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ソロモン夜襲戦 「ソロモン夜襲戦」とは、私が自作した水上戦闘ゲームです。テーマは太平洋戦争でタイトル通りソロモン海域における夜間戦闘がメインテーマです。1Turnが5分、1Hexが1.5kmに相当し、TurnスケールはHobby/Japanの「IJN/Fleet Battles」に概ね拮抗し、Hexスケールは1.5倍の大きさです。

本作の特徴は指揮統制ルールと砲雷撃戦システムにあります。指揮統制ルールとは、夜間戦闘における指揮統制の困難さを再現したルールで、両軍は一定量の指揮ポイントを有し、それを消費しながら変針したり武器を使ったりします。指揮ポイントの量は十分ではなく、プレイヤーは限られた指揮ポイントを上手く使い分けながら、艦隊運用を行う必要があります。

砲撃戦システムについては、大スケールながらも1発単位に拘った砲撃戦システムになっています。お蔭で砲撃戦はやや手間のかかる手順になりましたが(命中判定の後、命中弾1発毎にD10で損害をチェックする)、まとめてダイスを振ることが可能なので時間的にはそれほどかかりません。それよりも1発単位に拘ったため、砲口径や装甲厚の違いによる各艦の特徴を、比較的簡単なルールで上手く表現できているのではないかな、と、自画自賛しています(「大和」の装甲の厚さといったら・・・・)。

雷撃戦システムは、「魚雷を当てる技術」よりも「射点に占位する技術」を重視するシステムになっています。一見すると不合理(魚雷があたかも誘導魚雷のように自由に動ける)に見える雷撃戦システムですが、魚雷戦時における射点占位の重要性を再現するルールとご理解頂ければ、納得のいくシステムではないかと考えています。また魚雷は威力が大きく、1発当たれば戦局に与える影響大なので、魚雷を当てた時の快感、あるいは相手の魚雷戦能力を封じた時の快感は本作の魅力といって良いでしょう。

今回「ソロモン夜襲戦」をYSGAで対戦いただくことになりました。対戦相手はYSGAの中で海戦ゲームにとりわけ造詣の深いSさん。Sさんの厳しい視線に果たして耐えられるかと、緊張の面持ちで臨んだ当日でした。


はじめに

いきなり本番シナリオは難しいので、まずは練習シナリオである「大和vsアイオワ」をプレイしました。まずはこれで砲撃戦と艦隊運動の感覚を掴んでいただいた上で、早速本番シナリオに移りました。

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シナリオ3「見敵必戦」

状況

イメージ 71941年12月。英国海軍が誇る戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」と巡洋戦艦「レパルス」は、日本海軍陸上攻撃機の攻撃を受けてマレー半島沖に沈みました。しかしもし彼らが陸攻隊の攻撃を受けず、あるいは陸攻隊の攻撃を受ける前に日本水上部隊と交戦する状況になったとしたら・・・。
このシナリオは、マレー沖における日英艦隊の交戦を描いた仮想戦シナリオです。
このシナリオでは日英艦隊とも自軍兵力がランダムに登場します。日本側の基幹兵力は、重巡「鳥海」、軽巡「鬼怒」「川内」、駆逐艦8からなる南遣艦隊主隊、第3水雷戦隊の他、「熊野」以下重巡4隻からなる第7戦隊か、又は高速戦艦「金剛」「榛名」からなる第3戦隊が登場する可能性があります。
一方の英艦隊は、「プリンス・オブ・ウェールズ」「レパルス」、駆逐艦4隻の他、3隻目の戦艦として「ウォースパイト」か、「ドーセットシャー」以下重巡3隻か、あるいは軽巡2、大型駆逐艦4隻からなる駆逐戦隊のいずれかが登場します。
下名は連合軍を担当しました。

海戦

イメージ 8不確定兵力判定の結果、日本軍の主力は「熊野」以下重巡4隻からなる第7戦隊で、その他を含めて重巡5隻、軽巡2隻、駆逐艦8隻の計15隻。対する英艦隊は「プリンス・オブ・ウェールズ」「レパルス」の他に3隻目の戦艦として「ウォースパイト」が登場しました。合計すると戦艦3隻、駆逐艦4隻の計7隻。隻数では日本艦隊が2倍以上ですが、実質的戦力では・・・。
「えー、戦艦3隻も出てくるの?。このシナリオ、バランス悪いんじゃないの?」
対戦相手氏の悲鳴にも非難にも似た声を聞きながらデザイナーである私も不安を覚えます。ここでボロ勝ちしても「自作ゲームを広める」という当初の目的を達成できない。さてさてどうなることやら。

