無謀かもしれないが、GMT社の大型現代戦ゲーム"Next War Korea"の上級ルールシナリオに挑戦してみた。選んだシナリオは16.2.3 Tactical Surpriseである。以下はそのレポートである。
13Turn
Weather Phase
天候は曇り(Overcast)である。
Initiative Phase
連合軍の主導権Turnである。
1st Special Operations Forces Phase
連合軍は生き残った特殊部隊計7部隊を、標定任務に4部隊、交通阻止に3部隊を投入した。今回は任務成功率が高く、標定任務は4ヶ所成功、交通阻止も2ヶ所が成功した。そして特殊部隊は全部隊が無事帰還する。
2nd Special Operations Forces Phase
1st Strike Phase
巡航ミサイルが北朝鮮各地に降り注ぐ。ウォンサン(元山Wonsan N3704)の港湾施設が巡航ミサイルを食らって壊滅した。Namch'onjon北部に核施設(N2512)にも巡航ミサイルが命中し、これに損害を与えた。
続いて航空部隊が侵攻する。B-52 2ユニットからなる爆撃隊はワイルドウィーゼル機の援護を受けて北朝鮮の核施設を爆撃した。大重量の大型誘導爆弾が核施設に次々と直撃する。核施設は大爆発を起こして崩壊していく。爆撃によって吹き上げられた黒煙を背景に、B-52 2ユニットは悠然と帰路につく。
B-1とF-15Eの混成編隊はハムンテン(咸興 Hamhung 盤外)の化学兵器工場を狙う。こちらも命中弾を与えたが、あと一歩及ばず。第2波攻撃隊に託された。
航空自衛隊のF-2Aも初めて北朝鮮の空を飛んだ。米海軍空母「ロナルド・レーガン」を発進したF/A-18Eと共同で国境線を守る北朝鮮司令部を狙う。しかし爆撃は失敗。未帰還機が出なかったことは救いであったが、航空自衛隊初の対地爆撃任務は、残念ながら失敗に終わった。
Initiative Movement and Combat Phase
ROK/US Movement/Combat Segment
連合軍は国境線を突破して北朝鮮領内に進入した。あくまでも国境付近に残る北朝鮮軍の包囲殲滅が目的であり、国境突破は限定的な規模に留まる予定である。中部戦線で国境を越えたのは、韓国軍戦車旅団4個と米第101空中機動師団のヘリ部隊である。彼らは北側領内から南に向けて伸びる道路上に前進し、韓国領内に残る北朝鮮軍の退路を遮断した。またウィジョップ(議政府 Uijeongbu N3118)から北に伸びる道路上でも米第2機械化歩兵師団が国境線を突破。ヘリ機動によって敵背後に回り込んだ韓国軍海兵師団と共同で北朝鮮軍を撃破した。
ROK/US Exploitation Movement/Combat Segment
北朝鮮領内に進入した連合軍であったが、要塞地帯の突破に難渋していた。弱体化した北朝鮮軍。さらに空を覆う連合軍機。このように連合軍にとっては好条件下であったが、要塞地帯にこもる北朝鮮軍は頑強な抵抗を見せた。これまでは攻撃を受けると一方的に撃破される一方だった北朝鮮軍であったが、自国領内では今までにない戦いぶりを見せたのである。連合軍は国境線から僅かに北朝鮮領内に入った地点で立ち往生を余儀なくされた。
連合軍は戦局を一挙に決すべく、前回の半島戦争に習った作戦を実施した。北朝鮮領内への上陸作戦である。北挑戦西海岸の港湾都市ハンジュ(海州Haeju N1715)付近に上陸した米海兵隊1個連隊は、微弱な抵抗を排除して橋頭堡を設営。そのままハンジュに向けて突撃の態勢に入った。
DPRK Reaction Movement/Combat Segment
兵力不足に悩む北朝鮮軍は、連合軍の国境突破とハンジュへの上陸作戦という事態に対して、十分な兵力で対応することはできない。とにかく国境線では可能な限り多くの部隊を動員せしめて陣地帯の防衛につかしめる。またハンジュに上陸した海兵隊に対しては、北朝鮮国内で要地防御に当たっていた民兵部隊(RG 1-2-4)を動員して対応する。
2nd Strike Phase
B-2AとF-15Eの爆撃編隊が再びハムンテンの化学兵器工場を狙う。B-2Aの投下した大型誘導爆弾が化学兵器工場に命中する。化学兵器工場は轟音と共に倒壊した。
Basic Movement and Combat Phase
ROK/US Movement/Combat Segment
連合軍は戦果拡大を期して攻撃を続行する。新たに戦列に加わった米第1騎兵師団を含めて、米軍5個師団(海兵隊、空中機動各1個師団含む)、韓国軍10個師団以上(内機械化歩兵師団4個)、戦車旅団4個等が連合軍の主戦力だ。対する北朝鮮軍は、今や歩兵4個師団、機械化歩兵1個旅団、戦車4個旅団が国境付近に正規の戦闘部隊全て。残りは民兵(RG)、後備機械化部隊(PMTU)、司令部(HQ)等に過ぎない。約1月前に韓国軍が危機に陥った時も、現状の北朝鮮軍よりは遥かにマシだった。
それでも連合軍は容赦なく攻撃する。地上兵力の量的にはそれほど圧倒的ではない連合軍を支えたのは、例によって航空戦力であった。2-1程度の比較的低オッズ。しかも要塞効果等で不利なコラムシフトを適用された状況下であったが、航空支援でマイナス6とか7とかの修正がついてしまうと、オッズなど関係なし。ダイス目が-3以下なら、とにかく攻撃側の勝ちなのだから。こうして北朝鮮軍はまたもや大損害を被った。DMZを守る北朝鮮軍は完全に駆逐され、連合軍は国境線背後の北朝鮮の町、ピョンガン(平康Pyonggang N3413)やChojwon(N3013)を占領した。
DPRK Movement/Combat Segment
最早北朝鮮軍にできることは何もない。生き残った部隊を国境線沿いに後退せしめて、ハンジュ付近の橋頭堡に対しては民兵を派遣して米海兵隊の足止めを行う。唯一の希望は連合軍の国境突破に怒った中国人民解放軍が半島戦争に介入してくれることだが、果たして彼らは来てくれるのだろうか。
Reinforcement and Replacement Phase
米海兵隊がハンジュ(海州Haeju N1715)を占領した。連合軍が占領した最初の北朝鮮主要都市である。
中国人民解放軍の動きは・・・・、特になし。
Victory Determination Phase
このTurn、連合軍が獲得したVPは51点に達した。総計は北朝鮮軍が丁度200点に対し、連合軍323点。その差123点。これは自動的勝利レベルを超過したので、連合軍の勝利は確定した。
金正恩政権がその後どうなったか、については、また別のお話である。