
本作は2001年に発売されたUkraine'43の第2版に相当するが、ルールが大幅に変更されており、実質的には別ゲームという内容に仕上がっている。
ユニットスケール、タイムスケール、マップスケールは旧版と同じだが、シークエンスが旧版から大幅に変更になっている。オリジナル版では、1Turnに2回移動戦闘を行うシステムで、リアクション移動ルールも用意されてたが、第2版では一般的な移動戦闘システム(いわゆる"i-Go,u-Go"システム)に変更になっている。また旧版で用意されていたドイツ軍の戦術優越ルールやソ連軍親衛部隊ルール、要塞攻撃用突撃旅団のルールは削除されており、戦術的な色合いはやや緩くなっている。ティーガールールは健在だが・・・。
戦闘システムも旧版では地形毎にDCB(防御戦闘ボーナス)値が用意されており、荒地や森林等の細かい差異が表現されていたが、新版では地形効果は都市による防御力2倍と要塞による1シフト、その他の地形による戦車効果無視に絞り込まれており、プレイアビリティに対する配慮がなされている。
その代わり新たに追加されたルールとして、後退を無視できる「断固たる防御」や戦闘後前進中に実施する「機動戦闘」のルール、戦闘比10-1で達成できる「自動的勝利」のルールが加わった。
全般的な印象としては、旧版に比べて新版はよりプレイし易くなっている。
今回、本作のキャンペーンシナリオに挑戦してみた。時間的に最終Turnまではとてもプレイできないが、取りあえず出来る所までやってみようと言う訳。下名はソ連軍を担当する。
1Turn(43/8/3-7)





続くドイツ軍TurnでSS装甲師団を含む装甲3個師団以上を投入してソ連軍第5打撃軍を攻撃。これを撃退して少し地歩を回復する。

2Turn(43/8/8-12)

愚痴っても仕方がないので攻撃を続行する。ハリコフ(Kharkov 4213)北方の戦線では、ソ連軍ボロネシ方面軍が突破口を拡大。その先鋒である第31戦車軍団(7-6-6)は、スムイ-ハリコフ間の鉄道線上に達しつつあった。最前線で防衛線の一角を担っていたドイツ軍第11装甲師団(9-8-7)は、後方を遮断されてソ連軍の重囲下に陥った。

南部戦線では、第5打撃軍を中核とする部隊が再びドネツ盆地に向けて進撃を開始。ドイツ軍装甲部隊を包囲しつつ、敵地に向けて進撃していく。このTurnにタガンログを奪回した。現時点でVPは2VPである。

3Turn(43/8/13-17)


南方では、イジュームを突破したソ連軍が徐々に戦線を拡大し、ドネツ盆地の背後を狙っている。東方からはソ連軍南方方面軍が突破を図るが、SS装甲師団を含むドイツ軍戦車部隊を相手に苦戦を強いられている。

4Turn(43/8/18-22)



正面からドンバスに迫るソ連軍南方方面軍も要塞線と高地帯を抜けてドネツ盆地に迫る。

5Turn(43/8/23-27)
ハリコフ包囲。2-1で攻撃するも、EXで失敗。そりゃそうだ。装甲師団2個に歩兵師団1個、さらにティーガー大隊が籠っているのだから。まあ時間をかければいずれは落ちるので、補給線を遮断しつつ消耗を待てばよい。


感想

ゲーム自体の感想だが、初版に比べるとルールに対する負荷は明らかに軽くなっている。旧作ではドイツ軍による機動反撃がゲームの華であり、上手く決まればソ連軍機械化集団を一挙に殲滅できる可能性もあった。そのためにドイツ軍はテクニカルな機動を目指すようになり、対するソ連軍もドイツ軍の反撃を警戒してじっくりと攻める傾向があった。
新版では、やはりドイツ軍による反撃は効果があるが、旧作のようにソ連軍機械化集団をまとめて「囲んでポン」できる可能性は減った。前作では1Turnに2回以上の移動、戦闘が可能だったが、今回では所謂「i-Go,u-Go」システムなので、一気に包囲するのが難しくなっている。そのためソ連軍もそれほどビクビクする必要はなくなった。
新版では、やはりドイツ軍による反撃は効果があるが、旧作のようにソ連軍機械化集団をまとめて「囲んでポン」できる可能性は減った。前作では1Turnに2回以上の移動、戦闘が可能だったが、今回では所謂「i-Go,u-Go」システムなので、一気に包囲するのが難しくなっている。そのためソ連軍もそれほどビクビクする必要はなくなった。

プレイ時間だが、今回は5Turn分プレイして所要時間は約6時間。しかし慣れれば1Turn1時間を切ると思う。2日間連続でプレイすれば、キャンペーンシナリオもプレイ可能だ。機会をみつけてキャンペーンシナリオもプレイしてみたい。
いずれにしても新作Ukraine'43は、期待に応える傑作ゲームと言ってよさそうだ。








