今後に備えて温存する。攻撃の結果は、司令部位置標定1箇所、阻止攻撃2箇所成功であった。攻撃に出撃した特殊部隊は、幸い全部生還した。

1st Strike

イメージ 4先の特殊部隊攻撃によって連合軍の早期警戒網に大穴を開けた北朝鮮軍は、航空戦力を以て国境付近に対する大規模な航空攻撃を仕掛けた。投入された戦力は、旧式のIl-28軽爆撃機が4ユニット、同じくSu-7戦闘爆撃機が1ユニット、F-6戦闘機8ユニットである。目標となったのは、航空機/飛行場4箇所、司令部1箇所、交通阻止7箇所である。この攻撃で韓国陸軍のAH-1攻撃ヘリ1ユニットが失われ、虎の子米陸軍のAH-64アパッチ攻撃ヘリ1ユニットがステップロスした。阻止攻撃は2箇所で成功した。対する損害は、SAMによる反撃でF-6戦闘機1ユニットがステップロスした。

Initiative Movement and Combat Phase

DPRK Movement/Combat Segment

イメージ 19北朝鮮軍地上部隊が進攻開始。国境線に沿って一気に南下を開始する。
ヘリボーンで敵後方に特殊部隊を送り込んで、連合軍の攪乱を図る。が、韓国軍の対空砲火に阻まれて1部隊を失い、2部隊が後退。残り1部隊がなんとか敵戦線後方に潜り込んだが、元より大きな戦果は期待できないだろう。
西部戦線では、虎の子であるSu-25フロッグフットまで投入してきた北朝鮮軍の猛攻によって韓国軍第5歩兵師団(6-8-4)が壊滅。他の部隊にも損害が出ていた。しかし戦線は韓国軍がガッチリと保持し、さらなる南下を阻んでいた。

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イメージ 20東部戦線でも韓国軍の抵抗は激しく、北朝鮮側の前身は捗らなかったが、唯一東海岸では海岸付近を守っていた韓国軍2歩兵師団が、北朝鮮軍第806軍団の波状攻撃によって後退を余議なくされた。

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ROK/US Elite Reaction Movement Segment

イメージ 21このセグメントは、非主導権側の練度6以上のEZOCにいないユニットのみが移動できる。韓国陸軍の機械化師団、米陸軍第2歩兵師団、米海兵大隊が戦線の裂け目を補完すべく移動する。しかし道路には避難民が溢れ出し、連合軍の移動を阻害する。さらに効果的だったのが北朝鮮空軍による阻止攻撃で、そのために道路網の一部が使えなくなり、後方から前線への増援部隊の派遣が大幅に遅延した。


DPRK Exploitation Movement/Combat Segment

イメージ 22北朝鮮軍は各地で攻撃を続行するが、防御体制を整えた韓国軍の抵抗は激しく、その前進は捗らなかった。Yongyang(N3514)付近の攻撃では、北朝鮮軍第425機械化軍団が韓国軍に対して低比率攻撃を実施。相手に全く損害を与えることなく機械化歩兵旅団が2ステップを失うという大損害を被っていたりもした。それでも北朝鮮軍は韓国軍2個歩兵師団を撃破し、Munan(N3315)とトンドゥチョン(東豆川 Dongducheon N3116)の間で北朝鮮軍第820機械化軍団の戦車旅団が国境線を突破。DMZの要塞地帯後方に躍り出た。

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イメージ 23東部戦線でも北朝鮮軍の苦戦が続いていたが、海岸地帯では要塞地帯を抜けた北朝鮮第815機械化軍団が、Mil-2軽攻撃ヘリを装備した特殊戦部隊の支援を受けて韓国軍を攻撃する。その攻撃で韓国軍第21歩兵師団&6-8-4)が撃破され、残った部隊は後退。海岸地帯に突破口を啓開した北朝鮮軍は、国境線から50km以上進出した。国境線付近で山岳地帯を守る韓国軍2個歩兵師団が退路を失い、包囲殲滅の危機が迫る。

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ROK/US Reaction Movement/Combat Segment

イメージ 24西部戦線では、海岸付近では臨津江(イムジンガン)に沿った形で連合軍が戦線を構築し、北朝鮮軍の突破を阻んでいる。またその内陸部の北朝鮮戦線突出部に対しては、連合軍が果敢な反撃を試みた。首都防衛機械化師団(9-11-8)、第26機械化歩兵師団(9-11-6)、韓国海兵師団(7-8-4)、そして米陸軍第2機械化師団旅団戦闘グループ(5-5-8)等である。彼らはMunanとトンドゥチョンの間で突破口を形成していた北朝鮮軍機械化歩兵旅団、戦車旅団各1個を攻撃。これたを撃滅して戦線をMunanとトンドゥチョンの線まで押し戻した。

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イメージ 27一方東部戦線では、韓国軍歩兵師団、米海兵隊等をつぎ込んで突出してきた北朝鮮軍歩戦連合部隊を攻撃した。攻撃によって北朝鮮機械化歩兵師団1個が撃破されたが、北朝鮮軽歩兵旅団が戦線を保持したため、突破口を完全に塞ぐには至らなかった。

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Basic Movement and Combat Phase

DPRK Movement/Combat Segment

Munanで北朝鮮軍が再び攻撃を開始した。Munanに進出していた韓国軍首都防衛機械師団(9-11-6)は北朝鮮軍機械化部隊の猛攻を受けて壊滅。Musanは再び北朝鮮軍の支配する所となった。


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ROK/US Movement/Combat Segment

イメージ 25西部戦線では、臨津江からトンドゥチョンに至るラインに戦線を敷く。かなり密度の濃い戦線を形成できたが、予備兵力を捻出できず、わずかに韓国軍第26機械化歩兵師団(9-11-6)をウィジョンブ(議政府Uijeongbu N3118)まで後退させ、数少ない予備戦力とした。

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イメージ 26東部戦線では、日本海沿岸で韓国軍はGanghyeon(N4718)まで後退。米海兵大隊等と共同で戦線を敷いた。東部戦線の兵力は、韓国軍歩兵師団7個の他、米韓の旅団規模の部隊が計3個である。これに対して東海岸を南下する北朝鮮軍は機械化歩兵2個軍団その他の戦力である。

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Victory Determination Phase

北朝鮮=62VP
連合軍=14.5VP