Aegean Strikeは1986年に米国Victory Games社から出版されたシミュレーションゲームである。テーマは1990年頃を想定した米ソの対決で、舞台はバルカン半島である。
今回、Aegean Strikeをプレイするにあたり、プレイヤー3人でプレイすることにした。担当はワルシャワ条約機構軍(以下、WP軍)担当が2名、NATO軍担当が1名で、WP軍は1名が海空軍、1名が地上部隊を担当する。下名はNATO軍を担当した。
今回、Aegean Strikeをプレイするにあたり、プレイヤー3人でプレイすることにした。担当はワルシャワ条約機構軍(以下、WP軍)担当が2名、NATO軍担当が1名で、WP軍は1名が海空軍、1名が地上部隊を担当する。下名はNATO軍を担当した。
6Turn(M+25)

「いくらなんでも片道攻撃はひどんじゃないの」
と抗議するNATO軍プレイヤーであったが、WP軍はどこ吹く風。確かにルールのどこにも「片道攻撃禁止」とは書かれていない。
「だって、○産主義国ではそれぐらいアタリマエでしょ。某国のカミ○ゼ特攻隊のように「十死零生」ではなく、落下傘降下して捕虜になるだけだから、余程人道的では」と言ったかどうか・・・。
何はともあれ片道攻撃に投入されたブルガリア空軍機は、MiG-21が3個中隊、MiG-17が3個中隊の計6個中隊。100機近くに及んだ。しかし彼らはいずれもNATO軍機の迎撃機を受けて任務を完遂できず、そして燃料切れのために帰還できた機体は1機もなかった。戦果は空戦によってNATO軍戦闘機数機を撃墜したのみ。AWACS排除という本来の目的は達成できずに終わった。


この段階でWP軍による勝利の可能性がなくなった(第7Turn終了までにイスタンブールを占領すること)ので、ゲームはお開きとなった。

感想
最初にルールミスについて報告する。今回は2回目のプレイだったが、相変わらずルールミスがいくつかあった。(1) ソ連軍ユニットは開戦前に本国の外には出られない。唯一海外に出る方法は、輸送船に乗って国際水域に出ることである (2) 開戦前にランダムイベントとトルコ海峡の封鎖チェックを別々にチェックしたが、これは間違いであった。ランダムイベントとトルコ海峡のダイスは同じ目で判定し、"0"の目が出たらランダムイベント発生と戦争開始が同時になる(従って開戦前にランダムイベントが発生することはない)。

今回のAegean StrikeではCAPルールの改定、高速迎撃機ルールの採用によって米空母側にもある程度はソ連軍長距離爆撃機の対艦ミサイル攻撃に対応できる手段を持てるようになった。しかし実際にプレイしてみると2度のプレイでいずれも早い段階に米空母をミサイル攻撃で失っている。どうしたもんか。
米空母を守るための手段としては、まず発見されないこと。これが難しい。潜水艦、水上艦がいずれも米空母を求めて殺到してきた場合、その全てを阻止することは難しい。第一、WP軍の輸送船団等は戦闘能力なんて全く有していないに等しいのに、何故か耐久力だけが大きい。こんなのが米空母を求めて突っ込んで来たら、その全てを阻止するのは絶望的に思えてくる。たとえ機雷によってトルコ海峡を封鎖していたとしてもだ。
例えば輸送船や揚陸艦といった非戦闘艦艇は、敵海上ユニットに対する探知能力をなしにする、というハウスルールを入れるのも良いかもしれない。


米空母問題以外では、本ゲームは隊形ルールと探知ルールが面倒である。隊形ルールについては、隊形マーカーを使いまわしてスタックを管理するのが面倒である。特にイスタンブール西方は部隊密度が濃くスタックを崩すと大変なことになる。索敵ルールや航空作戦ルールについてもこれだけ面倒な(AWACS機からヘクス数を空襲毎に手間をかける必要があるのかどうか疑問だ。空襲が始まるととんでもなくプレイ時間が伸びる。
今回のプレイ時間は、セットアップも含めて15~16時間ぐらい。戦争が始まってからの所要時間は1Turn平均2時間程度であった。
テーマやシステムには興味深いものがあるAegean Strikeであるが、現在の視点から見ると手間がかかる部分が多く、プレイの負荷感が大きい。今回の我々よりももっとテクニカルにプレイすることも可能だが、そうするととんでもなく時間がかかる。後発のSouthern Front(GDW)("The Third World War"シリーズ)が航空戦ルールを簡略化し、海軍ルールを削除したのは、より賢明な選択だったと言えよう。
(おわり)







