A Century of British Naval Aviation 1909-2009
David Wragg Pen & Sword Martime
タイトル通り英海軍航空隊の1909から2009年までの100年間を描いたノンフィクションである。我々にとってはあまり馴染みのないWW1時期から、我々も良く知っているWW2期、それから朝鮮戦争、スエズ動乱を経て、フォークランド紛争、湾岸戦争、イラク戦争までの英海軍航空隊を戦いを描いている。扱っている範囲が広いため、個々の記述は概論的な内容にとどまっているが、これだけの内容を通読できるのは嬉しい。またWW2でも、例えば護衛空母とUボートの戦い等は興味深い。難を挙げるとすれば、数字的な面にあまり詳しくないことか。本文中には所々で数字は出てくるが、全般に断片的である。洋書によくある巻末のAppendixにしても、本書の場合は数字面での補足は弱い。
最後に筆者は未来の空母について提言をしているが、大型空母ではなく筆者の出張する新しいスタイルの空母は面白い。
読み物としてはそこそこ面白いので、英海軍や海軍航空戦力に興味のある向きには、読んでみて損のない著作である。
お奨め度★★★★