果たして海戦序盤から英戦艦の砲火が威力を発揮。軽巡「川内」が英戦艦の主砲砲撃を浴びて損傷した後、英駆逐艦の魚雷を浴びて撃沈されてしまいました。重巡「熊野」も「プリンス・オブ・ウェールズ」の主砲砲撃を受けて大破。さらに重巡「三隈」、軽巡「鬼怒」、駆逐艦「東雲」「狭霧」が撃破され、日本艦隊の損害が拡大していきます。

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イメージ 11「ちょっと戦艦が強すぎるんじゃないの?」
そんな対戦相手の声を聞きながら、どうしたものかと思案しましたが、とはいっても手を抜くわけにも行かずしばらく静観します。
日本艦隊の砲火は戦艦群には殆ど効果を与えていませんでしたが、前衛の英駆逐艦隊に対しては着実に戦果を上げていました。先頭の駆逐艦「エレクトラ」が砲撃を受けて一時的に戦闘不能となり、その後方を走る駆逐艦「ヴァンパイア」は魚雷の命中を受けて轟沈。「テネドス」は日本側重巡の砲撃を受けてやはり沈没します。最後に残った駆逐艦「エクスプレス」も砲撃により大破。こうして英戦艦を守る護衛スクリーンは無力化されました。

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イメージ 9それでもさすがに戦艦は強い。重巡2隻を撃破されて残り3隻となった日本側重巡戦隊は、同数の英戦艦相手に苦戦を強いられます。その状況を打破したのは英艦隊の後方から近付いてきた駆逐艦「綾波」以下4隻の駆逐艦からなる第13駆逐隊。彼らが万感の思いを込めて放った61cm90式大型魚雷18本のうち、2本が最後尾を走る戦艦「ウォースパイト」に命中しました。「ウォースパイト」は沈没こそ免れたものの、速度を大きく減ぜられ、主力艦隊から落伍し始めます。そこへ追いすがった第13駆逐隊が至近距離から残った18本の90式魚雷を発射。そのうち実に7本が「ウォースパイト」に命中し、「ウォースパイト」はマレー沖にその姿を没しました。

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「ウォースパイト」の被雷落伍を期に状況は逆転し始めました。まず重巡3隻と撃ち合いを演じていた巡洋戦艦「レパルス」が多数の8インチ砲弾を受けて中破。落伍し始めます。そこに姿を現した第12駆逐隊の駆逐艦3隻が「レパルス」を雷撃。90式魚雷3本が「レパルス」に命中しました。「レパルス」は沈没こそ免れたものの、大破して戦闘能力を失い、よろよろと戦場を離脱していきます。

イメージ 10残るはフィリップス中将座乗の旗艦「プリンス・オブ・ウェールズ」のみ。しかしここは不沈戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」。日本重巡何するものぞと日本艦隊相手に激しい砲撃戦を繰り広げます。1本の93式酸素魚雷が「ウェールズ」に命中しますが、「ウェールズ」の戦闘力は何らの支障はありません。
しかし2本目の酸素魚雷が命中した時点で誇り高き「プリンス・オブ・ウェールズ」も遂に力尽きました。沈没する気配はなかったものの、傾斜による戦闘能力を過半を失い、速力も大幅に低下。出来ることと言えば、日本艦隊との交戦を避けるべく暗闇に紛れて戦場を離脱するしかありません。こうして英東洋艦隊は壊滅。大東亜戦争初の海上戦闘は、日本海軍の勝利に終わりました。

両軍の損害

日本軍
沈没:軽巡「川内」
大破:重巡「熊野」、駆逐艦「東雲」
中破:重巡「三隈」、軽巡「鬼怒」、駆逐艦「狭霧」
小破:重巡「鈴谷」

連合軍
沈没:戦艦「ウォースパイト」、駆逐艦「ヴァンパイア」「テネドス」
大破:巡洋戦艦「レパルス」、駆逐艦「エクスプレス」
中破:戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」、駆逐艦「エレクトラ」

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感想

当初は「戦艦の砲撃力が強すぎるのではないか」と疑問を呈していた対戦相手氏でしたが、護衛艦隊が撃破されて裸になった後の英戦艦群が次々と魚雷の餌食になっていく様を見て納得して頂いたようです。戦艦ばかりを集めても使い辛いだけ(何といってもCPが足りない)で、むしろ護衛艦艇とバランス良く配分した方が総合的な戦闘力発揮という点で有利だったと思います。今回のシナリオでもし英艦隊の戦艦が2隻で、その代わりに護衛駆逐艦の隻数が4隻ではなく8隻であったとしたら、英艦隊が勝利を収めた可能性はかなり高かったと思います。
このことについては対戦相手氏も納得頂いたようで、図らずも本作における艦隊戦術や艦隊編成の重要性が証明できたと考えています。



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