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Compass Gameが2013年に発表したナポレオニックゲーム「Nation in Arms」。フランス革命後の1792年からワーテルローでナポレオンが敗れる1815年までの戦役を複数のシナリオで描く野心的な作品だ。

今回、1813年キャンペーンシナリオを9人という大所帯でプレイすることになった。フランス担当が3名、その他にブリテン、プロイセン、オーストリア、ロシア、トルコ、スペインが各1名だ。ゲーム開始時の状況としては、ブリテン、プロイセン、ロシア、スペインが対仏同盟を構成し、オーストリアがフランスと同盟関係にあった。トルコは中立で独自路線という状況である。

私はブリテンを担当する。

1813年春Turn

イメージ 5イメージ 6ブリテンはウェリントン公(Wellington 4-16-2)率いる英半島方面軍にてマドリッド(MADRID 1943)に侵攻。マドリッドを守るホセ王=ジョセフ・ボナパルト(Joseph B 2-16-0)率いるフランス軍と交戦する。兵力はほぼ互角の両軍であったが、ウェリントン公の優れた指揮能力、先遣部隊の優位、次席指揮官の優位等があってイギリス軍の圧勝。大敗によってナポレオンの怒りを買ったホセ王は解任されてしまう。ホセ王解任後のスペインには名将マッセナ元帥(Massena 4-16-2)が就任する。一方の勝利を収めたウェリントン公であったが、副将Cole将軍(2-x-1)が戦死。Stuart将軍(3-0-1)も負傷してしまう。

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イメージ 7その間ドイツ戦線ではナポレオン(Napoleon 5-18-3)が大軍を率いてブリュッヒャー将軍(Blucher 4-16-1)率いるプロイセン・ロシア連合軍を猛撃。プロイセン軍は壊滅的な打撃を受けて後退。首都ベルリンもフランス軍の支配する所となってしまう。

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このゲームでは、ウェリントン公の能力が比較的低めに抑えられている。軍司令官としての能力は、ナポレオンに劣り、フランス軍のマッセナ、ダヴー元帥と互角。他のゲームではウェリントン公の能力がナポレオンに匹敵する場合もあるので、評価の違いが面白い。

1813年夏Turn

イメージ 8ブリテンは外交攻勢を展開。エジプト政府に賄賂を贈り、エジプト政府をブリテンの同盟国にすることに成功した。これでブリテンは取りあえずスエズ運河支配の第1歩を記した。一方で悔しがるトルコ皇帝。
オーストリアも大陸同盟から脱して対仏同盟に参加した。これまで対仏同盟を構成していたブリテン、ロシア、プロイセン、スペインに加えて、オーストリアも加わり、いよいよ対仏大同盟の様相を呈してきた。

スペイン半島では、ブリテンの同盟国スペイン軍のCastanos将軍(3-0-1)がBurgos要塞(2040)を陥落させたので、補給線を前線に進展させることができた。そこでウェリントン公は軍を進め、Saragossa要塞(2242)にまで前進した。そのままSaragossa要塞を包囲して陥落せしめたウェリントン軍は、そのまま軍を東に海岸に進めた。地中海に面した風光明美な街バルセロナ(Barrcelona 2742)に攻め込んだ。

イメージ 9中欧戦線では、ナポレオンがプラハ北部の山中にロシア軍を追い詰めた。包囲下による攻撃でバルクライ将軍(B.de Tolly 3-16-1)は大損害を被った。ロシア兵の戦線でギリギリに踏み止まって全滅だけは防いだが、それでも6ステップの損害を被り、事実上全戦闘力を失って後退した。しかし勝利を得たフランス軍もオージュロ将軍(Augereau 3-0-1)が奮戦の後、敵弾を受けて戦死してしまう。

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1813年秋Turn

イメージ 10トルコがフランスと同盟して参戦する。ロシア南部又はエジプト進攻を視野に置いた大戦略だ。
ブリテン海軍は直ちにフッド提督(Hood 3-x-2)率いる艦隊を編成して東地中海に派遣した。
ブリテン海軍の動きを見たトルコはエジプト進攻を諦めロシア南部に進攻を開始。トルコ皇帝マホメット2世(Mahmut2 2-18-0)自らが率いる艦隊がロシア黒海艦隊交戦。トルコ艦隊の勝利に終わった海戦の後、トルコ軍はオチャコフ(Ochakov 2418)に上陸した。しかし上陸部隊はロシア要塞との戦いに敗れて全滅。艦隊もほうほうの体でコンスタンチノープルへ撤退していった。

スペインで作戦行動中のウェリントン軍は兵力の消耗を回復するためバルセロナに待機する。

イメージ 11中欧戦線ではベニングセン将軍(Benningsen 3-16-1)率いるロシア第2軍が、ウジェーヌ将軍(Eugene 3-16-1)率いるフランスドイツ方面軍の攻撃を受けて壊滅的打撃を被った。この戦いによってベルリン奪回の望みは絶たれた。プロイセンは屈辱的な講和条件を受け入れて和平を強いられ、対仏大同盟から脱落した。

対仏大同盟はここに崩壊した。

ここで時間切れで終了。ここまでのプレイ時間は、セットアップも含めて約9時間であった。

感想

イメージ 12基本システムはそれほど複雑ではない。しかし細かいルールがそれなりに多いので初心者がプレイするのはやや敷居が高い作品といえる。
キャンペーンシナリオを多人数でプレイする場合、問題になるのは待ち時間である。今回も忙しいフランス大陸軍とプロイセン、ロシア軍。参戦するまでは暇なオーストリア軍。敵がいないのでやる事がないトルコ。地味に戦うブリテンとスペインといった感じで、戦線や陣営ごとの濃淡がかなり違う。
また外交ルールも結構わかりにくい。PMP、UMP、コントロールアライ、プレイヤーアライといった用語をちゃんと理解しておかなければ、外交ルールを完全に把握できないだろう。また講和会談のルールなんかも読んでいる分には面白そうなのだが、実際に使いこなすのはかなり敷居が高そうだ。

イメージ 13一方、純粋なウォーゲームとして見た場合はさほどではない。チットによる活性化、1スタック毎の活性化、迎撃や籠城、野戦と攻城戦といったシステムなので、全般的にはシンプルといえる。また駒さばきの妙も楽しめる作品なので、多人数キャンペーンよりは少人数によるシナリオプレイの方が向いているのかもしれない。

次回はワーテルローシナリオかマレンゴシナリオを楽しんでみたいものである。

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