
翔企画「北海道侵攻」上級シナリオについて、ソロプレイ形式で紹介する。
前回までの展開は以下を参照されたい。
6Turn(8月6日)
先のTurnに戦車連隊を失ったソ連軍342MRD、79MRDに代わって、新たに最前線に登場してきたのは、第17親衛自動車化歩兵師団(17GMRD)、第194自動車化師団(17MRD)の2個師団である。特に17GMRDは「親衛」の名前が示す通り、優良装備を持つ優秀部隊であった。上記2個師団が陸自第11師団、第2機械化師団を、それぞれ3-1の戦闘比で攻撃する。しかし陸自側に損害を与えたもののソ連軍又損害を被り、戦線突破はならなかった。
陸自は予備に控置してあった第7機甲師団を前線に投入する。岩見沢は一旦放棄。4個師団の陸自部隊は、石狩川河口付近から江別市、追分、夕張、新夕張駅付近で防衛ラインを敷く。

7Turn(8月7日)
天候は荒天となった。航空支援のないなか、ソ連17GMRDは再び陸自第11師団を攻撃する。しかし攻撃は失敗。損害を恐れたソ連軍はその場に踏みとどまることなく後退した。ソ連軍が攻撃時に損害を恐れて後退したのは、今回の戦争で初めてのことであった。8Turn(8月8日)
このTurnに勝利条件判定がある。札幌、苫小牧、千歳の3都市にソ連軍が隣接していれば、ソ連軍の勝利又は引き分けになる。それ以外の場合は連合軍の勝利だ。現時点では上記3都市にソ連軍が隣接するのは不可能だ。従って連合軍の勝利になる。本来ならここでゲームオーバーになるのだが、今回はもう少し先を見たかったので、ゲームを続けることにした。なおこのTurn、自衛隊が初めて反撃に転じている。第7機甲師団を含む部隊による攻撃で、ソ連軍空挺部隊1個が壊滅した。
9-10Turn(8月9-10日)
第9Turnに自衛隊が岩見沢を奪回。第10Turnには米軍の増援部隊である2個軽師団(第7軽師団、第25軽師団)は日高山脈南端の襟裳岬付近を抜けて南から十勝平野を伺う。道央正面では陸自第7機甲師団が富士戦車教導団、第2機械化師団等と共に砂川付近のソ連軍部隊を攻撃。これを撃破していた。

11-12Turn(8月11-12日)
米第3海兵師団が十勝港付近に上陸する。先に襟裳岬から迂回してきた米軽師団と共同で十勝平野南翼を守るソ連194MRD、342MRDを攻撃、撃退する。道央戦線では陸自第2機械化師団師団が占冠付近でソ連軍を撃破。そのまま北上して富良野市を占領した。
第12Turn終了時に勝利判定があり、富良野、留萌、釧路、深川の支配が条件となる。全てをソ連軍が支配していればソ連軍の勝利。逆にソ連軍の支配するのが1つ以下なら連合軍の勝利となる。現時点では富良野を連合軍が支配しているのみなので、結果は引き分けとなり、ゲームはさらに続く。

13-15Turn(8月13-15日)
その後連合軍は道東地区を米軍部隊が、道央地区を自衛隊が進撃する。圧倒的な制空権を握った連合軍は、対地攻撃力に優れた米空母艦載機やA-10部隊、FA-18部隊等を投入してソ連軍を爆撃で痛めつける。地上では敵中を突破した第7機甲師団が旭川市を電撃占領。道東では米海兵隊が、航空支援の元、北見から紋別へ電撃進攻していった。ゲーム終了時には、行き残ったソ連軍部隊は当初の半数以下のとなり、それらの大半が旭川周辺と網走周辺に包囲されて補給切れの状態になっていた。
ちなみにゲーム終了時の勝利条件は、言うまでもなく連合軍の勝利である。

感想
この種のゲームでゲームバランス云々を評価するのはあまり意味がないかもしれない。個人的には基本シナリオ同様、この上級シナリオでも連合軍有利は動かないだろうと思う。連合軍は自軍の損害をある程度見越しながら、土地と時間を秤にかけて勝利条件を守るように後退戦略を立てれば良い。石狩平野直前で下がれなくなるが、ここからは予備の第7機甲師団や米軍部隊を投入して最終防衛ラインを死守できよう。唯一のチャンスは空爆が大当たりして自衛隊が大損害を出すことだが、そのためにはソ連軍は是が非でも序盤に制空権を確保しなければならない。裏返せば、連合軍が序盤に制空権を確保すれば、ソ連軍の勝利は難しくなる。ゲームシステム的にはやや古臭い。登場した時代を考えれば仕方がないが、補給線は敵ZOCでも味方ユニットがいれば通しても良いのではないか。そのくせ細かいルールが結構多く、最初のプレイではルールを間違える可能性が高い。かくいう私も最初の3回ぐらいはルールを間違えていたので、やり直す羽目になってしまった。
このようにゲーム性や歴史性の両方で疑問の残る本作。今後国際通信社から再発売される可能性も殆どないだろう。仕方がないと言えばそれまでだが、しかし現代戦という未知の分野に果敢に挑戦した作品であることは間違いない。また決してダメダメ作品ではなく、上手くデヴェロップすれば大化けする可能性のある作品ともいえる。なんといっても数少ない日本製現代戦ゲームの1つで、かつそれなりにゲームとして「成立している」作品というのは貴重である。オリジナルのままでは無理としても、何らかの形で再度世に現れてほしい作品だ。