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これまで何度か報告している新版Ukraine'43。今回は3人戦でドイツ軍を担当することになった。シナリオは当然キャンペーンである。

1Turn(43/08/03-07)

イメージ 22まず南方では、ミウス川沿いの防衛ラインをソ連軍が3ヶ所に渡って攻撃する。いずれも3-1以下の低中比率攻撃であったが、それがいずれも成功し、ドイツ軍防衛ラインに3個所に渡って突破口を穿った。さらにスラヴャンスク(Slavyamsk 5021)西方を守るドイツ軍第3装甲師団(9-[8]-7)を攻撃。1-2の低比率攻撃であったが、ドイツ軍を撃破することに成功。第3装甲師団は後退し、スラヴャンスクはソ連軍の支配する所となった。

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イメージ 17北方では、定番通り重砲支援と大量の機械化部隊を投入したソ連軍による突破攻撃が始まる。ドイツ軍は各地で敗退。要域スムイ(Sumy 3407)はソ連軍の攻撃を受けて陥落。ベルゴルド(Belgorod 4409)を守るドイツ軍第167歩兵師団(5-7-4)とその西方の森林地帯を守る第255歩兵師団(5-7-4)が退路を断たれて前線に取り残される。ソ連軍はさらにその後方を守るドイツ軍第7装甲師団(9-[8]-7)を攻撃してきたが、これはドイツ軍による断固たる防御が成功してソ連軍の突破を阻んでいた。

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イメージ 24対するドイツ軍。スラヴャンスク西方ではSS装甲擲弾兵師団2個(第5SS「ヴィーキング」(12-[10]-7)、第2SS「ダス・ライヒ」(8-[7]-7)その他の兵力を投入して反撃を実施した。反撃は成功してソ連軍は後退。スラヴャンスクを守るソ連軍は退路を断たれた。

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北方では、ティーガー重戦車装備の第503重戦車大隊([3]-2-5)が出撃し、敵中に孤立した第255歩兵師団を救出、収容する。

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2Turn(43/08/08-12)

ドンバス正面では、戦線を突破したソ連軍が、ドネツク・アムウローシイウカ(Donetska-Amvrosiyevka 5528)付近のドイツ軍を2個所に渡って攻撃した。しかしこれらの攻撃は悉く失敗、ドイツ軍は戦線をがっちり保持している。

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ヴォロネシ方面軍正面では、戦線左翼を守るドイツ軍第68歩兵師団(5-7-4)がソ連軍の包囲攻撃を受けて殲滅される。その一方でドイツ軍は装甲兵力を結集して戦線先端部で突破を図るソ連軍第1戦車軍を攻撃した。攻撃自体は成功したものの、ソ連軍が断固たる防御に成功し、ドイツ軍の反撃は封じられた。

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3Turn(43/08/13-17)

南方ではソ連軍の先鋒がドンバスの中核部に達しようとしていた。ドンバス東部の工業都市マキイフカ(Makeyevka 5326)に対してソ連軍は先制の3-1攻撃を仕掛ける。ドイツ軍は死守に成功し、マキイフカは陥落を免れた。

北方では、要域ベルゴルドが陥落する。この時点でソ連軍のVPは4点である。
それに対してドイツ軍装甲部隊はソ連第1戦車軍を再び包囲攻撃する。今度は攻撃に成功してソ連軍第1戦車軍は後退。ドイツ軍装甲部隊も危機を脱して後方に戦線を再構成した。

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イメージ 18さらにその西方、コノトプ(Konotop 2609)付近では、進撃を続けるソ連軍の前に強力なドイツ軍部隊が現れた。グロスドイッチュランド装甲擲弾兵師団([15]-[12]-7)である。重戦車効果とTQシフトを併せ持ち、しかも並の装甲師団の2倍近い攻防力を誇るこのGD師団は、ソ連軍に対して反撃の口火を切ったのだ。GD師団の恐るべき破壊力の前にソ連軍はたまらず潰走する。

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4Turn(43/08/18-22)

ソ連軍先鋒がハリコフ(Kharkov 4213)に取り付く。ドイツ軍は態勢を整えるべく、ハリコフ西方に戦線を引くが、ソ連軍はそれを撃破し。ハリコフ西方からの接近路を封鎖した。

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イメージ 23南方では、ソ連軍がスターリノ(Stalino 5227)南方のドイツ軍戦線に1-2~1-1の低比率攻撃を仕掛ける。成功率は低い上、マンシュタイン将軍によるダイス振り直しの効果もあるので、よもや突破されるとは予想していなかったドイツ軍だが、確率を無視したソ連軍の攻撃ダイスによってドイツ軍戦線は敢無く崩壊。要域スターリノが無抵抗で陥落してしまった上、ドンバス戦線全体に崩壊の危機が迫る。

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5Turn(43/08/23-27)

