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鹿屋といえば、戦時中に特攻隊の中心基地となった場所であり、沖縄戦の際には多数の特攻機がここから飛び立って2度と帰らなかった。また戦後は海上自衛隊の基地となり、P-3C哨戒機の部隊が展開している。

今回訪れた航空史料館は、海上自衛隊基地正門のすぐ目の前にある。基地内の施設ではなく一般開放されているので、誰でも入ることができる。

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まず最初に目を引くのは、一番手前にある巨大な二式飛行艇の実機である。かつて海の科学館で保有していたものをこの鹿屋の史料館が引き取ったとのこと。周囲を圧倒するような巨大さながらも、日本機らしい優美なラインを併せ持った傑作機で、すぐ近くで写真を撮ることもできる。

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史料館の周りにはかつて海上自衛隊で活躍した様々な機材が展示されている。P-2V、P-2J、S-2H等の固定翼対戦機、HSS-2B、OH-6等の回転翼機、T-6等の練習機や汎用機もある。PS-1飛行艇もあった。
個人的に興味を引いたのは、P-2V、P-2J、S-2Hの固定翼対潜機。P-2V、P-2Jのエンジンやプロペラの違い。空母艦載機として見た時のS-2Hの巨大さ(「エセックス」クラスで運用するのは結構骨だったのでは・・・)、P-2V等は大戦機であるPV-1の姿をダブらせてみても面白い。

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史料館の館内は2階建てになっていて、1階部分が海上自衛隊、2階部分が旧海軍関係になっている。
1F部分は海上自衛隊の装備や活動内容についての史料が中心で、展示されているP-2Jの機首部分は、コクピットだけではなく前方の見張席に入ることもできた。またP-2Jの各センサーステーションの座席も展示されていたが、さすがに半世紀前の装備なので、古さは否めない。

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2F部分は旧海軍関係の展示で、零戦52型の実機が飾られてあり、その他7.7mm、13mm、20mmの各種機銃の実物(改めてみると、その大きさに驚く)、小銃や軍刀、自決用の短剣、軍服、その他が展示されていた。また特攻隊関係では、特攻隊員の遺書、写真等が展示されており、戦争の是非や特攻について嫌でも考えさせられる。
なお、2F部分は零戦以外は撮影禁止となっている。

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実の所、1時間ぐらいでお釣りがくるだろう、と、思っていたが。2時間近くじっくり堪能できた。近くにある土産物屋では珍しい海軍グッズも入手できる。
鹿屋航空史料館。場所的に不便なのが難点だが、機会があれば是非訪れてみたい場所だ。

お奨め度★★★★★