朝鮮戦争
児島襄 文春文庫
朝鮮戦争を扱ったノンフィクションで文庫本全三巻。朝鮮戦争を扱った著作の中では古典的な作品である。とはいえ、現時点でも国内で入手できる朝鮮戦争関係の書籍の中では総合的に見て最も優れた作品と言える。本書の特徴は、他の児島氏の作品と同じく「戦争を戦争として」描いている点である。時折エピソード的な話が挿入されることもあるが、基本的には戦場における両軍の動きが物語の中心になる。初版発行が1977年と古い作品であり、国連側、韓国側からの視点が中心で北鮮、中共側の視点に乏しい等の問題もあるが、現時点でも十分に通用する歴史作品である。
お奨め度★★★★