熊野古道とは、平安時代から江戸時代にかけて熊野三山を詣でた人々が辿った道である。紀伊路、中辺路、大辺路、小辺路、伊勢路、大峰奥駈道、大雲取越え・少雲取越えの7道があるが、紀伊路、伊勢路、大辺路は海岸道で現在は道路網が整備されているので歩く人は少ない。残り4路が現在でも歩かれている熊野古道で、中でも中辺路はコースが整備されていて歩きやすく、歩く人の多いメジャーなコースである。
今回私は、中辺路コースの一部を歩いて見た。
午前8時に宿の車と共に出発。途中本宮で自分の車を駐車場に停めて、そこからは宿の車で発心門王子まで送ってもらう。徒歩2時間と聞いていたのでどのくらい車で走るのかな、と、思っていたが、思ったよりも走ったように思う。車道を登っていく途中で雨が降ってきて、出発時の発心門王子に着いた時はかなり強い雨になっていた。
最初はアスファルトの道を傘をさしてあるく。普段の街歩きと変わらないが、周りの田園風景が心なごませてくれる。
途中の紫陽花を見ながら歩いていくと、最初の目標地点となる水呑王子が見えてくる。ここまでの所要時間は30分弱。意外と時間がかかったものだ。
水呑王子から先はアスファルト道を離れて山道になる。杉並木の中を伸びて行く山道。これぞ熊野古道といった感じの風景が続く。
山道とアスファルトをいくつか跨いで、30分ほど歩いた所に伏拝王子がある。ここの茶屋でコーヒーを飲んで一服した。ゴールまで後半分。
伏拝王子から先は山の中を一気に下って熊野本宮まで行く。途中いくつか面白い風景に出合ったが、特記する程の事ではない。
熊野本宮に着いたのは1030頃だった。所要時間は約2時間で、概ねコースタイム通りであった。雨の中のトレッキングであったが、コースの難度があまり高くなかったのが幸いだった。
今回、生まれて初めて熊野古道を歩いてみたが、思ったよりも面白かった。確かに古い道を歩くだけなのだが、途中の景観が変化に富んでいて面白い。また山歩きとも似ているが、山歩きよりは難度が低く、軽装で歩けるのも良い。途中の施設(トイレ等)も山歩きよりの充実しており、その点も安心してトレッキングできる。
今回歩いたのは熊野古道のほんの一部であり、機会を見つけて他のコースも歩いていきたいものである。