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チーム開発実践入門

池田尚史、藤倉和明、井上史影著 技術評論社

2014年時点での最新の知見に基づいたITシステム開発に関する技術書である。本書ではチーム開発を進める上で不可欠な方法論として、バージョン管理、チケット管理、継続的インテグレーション、デプロイの自動化、りぐれっションテストを取りあげている。これらの方法論については、デプロイ自動化を除けば必ずしも目新しいものではない。ただ本書の特徴として、これらの方法論を実現する際のツールとして、現時点で比較的新しいと思われるものを取りあげている点である、Git、GitHub、Redmine、Jenkins、Kickstart、Selenium等のツールは、筆者にとっては、「聞いたことある」或いは「なんじゃそれ?」といったレベルのものまで様々。かつて主流であったCVSやTrac等は過去の遺物と化している。
本書の特徴は単に方法論を説明しているだけではなく、実際にツールを使って環境を構築し、本書で取り上げられているプラクティスを実現できるようにサポートしている点である。無論本書の内容を完全に理解するためにはOSS(オープンソースソフトウェア)に関するある程度の知識が必要で、かつ実際に自分でやってみる必要があるだろう。そういった意味で筆者のようにOSSに門外漢の者にとっては、設定等に関する部分は流し読みであった。
そういった意味で筆者が本書の価値を完全に理解できたとは言い難いが、それでも最新の方法論とそれを実現する技術的手段について理解を深めることができたことは有意義であった。

お奨め度★★★★