無謀かもしれないが、GMT社の大型現代戦ゲーム"Next War Korea"の上級ルールシナリオに挑戦してみた。選んだシナリオは16.2.3 Tactical Surpriseである。以下はそのレポートである。
12Turn
Weather Phase
天候=曇り(Overcast)
Initiative Phase
連合軍の主導権Turnとなる。
1st Special Operations Forces Phase
連合軍は使用可能な特殊部隊8部隊のうち、標定に5部隊、早期警戒網攻撃に3部隊を投入する。成果は飛行場2ヶ所標定成功、早期警戒網レベル1段階低下である。それに対して韓国軍特殊部隊1部隊が帰らなかった。
Air/Naval Phase
連合軍が制空権を確保した。
1st Strike Phase
連合軍はワイルドウィーゼル機4ユニットで防空網制圧を実施し、北朝鮮軍早期警戒網を最低レベルまで追い込んだ。続いてB-52 2ユニットがワイルドウィーゼル機を伴って北朝鮮領内に侵入。北朝鮮領内の飛行場1ヶ所を灰燼に変えた。
続いてB-1B、B-2A、F/A-18E、F-15E/K、F-35、タイフーン等計8ユニットが国境付近の阻止攻撃に出撃し、北朝鮮軍の本国への撤退を阻止せんとする。阻止攻撃の目標は6ヶ所で、そのうち4ヶ所で道路網に対する阻止攻撃が成功する。未帰還機はなく、全機、無事帰還した。
Initiative Movement and Combat Phase
ROK/US Movement/Combat Segment
連合軍は攻勢正面を西にシフトした。韓国軍を主力とする機械化部隊がソウル正面の戦線に姿を現した。彼らはDongducheon(N3716)付近の防備が比較的手薄であることを発見してそこを最初の攻勢開始とした。攻勢は成功し北朝鮮軍を撃破する。
その他の戦線では。漢江北西部に広がる山岳地帯で掃討戦を実施したのは米第3機構騎兵連隊(3-4-8)を主力とする米軍部隊と韓国軍歩兵部隊、それから英連邦軍空挺大隊である。彼らは山岳地帯に残っている北朝鮮軍の背後を断つべく行動し、包囲殲滅しようとしたが、北朝鮮軍の抵抗は意外としぶとく、北朝鮮軍の退路を完全に断つことはできなかった。
DPRK Elite Reaction Movement Segment
北朝鮮軍は国境の北側で待機していた戦車旅団4個(いずれも5-4-8)を投入して連合軍の進撃を妨害する。
ROK/US Exploitation Movement/Combat Segment
連合軍の攻撃はなおも続く。韓国軍の機械化部隊が展開する西部戦線では、連合軍は比較的楽な戦いを繰り広げていた。というのもこの方面は地形が比較的平坦であり、戦車や機械化部隊の行動に適している。同方面に投入された韓国軍は、戦車旅団4個、機械化歩兵師団2個を主力とする機械化部隊なので、このような地形で行動するにはうってつけだ。彼らは追加攻撃によるコラムシフトを物ともせず、北朝鮮軍を撃破し、国境線に近づいてきた。
問題は、漢江北岸に広がる山岳地帯だ。同方面に投入された兵力は、米第101空中機動師団を筆頭に、英空挺大隊(1-1-4)、米第2機械化歩兵師団、第3機甲騎兵連隊(4-3-8)、米海兵隊等である。空中機動部隊や海兵隊のように難地形での活動を比較的得意とする部隊も含まれていたが、その大半は機械化された部隊である。山岳地帯での戦闘は本来あまり得意ではない。さらに追加攻撃による不利なコラムシフトも加わる。本来ならばこのような状況下での攻勢はナンセンスであるといえよう。
その状況を変えたのが連合軍の航空兵力であった。F-16、FA-18、A-10、トーネード、さらにはステルス機のF-22やF-35も加わり、連合軍の攻勢を支援した。AH-64アパッチ攻撃ヘリ(2-16)も戦闘支援に加わる。その結果、連合軍の低比率攻撃は、航空支援によって尽く成功に終わり、主要部で北朝鮮軍は撃破され、その防衛戦は突破されていた。今や連合軍は、DMZに接近しつつある。そして漢江北岸地区では包囲の輪に北朝鮮軍部隊が取り残されようとしていた。
退路を絶たれた彼らに壊滅の危機迫る。
DPRK Reaction Movement/Combat Segment
北朝鮮軍は主に包囲下にある部隊の解放を目指して2ヶ所で攻勢を実施した。特に中部国境地帯では、敵中に突出した連合軍の空中機動部隊が攻撃目標となった。しかし連合軍の航空兵力は相変わらず強力で、北朝鮮軍の攻撃は尽く失敗。自動車化歩兵師団1個を失う等の損害を被った。
Basic Movement and Combat Phase
ROK/US Movement/Combat Segment
連合軍は国境線に近づいていた。このまま一気にDMZを抜けて北に攻め込むか?。連合軍の兵力でそれは十分可能だが、しかしいきなり突出して中国人民解放軍の介入を招くのも宜しくない。このゲーム、連合軍がDMZを超えると、毎ターン30%の確率で中国人民解放軍の介入を招いてしまうのだ。前回の朝鮮戦争の悲劇を繰り返すつもりはない。
そこで今回の連合軍の機動は、どちらかといえば保守的な内容であった。まず西部戦線では、先ほど同様韓国軍の機械化部隊が国境の南側に残る北朝鮮軍の退路を遮断すべく機動する。また中部戦線でも同様に北朝鮮軍の退路遮断を狙うが、こちらは強引な前進は行わずに自軍の連絡路を確保することを優先する。空からは例によって圧倒的な航空線力がこれを援護する。米第2機械化歩兵師団は今後の攻勢作戦に備えるべく一旦前線から後退する。
攻撃の成果は圧倒的だった。北朝鮮軍第2軍団の3個歩兵師団は包囲攻撃を受けて壊滅。他にも自動車化歩兵師団1個、司令部1個と旅団規模の部隊2個が撃破された。韓国領内の北朝鮮軍はほぼ駆逐され、残ったのは数個の師団が退路を脅かされて韓国領内に残っているに過ぎない。連合軍は米海兵隊1個大隊(1-1-4)を失い、近接航空支援に当たっていたA-10C、F-4D各1ユニットがステップロスを強いられたが、戦果に比べれば些細な損害と言えた。
DPRK Movement/Combat Segment
北朝鮮軍に出来ることはあまりない。通常の対戦プレイなら、とっくに投了しているような状況である。悲惨な状況で黙ってサンドバックになってくれるのは、ソロプレイの特権である。
ともあれ、北朝鮮軍としては可能な限り多くの部隊を戦線後方に下げていくしかない。包囲されつつある北朝鮮軍部隊はそれでも少しずつ戦線から後退していった。
Victory Determination Phase
北朝鮮=199VP
連合軍=272VP
このTurn、連合軍は一気に49VPを獲得し、北朝鮮軍との差が73VPとなった。
サドンデスは近い。
Game Record Phase
3番目の米空母機動部隊が登場する。ベテラン空母「ニミッツ」を主力とする空母打撃部隊だ。
さらに洋上に出撃する米海兵隊2個連隊。狙いは北朝鮮領内侵攻か・・・。