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電撃戦

レン・デイトン 喜多迅鷹訳 ハヤカワ文庫

1940年5月のフランス戦役を扱ったノンフィクションである。筆者は英国人なので、ドイツ側の事情だけではなく、連合軍側の事情にも精通しており、両者から見たフランス戦役が描かれている。
本書はフランス戦そのものの記述だけに留まらず、電撃戦を可能とした両軍の軍隊組織や兵器類、さらにはフランス戦の遠因となった第1次世界大戦後の国際情勢についても触れている。従って本書の書き出しは、第1次世界大戦におけるドイツの敗北からとなっている。
上記の通り記述範囲が広いので肝心のフランス戦自体はややサマライズ的な内容になっている感は否めない。しかし元々のボリュームが大きい本なので、フランス戦の概要のみならずある程度詳細についても知ることができる。
読み物としても面白いので、万人に推薦できる戦史といえよう。

お奨め度★★★★