セイバーメトリクス・リポート1
岡田友輔 デルタ出版
セイバーメトリクスとは、統計学的手法に基づいた野球についての客観的な研究である。セイバーメトリクスといえば、OPSとかRSAAとかDERとかいったような難解そうな指標を思い浮かべるが、本質はそこではない。セイバーメトリクスの本質とは、統計的な手法にある。チームに勝利を導くために必要とされる選手の資質は何か。主観や過去の名声によるバイアスを回避し、より客観的・統計的な手法で分析するのがセイバーメトリクスである。本書は2011年度のNPB(日本プロ野球)のデータに基づき、セイバーメトリクスの考え方で将来動向やチーム別の強み・弱点を明らかにしている。データがやや古いのが難点だが、世間的に評価の高い選手とセイバーメトリクスで評価されている選手の一致、不一致が面白い。また選手に対する評価以外にも、送りバントや盗塁有効性、野手・投手の最も高いパフォーマンスを発揮する年齢は何歳か、等といった分析が面白かった。
プロ野球に興味のある向きにはお奨めしたい。
お奨め度★★★★