9月初旬のYSGA例会で主題のゲームをプレイしました。
以下は、その記録です。
以下は、その記録です。
ゲーム紹介
「もし1943年に米英連合軍が大陸反攻作戦を実施したら」という仮想設定に基づき、米英及び自由フランス軍を主力とする連合軍が、カレー又はディエップに上陸。パリを含む北フランス一帯の解放を目指して戦うゲームです。1Turnは実際の1日に相当し、上陸後80日間の戦いを描きます。マップはA2版1枚で1Hex=15km。カレーとディエップ付近の海岸部を含む北フランス一帯が地図に描かれています。1ユニットは1個師団。
本作のシステムはCMJ#5の付録ゲームである「Victory in Normandy」と同じシステムを採用しています。すなわち両軍共毎Turn一定の指揮ポイント(以下、CP)が与えられ、1スタックの移動で1CP、1スタックの攻撃で2CP、といった感じでCPを消費していきます。1Turnに使えるCPは原則として連合軍の場合は2~5CP、ドイツ軍は3~6CPとなっています。従って1Turnに実施できることは実の所大したことはできず、数個のスタックを動かして、可能であれば攻撃を1~2箇所程度、というのが関の山です。だから全80Turnの本作でも、数時間でプレイが可能です。
戦闘はファイアーパワーで、攻撃側の砲兵射撃の後、防御側の射撃、攻撃側の射撃の順で解決します。戦闘は1スタック同士の対決になるので、先に撃てる防御側が原則として有利。しかも攻撃側はCP消費が必要なのに対し、防御側はCP消費の必要はありません。ユニットは対装甲射撃力と対非装甲射撃力を持っていて、目標に応じて使い分けます。射撃は保有ステップ毎に10面体ダイスを振り、該当する射撃力以下の目が出れば命中で相手に1ステップの損害を与えます。その際防御側は地形による恩恵を受ける場合があります。さらに攻防両方とも後退によって損害を1ステップ減らすことが可能です(大抵は防御側しか使いません)。
その他、連合軍の艦砲射撃や絨毯爆撃、空挺作戦やドイツ側戦術空軍による反撃。英仏海峡の暴風雨。米軍の未経験部隊。英軍の人的資源枯渇。等のルールがあります。
序盤ドイツ軍はブルーポイント作戦を発動。これは空挺2個師団を上陸地点に強行着陸させ、連合軍の混乱を強いると言う作戦です。この作戦が上手くいくと、連合軍はゲーム開始時の1~5Turnの間、得られるCPが1点減少します。たった1点ですがこの1点が重要。というのも序盤の連合軍はデフォルトでCPが2点。それが-1点されると1点しか残りません。CP1点でできることは1ユニットを上陸させるか、1スタックを移動させるかのみ。攻撃はできません。
今回ブルーポイント作戦の出目は、ドイツ軍にとって最良の10(このゲームは10面体サイコロを使います)。これは最初の5Turnに渡って連合軍の得られるCPが-1点となります。いきなりの大打撃により意気消沈の連合軍。
今回ブルーポイント作戦の出目は、ドイツ軍にとって最良の10(このゲームは10面体サイコロを使います)。これは最初の5Turnに渡って連合軍の得られるCPが-1点となります。いきなりの大打撃により意気消沈の連合軍。
それでも連合軍は兵力を上陸させ、内陸部へ向けて進撃を準備します。対するドイツ軍。第5Turnに定番の「リガ・オデッサ戦略」を発動。これは東部戦線で大撤退することで、西部戦線に投入できる兵力をねん出する戦略です。これを発動するとドイツ軍にとって勝利条件が厳しくなりますが、ドイツ軍の使える兵力がほぼ倍増(またはそれ以上)になるので、使わない手はありません。
またイタリア戦線から司令部1個を転出して西部戦線に投入。これでドイツ軍の使えるCPはデフォルトの3点から4点に増えました。
またイタリア戦線から司令部1個を転出して西部戦線に投入。これでドイツ軍の使えるCPはデフォルトの3点から4点に増えました。
対する連合軍はブルーポイント作戦の影響がようやく第6Turnに解除となりCPが2CPに復活。これまでは移動しかできなかった所へようやく攻撃も可能になります。そのため主にアメリカ軍戦区にて突破口を広げるべく攻撃を実施。限定的な効果を上げますが、兵力が不十分なとことドイツ側の防備が固く、なかなか突破口を啓開できません。それでも第18Turnにはディエップ(Dieppe 1510)を占領した連合軍。ようやく突破への端緒が見えてきたか・・・。
第20Turn、リガ・オデッサ戦略の効果がようやく表れ始め、東部戦線から引き抜かれたドイツ軍の増援部隊が大量に戦場に到着し始めます。司令部1個が新たに戦場に到着した事によりドイツ軍のCPが5CPになり、連合軍の2.5倍となりました。さらに東部戦線からの増援部隊であるSS装甲師団を中核とする装甲軍団スタックがカレーの上陸地点付近に姿を表わします。連合軍は最後の力を振り絞ってブローニュ(Boulogne 2005)の要塞を攻撃。ここを落せば拠点占領数が2箇所となり、連合軍のCPが2CPから3CPに増えるのですが・・・。
弱体なドイツ軍守備隊(1-2-0x2ステップ)に対して1個軍団相当のイギリス軍による攻撃は、なんと失敗。守備隊はしぶとく生き残ったため、ブローニュを連合軍が占領することはできませんでした。そうこうしている間に東部戦線から転戦されてきた部隊がブローニュを守備を固めるに及び、連合軍は上陸の失敗を認めて海岸より後退。米英軍による2度めの大陸反攻作戦は、前回ディエップ上陸作戦同様失敗に終わったのです。
感想
僭越ながらドイツ軍の立場から言えば、連合軍は攻撃よりも移動を主体にすべきであったと思います。兵力でドイツ軍を圧倒しなければ前に進めないのだから移動でどんどん部隊を上陸させて兵力を蓄え、移動によって浸透を仕掛けてドイツ軍の補給切れを誘う。そうすればドイツ軍としては反撃によって失地を取り返すか、後退して再配備するかの選択に迫られます。前者であれば、ドイツ軍がCPを消費しての攻撃になるので、連合軍側はCP消費なしでドイツ軍の消耗を強いることができる。後者ならこれまた労せず前進できる。ドイツ軍としては、このような場合、ZOC防御ではなく線防御に依存することになるのでしょうか。それから上陸地点についてもカレーよりもディエップの方が良いと思います。上陸でディエップを占領できるので、あと1個所、恐らくフェカン(Fecamp 1211)かルーアン(Rouen 1414)を占領すればCPが3点になります。このゲーム、兎に角CPを増やさないと話にならないので、CPを増やしやすいというのは重要なアドバンテージになります。
いずれにしてもこのゲーム、対戦相手氏もやや不完全燃焼だったようなので、機会を改めて再戦したいと思います。