イメージ 21

Paths of Glory
Paths of Glory(以下、パスグロ)は第1次世界大戦を戦略レベルで扱ったシミュレーションゲームだ。
今回、このパスグロをプレイしてみた。下名は中欧陣営(ドイツを中心とする同盟諸国)を担当する。

前回まで-->こちら

10Turn(1916年夏)

中欧軍もようやく「総力戦」の段階へ移行した。

イメージ 11連合軍がなおもヴェニスに向けた第2次総攻撃を仕掛ける。しかし今回も攻撃は失敗に終わる。その隙を突いてドイツ軍はヴェニスで塹壕を構築し、連合軍のさらなる反攻に備える。
東部戦線ではロシア軍が反撃に転じ、東プロイセンのケーニクスベルグ(Konigsberg)を一時包囲していた。しかしドイツ軍が即座に反応したためロシア軍はケーニクスベルグ奪取を諦めて後退していった。

イメージ 10


11Turn(1916年秋)

イメージ 12イタリア戦線で中欧軍が再攻勢に出る。ドイツ・オーストリア連合軍(SUD軍)がイタリア半島を南下し、ボローニャ(Bologna)からフローレンス(Florence)に進出。ラヴェンナに位置するフランス軍の側面を脅威する。また別のオーストリア軍はアルプスの出口であるトリノ(Turin)に進出し、グルノーブルからイタリアを狙うフランス軍を押さえる。しかしこのTurnの攻撃は出目に恵まれず戦果小・損害大という結果に終わった。

イメージ 1


12Turn(1917年冬)

イメージ 13連合軍は戦局を打開すべく、攻勢の矛先を近東方面に向けてきた。シナイ半島に巨大な水道パイプラインを設置(シナイ・パイプライン)し、攻勢準備を整える。そこにアレンビー(Allenby)将軍率いる中東軍(4-3-3)を編制。シナイ半島からパレスチナに向けて前進する態勢を整える。対するトルコ軍は、ドイツ、ルーマニアからの増援を得てパレスチナ防衛を強化。ガザ(Gaza)要塞を中心に防御ラインを固める。

イメージ 2


イタリア戦線では、アルプス越えのフランス軍による圧力が強化されてきたので、防御力に優れたドイツ軍部隊がトレノに進出。そこに塹壕を掘ってフランス軍と対峙する。この防衛力強化によって一応アルプス側の戦線は安定する。一方イタリア半島方面にはオーストリア軍3個軍その他を派遣。フランス軍の残余とイタリア軍を追いつつ、ローマ(Roma)を目指す。

イメージ 3


13Turn(1917年春)

イメージ 14中欧軍は中東方面へ増援部隊を派遣する。そして一部の兵力でキプロス島に残る英MEF軍を攻撃。これを撃破してキプロス島戦線を安定化させる。英軍は坑道攻撃でガザ要塞攻略を目指すも、守備隊の奮戦によってこれを撃退した。
これまで触れてこなかったが、主戦線たる西部戦線でも英仏軍による攻撃が熾烈であった。ドイツ軍は補充によって何とか持ちこたえている状況である。

イメージ 4


14Turn(1917年夏)

イメージ 15このTurnは「人事の季節」だった。ファンケンハインに代わってルーデンドルフ&ヒンデンブルグのコンビが指揮を取る。Uボートが無制限潜水艦戦を展開し、ホフマン(Hoffmann)がその辣腕をふるった。ドイツ軍第17軍、第18軍が編制され、ドイツ軍は18個軍態勢を確立した。それにしても1国で18個軍かぁ・・・。すごいなぁ・・・。

イメージ 5


15Turn(1917年秋)

イメージ 16再びイタリア半島で中欧軍が攻勢に出る。西側の地中海沿岸地帯をドイツ軍が突進。首都ローマを占領した。アドリア海側からはオーストリア軍がヴェニスから南下する機会を伺っている。生き残ったイタリア軍とフランスの遠征軍はイタリア南部一帯に追い詰められた。イタリアの運命は極まったか・・・。
その時、フランス軍の部隊がギリシャのサロニカ(Salonika)に上陸する。サロニカ上陸作戦。それは連合軍にとって起死回生を狙った作戦だった。

