対戦記録は以下を参照のこと
図-1 両軍の保有ステップ数と戦力比
まず見て頂きたいのは、第6Turn頃まではむしろ彼我の戦力比は少しずつだが低下(ドイツ軍有利)している。これは両軍の補充力の違い(ソ連軍がドイツ軍の倍)を考慮すれば驚異的ともいえる。つまり単純計算で言えば、ドイツ軍はソ連軍に対して自軍の倍以上の損害を強いているということになるからだ。
実際には増援によるステップ強化の影響もあるので、必ずしもドイツ軍の戦果がソ連軍の2倍という訳ではない。しかしいずれにしても第6Turnまではソ連軍が攻めあぐねている様子が伺えよう。
実際には増援によるステップ強化の影響もあるので、必ずしもドイツ軍の戦果がソ連軍の2倍という訳ではない。しかしいずれにしても第6Turnまではソ連軍が攻めあぐねている様子が伺えよう。
戦力比が上昇傾向に転じているのは第10Turn以降である。また明らかに大きな変化が見られるのは第16Turn、そして第19Turnである。特に第19Turnが今回の「分水嶺」であったことは疑う余地がない。
次に両軍の損害を比較したのが図-2である。
図-2 両軍の損害
この図からも第19Turnの戦いがドイツ軍に壊滅的な打撃を与えている有様が伺えよう。
ちなみに今回全ゲームを通じて両軍の損害比(ステップ数換算)は、ソ:独=1.26:1であった。それが第1~4Turnまでの期間に限って言えば2:1、第1~14Turnだけの期間でも1.5:1であった。つまり第14Turnまではドイツ軍はソ連軍との戦力バランスを維持するギリギリの戦いを継続できていたことになる。
それが崩壊するのは第15Turn以降で、第15Turnからゲーム終了までの期間でいえば、先の比率は0.77:1で、ソ連軍の方が損害が小さくなっている。従って第15Turn以降の戦い、なかんずく第19~20Turnの戦いがドイツ軍の息の根を止めたことはこのグラフからも読み取れる。
ちなみに今回全ゲームを通じて両軍の損害比(ステップ数換算)は、ソ:独=1.26:1であった。それが第1~4Turnまでの期間に限って言えば2:1、第1~14Turnだけの期間でも1.5:1であった。つまり第14Turnまではドイツ軍はソ連軍との戦力バランスを維持するギリギリの戦いを継続できていたことになる。
それが崩壊するのは第15Turn以降で、第15Turnからゲーム終了までの期間でいえば、先の比率は0.77:1で、ソ連軍の方が損害が小さくなっている。従って第15Turn以降の戦い、なかんずく第19~20Turnの戦いがドイツ軍の息の根を止めたことはこのグラフからも読み取れる。
最後に図-3に原因別に見た両軍の損失ステップ数を示す。
図-3 原因別損失ステップ数
予想通りソ連軍の全損失の77%がその攻撃時に発生しており、一方ドイツ軍も全損失の72%が防御時に発生している。ドイツ側に「その他」の割合が無視できない程度に出ているが、これは都市に立て篭もった部隊の孤立損耗や交戦離脱時の損失である。つまり包囲に伴う損失といって良い。また防御時の損害に含まれる97ステップのうち、1/8にあたる12ステップが包囲されて退路を断たれたことによる損害である。これらを合計すると計24ステップ、約20%弱が包囲に伴う損失になる。また損失として現れてはこないが、クリミア半島から増援を得られなかったことに伴う損失が計7ステップある。
攻撃と防御のどちらが有利かということだが、ソ連軍の攻撃における彼我のキルレシオはドイツvsソ連で1.3:1、ドイツ軍の攻撃における彼我のキルレシオは1.5:1である。つまりドイツ軍にとっては防御よりも攻撃の方が効率の良い戦い方になる。CRTの特性を見ると防御側の方が有利のも思えるが、どうやらそうではないようだ。ドイツ軍は彼我の戦力比を自軍有利にするためにも、積極的な攻撃が必要、ということになる。無論、意味のない攻撃を多数実施しても自軍の損耗を早めるだけなので、そのような攻撃はしてはならないことは言うまでもない。