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「桶狭間1560」はSix Angle社が1995年に発表したシミュレーションゲームである。テーマは勿論「桶狭間の戦い」で、史実では織田信長が今川義元を討ち取って天下布武への端緒を開いた。
私が手にしている版は2002年にサンセット社から再販された第2版で、勝利条件などが変更されているとのこと。
マップはA3サイズでフルマップの1/4サイズ。マップはエリアに区分されている。ユニット数は織田側が19個、今川側が24個で、今川が若干有利だが、その差は小さい。史実における今川側の兵力的優位は今川側ユニットの防御力の優位で表現されているが、その分攻撃力が織田側有利に設定されているので、優位は相殺されている。さらに移動力は織田側が有利に設定されているので、総じて戦闘力は織田側の方が高い。

基本システムは所謂チットシステムで、チットを引いた軍勢が移動又は戦闘を実施できる。移動は移動力を消費する基本的なスタイルで、敵ユニットが存在するエリアに侵入したらストップ。それ以上移動できないし、敵ユニットを撃破・撃退しない限り移動を継続できない。戦闘は同一エリアで解決され、攻撃力の合計と防御力の合計を比較し、さらに両軍ともダイスを振り合ってその値を合計値に加算、その差によって戦闘結果が決まる。従って元々の戦闘力差が大きいと、ダイスを振るまでもなく殆ど戦闘力差が決まる。

チットにはイベントも含まれる。イベントの内容は今川義元の休息、雷雨といったいかにも「オケハザマ」的な内容から、あとは織田方武将の暴走がある。いずれも内容はかなり強烈で、「織田方武将の暴走」が発生すると、暴走することになった武将が無謀な攻撃に出て勝手に全滅したりしてくれる。さらに雷雨や休息では織田信長の行動力が2倍になったり、今川義元が2Turn連続で「お休み」したりする。しかも雷雨も休息も複数回発生可能性が多分にあり、かなり激しい。

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取りあえずソロで試してみた。1回目は織田信長本隊が今川義元隊を長躯襲撃したものの、戦闘に突入してこれを撃破する前に今川隊が立ち直ってしまい、どうしようもなくなった織田信長隊が身動きを取れなくなって壊滅。
2回目は織田信長隊でいきなり今川義元隊を襲撃するのではなく、まずは鳴海城を奪回。その後黒末側を渡って東海道を東進し、今川義元を討つ手に出た。鳴海城の奪回は予定通り成功。その際に今川方の武将岡部元信を討ち、東海道を東進した。桶狭間当方で休養中(イベントによる)の今川義元隊に対して全力襲撃を仕掛けたものの、出目振わずこれを壊滅させるには至らず。しかし今川義元を撃退したので、その後西進して丸目砦を奪回しようとした所でゲーム終了となった。VP的には8対6で織田方の勝利。鳴海城の奪回と岡部元信のVPが大きかった。
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2回プレイしただけで結論を出すのは危険だが、不正確さをご承知頂いた上で私見を述べさせていただくと、織田方の方が有利ではないかと思う。織田方としては今川義元本隊にプレッシャーをかけつつ、鳴海城を奪回、大高城方面に圧力をかければ、自然と勝てるのではないか。奪回作戦の過程で今川方の武将を1名乃至2名を討ち取れれば多分VPで逃げ切れるだろう。それを阻止するためには今川義元本隊を大高城に入城させる必要があるが、今川義元の移動力は小さく、1度でも「休憩」が出てしまえば、もう大高城に入るのは不可能になる。休憩が2度出てしまえば、VPが得られる大高城から3エリア以内に侵入することもほぼ不可能。結局、鳴海城、大高城の攻防戦だけで織田方が勝つ可能性はかなり高い。

最後にプレイ時間だが、ソロの場合30~40分で1プレイを終わらせることができた。短時間でプレイできるという点では有難いゲームで、ルールも簡単なので、時間が余った時にプレイするには丁度良い。