イメージ 6


16Turn(1918年冬)

イメージ 17イタリア半島は決定的局面を迎えた。
ドイツ軍はナポリ(Naples)を占領。そしてアドリア海側に出てフォッジア(Foggia)を占領する。さらに北からはオーストリア軍がアドリア海沿岸に沿って南下し、ラヴェンナを抜けてアンコーナ(Ancona)まで進出してきた。イタリア半島における連合軍は、南北に分断され、北はイタリア軍の残余がペスカーラ(Pescara)に包囲され、南はフランスからの遠征軍がタラント(Taranto)に追い詰められていた。

イタリア戦線が概ね決着がついたので、中欧軍は東部戦線で攻勢を再開する。一旦ロシア軍によって奪回されたヴィルナをドイツ軍2個軍が攻撃して再奪取。さらにミンスク(Minsk)に向けて前進する。ドイツ軍破竹の進撃によってロシア国内では動揺が広がる。そしてニコライ皇帝が遂に退位した。ロシア革命の始まりである。

このTurn、ルーマニアが連合軍側に立って参戦した。

イメージ 7


17Turn(1918年春)

イメージ 18イタリアにおける連合軍は全滅した。2年以上に渡って繰り広げられてきたイタリア半島の戦いは、中欧軍の勝利に終わった。東部戦線ではドイツ軍計6個軍がロシア軍に対して猛攻を仕掛けている。ドイツ軍は少しづつだが、ロシア奥地へ向けて前進していった。革命の気運みなぎるロシア軍に反撃の機会はない。

ルーマニア軍が限定的な反撃を実施し、セルビアの首都ベオグラードを奪回した。そのため一度は壊滅したセルビア軍が、ベオグラードで再編成される。

イメージ 8


18Turn(1918年夏)

サロニカにフランスオリエント軍が編制された。セルビア軍と連結し、トルコ、ブルガリアを狙う勢いである。しかしドイツ軍は先に奪回されたベオグラードを再度奪回し、また東部戦線ではミンスクが陥落する。この段階で勝利の見通しを失ったと感じた連合軍は、中欧軍に降伏を申し入れた。

イメージ 9


感想

相変わらず面白い。交互に手番を進めていくスタイルのゲームなので、所謂「ダウンタイム」が少なく、緊張感を持続したままプレイできる。しかしその一方で毎回毎回相手と丁々発止の駆け引きを繰り広げるのは精神的には楽ではない。

イメージ 19今回はイタリア戦での勝敗が結果的に最終的な勝敗につながったが、イタリア戦がパスグロの肝になるケースは結構多い。私自身も以前にイタリアを抜かれて負けたこともあったし、あるいはイタリアに攻め込んできたドイツ軍を逆包囲して勝ったこともあった。コツを掴めばなんとかイタリアは守り切れるそうだが、果たしてどうだろう?。イタリアではそこそこ抵抗するものの、最終的に潰されたら諦める。その代わり西部戦線でキッチリ攻勢してドイツ軍を撃破し、ドイツ本土に雪崩れ込む。そういった展開もありだろう。

イメージ 20近東戦線についてはまだまだわかっていない。イベントに流されている感じだった。中欧側は守っているだけで良いのでなんとかなったが、連合側を持つ場合は積極的に仕掛けていく必要があろう。特にケマル将軍は要注意だ。

イメージ 18東部戦線については、ドイツ軍が攻勢を急ぐ必要はないと思う。ただしドイツ軍がいないとロシア軍がオーストリアを潰してしまうので、オーストリアを守る程度のドイツ軍が展開していれば良いと思う。ドイツ軍3個軍+SUD軍1~2個ぐらいだろうか。SUD軍はバルカンやイタリアでも欲しいので、あー、困った困った。

いずれにしてもパスグロは一度最後まで通してみたい作品である。難点はVP計算が途中でずれてくること。占領VPとイベントによるVPはカードを見ればわかるが、強制攻撃とかイタリア参戦しません的なVPは覚えておく必要がある。何か良い方法はないものか・・・。


Paths of Glory
地図と解説でよくわかる 第一次世界大戦戦況図解 日本人のための第1次世界大戦史 第一次世界大戦-忘れられた戦争 1918年最強のドイツ軍はなぜ敗れたのか