「空母戦記2」(文庫版)は1993年に発表された電脳シミュレーションゲーム「空母戦記」の発展版です。テーマがWW2における空母戦で、プレイヤーは日米英独仏伊の空母部隊を率いてコンピュータが操る敵空母部隊と戦います。
今回、「空母戦記2」を試みにプレイしてみました。今回プレイしたシナリオは「南太平洋海戦」。参加兵力は日本側が空母4隻その他、米側が空母2隻その他です。
下名は米軍を担当し、コンピュータ君が日本軍を担当しました。
今回、「空母戦記2」を試みにプレイしてみました。今回プレイしたシナリオは「南太平洋海戦」。参加兵力は日本側が空母4隻その他、米側が空母2隻その他です。
下名は米軍を担当し、コンピュータ君が日本軍を担当しました。
同1600
またもや潜水艦「ガション」が雷撃を実施。戦艦「霧島」に魚雷1本を命中せしめた。と、空母「エンタープライズ」、戦艦「サウスダコタ」を含む第16機動部隊(TF16)から突然の緊急電が入った。TF16が洋上で高速戦艦2隻を含む敵水上部隊と遭遇。交戦状態に入ったという。やばい。戦力は明らかに敵の方が優勢だ。敵は高速戦艦2隻、重巡4隻、軽巡1、駆逐艦9隻の計16隻に対し、TF16は空母1隻、戦艦1隻、重巡1隻、軽巡1隻、駆逐艦8隻に過ぎない。
交戦の結果、TF16は大損害を被った。
重巡「ポートランド」と駆逐艦3隻が沈没。防空軽巡「サンジュアン」が大破、戦艦「サウスダコタ」中破を初め、残りの全ての艦艇が損害を被った。日本軍に与えた損害は不明だが、撃沈は駆逐艦2隻のみ。明らかにこちらの負けである。
同1700
なおも日本水上部隊と米艦隊の交戦が続いている。戦艦「ワシントン」を基幹とする第64機動部隊(TF64)が交戦に割り込んだが、日本艦隊も高速戦艦2隻を含む新たな敵艦隊が戦闘に参入してきた。交戦の結果、戦艦「ワシントン」が轟沈、空母「エンタープライズ」も撃沈された。戦艦「サウスダコタ」は大破しながらも辛くも戦場を離脱。空母「ホーネット」は先の航空攻撃で既に大破している。他に巡洋艦2~3隻、駆逐艦4~5隻が失われた。他の艦も全て大中破している。日本艦隊に与えた被害は、戦艦「霧島」撃沈、同「金剛」中破、重巡1、軽巡1、駆逐艦3を撃沈。その他若干を撃破した。
その後
夜の帳が戦場を覆った。大損害を被った米艦隊は戦場を離脱し、南太平洋海戦は終わった。米艦隊の損害は、史実における南太平洋海戦と第3次ソロモン海戦を足したぐらいで、正に壊滅状態。史上最悪の海軍記念日となった。ちなみにゲーム上の勝利条件では「引き分け」。序盤の航空攻撃でポイントを稼いだので、なんとか負けは回避した感じだが、気分的には完全に「負け」である。
感想
意外と面白い。不自然に感じる部分もあるが(詳細は後述)、ゲームとしてみれば目を瞑っても良い部分でもある。現在の視点から見れば操作性にやや難があり、ゲームをしているというよりは、作業をしていると感じる部分もなきにしもあらず。まあ90年代のゲームとしては及第点であろう。当時このゲームをプレイしていれば、ひょっとしたらハマっていたかもしれない。気になる点をいくつかあげてみる。
まずゲームとした場合、Undoができないのが辛い。フェイズ制を採用しているので、例えば上空直衛機発進フェイズにCAPを出し忘れてフェイズ終了を選択すると、もう戻れない。
またログ機能がないのも辛い。操作が戻せないのもあるが、今回のようにAARを作る場合、記録を取っておかないといけない。折角の電脳ゲームなのに、もう少し何とかならないものかな・・・。まあ古いゲームだから仕方がないが・・・。
まずゲームとした場合、Undoができないのが辛い。フェイズ制を採用しているので、例えば上空直衛機発進フェイズにCAPを出し忘れてフェイズ終了を選択すると、もう戻れない。
またログ機能がないのも辛い。操作が戻せないのもあるが、今回のようにAARを作る場合、記録を取っておかないといけない。折角の電脳ゲームなのに、もう少し何とかならないものかな・・・。まあ古いゲームだから仕方がないが・・・。
シミュレーションとしてみた場合、まず爆弾や魚雷の威力が小さすぎるような気がする。魚雷2本食らった「ホーネット」が小破で済んだり、1000ポンド爆弾7発を食らった駆逐艦「磯風」が沈まなかったり・・・。まあその分、爆弾や魚雷の命中率が高めに設定されているようだが・・・。
夜間に航空機を発進させられないというのも違和感がある。例えば未明のうちに索敵機を発進させ、黎明時に索敵隊の第1陣が索敵線の先端まで出ている、という芸当ができないのも変。
索敵と言えば、1隻の空母から出す索敵隊は1つの索敵方位(開度22.5度)しか索敵隊を出せないのはおかしい。実際には複数の艦艇から別々の方向に索敵隊を発進させることで扇型の索敵は可能だが、米軍の水上艦から水上索敵機を飛ばすのも違和感を感じる。米軍は日本軍ほど水上機による索敵を積極的に行っていないのだから。さらに言えば、戦艦や巡洋艦が水上機をこうもポンポン索敵に出せるのも変。水上偵察機の収容は母艦機ほど簡単ではないのだから・・・。
索敵と言えば、1隻の空母から出す索敵隊は1つの索敵方位(開度22.5度)しか索敵隊を出せないのはおかしい。実際には複数の艦艇から別々の方向に索敵隊を発進させることで扇型の索敵は可能だが、米軍の水上艦から水上索敵機を飛ばすのも違和感を感じる。米軍は日本軍ほど水上機による索敵を積極的に行っていないのだから。さらに言えば、戦艦や巡洋艦が水上機をこうもポンポン索敵に出せるのも変。水上偵察機の収容は母艦機ほど簡単ではないのだから・・・。
1Turn1時間の本ゲームで、航空機が必ず2Turnで帰投するのも変である。航続時間を考えれば、3~4時間ぐらいなら当時の艦載機でも平気で飛行できたのだから。同じく200~300浬彼方の敵艦隊への攻撃が一瞬のうちに実現できてしまうのも変。プレイアビリティの為かもしれないが、それなら1Turnを2~4時間程度にしても良かったように思う。
それからこれはバグだと思うのだが、集合攻撃を実施した攻撃隊が、オリジナルの母艦へ帰投できなくなって不時着した。何だかなぁ・・。南太平洋海戦でTBD艦攻が登場するのも、何だかななぁ・・・・。
とまあ、色々書いてみたが、プレイしていてそこそこ楽しいゲームであることは確かだった。