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各国陸軍の教範を読む

田村尚也 イカロス出版

雑誌「歴史群像」で連載されていた同名記事の単行本化である。タイトル通り各国陸軍の教範を読んで、そこから読み取られる各国陸軍の運用構想と実戦におけるその影響について記している。本書で取り上げられているのは、ドイツ、ソ連、フランス、日本の各国教範の1930年代における陸軍の教範である。本書を読むと、フランス戦役でなぜフランス軍はドイツ軍相手にあれほど完璧な形で敗北を喫したのか。あるいはソ連軍は如何にしてドイツ軍に勝利したのか。あるいは日本軍の教範に内在する諸問題などについて、1つの解答を得ることができよう。残念なのは米英に関する考察がないことであり、特に米軍についてはWW2での主役の1つと言って良いだけに残念だ。全てを本書に求めるのは酷ともいえるが・・・。WW2の戦史に興味の向きにはお奨めしたい作品である。

お奨め度★★★★