イメージ 19ハリコフ西方でドイツ軍の猛反撃が始まった。ティーガー重戦車大隊を含む3個師団以上のドイツ軍がハリコフ西方を守るソ連軍2個戦車軍に対して機動反撃を仕掛ける。ソ連側の攻撃の中核であった第1戦車軍、第5親衛戦車軍はいずれもドイツ軍の攻撃により撃破され、ハリコフへの接近路が再び解放された。この反撃成功によって、ハリコフの陥落が1~2Turnは確実に遅れることになる。

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6Turn(43/08/28-31)

引続いてドイツ軍の反撃はドンバス方面でも開始された。GD師団を中核とする装甲4個師団、その他を主力とするドイツ軍がスターリノ~マリウポリ(Mariupol 5133)間を突破してきたソ連軍に対して強烈な反撃を指向したのである。攻勢の主力である第3打撃軍は撃破されて後退。その両翼を守る歩兵2個軍団が猛攻を受けて壊滅した。

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イメージ 20ソ連軍はポルタワ(Poltava 3316)のドイツ軍戦線ががら空きなのに目をつけて一気にドニエプル川に突進してきた。先頭を進む戦車旅団が、クレメンチューク(Kremenchug 2820)、チェルカッシー(Cherkassy 2118)、ブロバルィー(Brovary 1410)等を占領していく。この段階でソ連軍のVPは一時的にせよ12点に達した。
しかしドイツ軍もすぐに反撃に転じる。クレメンチュークに対しては、装甲師団1個が突撃砲の支援を受けてソ連戦車旅団(2-2-6)を攻撃。これを撃破してクレメンチュークを奪回した。またブロバルィーに対しては、増援で到着したドイツ軍第8騎兵師団(5-6-6)が奪回作戦を実施。ソ連軍戦車旅団を撃破してブロベルィーを奪回した。

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7Turn(43/09/01-05)

ハリコフ方面では、態勢を立て直したソ連軍が、戦車2個軍を中心としてハリコフに対して包囲攻撃を仕掛けてきた。激しい攻撃であったが、ハリコフ守備隊はその猛攻に耐えてハリコフを死守し続ける。

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ドンバス方面では、GD師団を中心とするドイツ軍が反撃を継続しているが、今回はドイツ軍の攻撃は今ひとつ冴えがない。戦線は大きく動かず、両軍は対峙し続ける。特にドンバス東端のマキイフカとゴロフスカ(Gorlovka 5324)に対しては、ソ連軍が再三に渡る攻撃を繰り返しているも、このドイツ軍はこの両都市をがっちりと守っている。

ドニエプル川河畔では、ドイツ軍はチェルカッシーを奪回した。カニェフ(Kanev 1715)付近の橋頭保にもドイツ軍守備隊が配置され、ドニエプル川の戦線は一応の安定を見た。

8Turn(43/09/06-10)

イメージ 21このTurn、ハリコフが遂に陥落した。先のTurn、ソ連軍の攻撃を受けて弱体化した所へ、戦車2個軍の集中投入と砲兵火力の集中投入、さらには航空支援とジューコフ将軍の指揮を以て戦闘比は6-1に達した。さすがにこの高比率では守り切れるはずもなく、ハリコフはソ連軍の手に落ちた。

南方ではドイツ軍GD師団その他がスターリノに対する機動強襲を実施し、これを奪い返さんとした。戦闘比2-1の攻撃そのものは成功したが、スターリノを守るソ連第4親衛機械化歩兵軍団(8-9-6)の抵抗は激しく、ドイツ軍はスターリノの市外で足止めを食うことになった。

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結論

ゲームは続く第9Turnまで続いたが、ソ連軍はマキイフカを遂に占領した。ソ連軍が獲得したVPは計13点である。第9TurnにおけるVPのベースラインが11点なので、2点分負けているが、サドンデス食らわない分だけマシであろう。ソ連軍は未だに戦線を維持しているが、これからが正念場。ドニエプル川に向けた長い撤退戦が始まる。

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感想

ドイツ軍による序盤の反撃は考えモノである。第2Turnでの反撃は得るものより失うものが多かった。それよりもある程度兵力が整ってから、十分な兵力で反撃すべきであった。
第5Turnでのハリコフ西方での反撃、第6Turnでのドンバス南方での反撃は有効であった。これらはいずれも十分な兵力によるを背景にした反撃であり、ソ連軍のキラースタックを無力化できた点が大きかった。
守り方については、スターリノの早期陥落が痛かった。出目に恵まれなかった点があったとはいえ、常に最悪の事態を想定していなかったこちらのミスである。これがなければドンバス方面ももう少し粘れたと思う。

新版Ukraine'43のドイツ軍は難しい。難しいが面白い。やり甲斐がある。機会を見つけて再チャレンジしたい。


Game Journal 93-パンツァーカイル
パンツァー・オペラツィオーネン――第三装甲集団司令官「バルバロッサ」作戦回顧録 独ソ戦大全 失われた勝利(上) 失われた勝利(下)