ASL。Advanced Squad Leader。ウォーゲーマーに今更説明は不要であろう。第2世界大戦の地上戦闘を歩兵1人~1個分隊、車両1両、火砲/支援火器1基のスケールで再現するシミュレーションゲームである。兎に角ルールの量が半端なく、読みとおすだけでも大変。全ルールを完璧に把握しているプレイヤーは、恐らく世界中に一人もいないのではないだろうか(推測)。
かくいう私も今までASLをプレイしたいと思い、ASL Starter Kit#3まではプレイしてみた。しかしなかなか機会が得られずウダウダしていると、とある方かた「通信対戦やってみましょう」という御誘いを受けることになった。いきなりだったのでやや面喰ったが、この機会を逃す手はないと思い、2ヶ月かけてルールを読みこんだ後、
「では、宜しくお願いします」
ということでお相手頂くことになった。
「では、宜しくお願いします」
ということでお相手頂くことになった。
今回プレイしてみたのは、MMP社から発売されている"Normandy-1944-"というモジュールの中に入っているシナリオの1本である「AP31.First Cristot」(クリスト第1戦)。ノルマンディ上陸作戦の数日後。カーンとバイユーのほぼ中間に位置するクリストという小さな町でのドイツ軍と英軍の対決で、英軍の歩戦連合部隊による112高地への進撃と、それを阻止するドイツ第12SS装甲師団との激突を描いている。英軍は歩兵部隊とその支援に戦車5両が登場し、戦車の内訳は75mmシャーマンが4両とファイアフライが1両。ドイツ軍は歩兵部隊と増援で登場するパンター戦車が2両である。またドイツ軍には50mmの対戦車砲1門が登場する。ドイツ軍は隠匿マーカーが乗せられているので、ゲーム開始時にその正体はわからない。またSSR(シナリオ特別ルール)によって英軍は各移動フェイズに戦車か歩兵のいずれか一方しか動けないとなっている(独軍にはそのような制約はない)。

プレイの前に両軍戦車の能力を比べてみた。言うまでもないが、英軍が不利である。ただどの程度不利なのか。
まず75mmシャーマンについては、正面からだとパンターの装甲はまず抜けない。側面に回り込めばかなり勝算が出てくる。いずれにしても数を頼んで包囲するしか手はない。ファイアフライの場合は正面からでもパンターを撃ち抜ける可能性が出てくるが、それでも正面から撃ち合えば分が悪い。パンターは砲塔部分の正面装甲がやや弱いので、17ポンド砲がパンターの砲塔正面に当たればかなりの確率で撃破が期待できる。逆に車体命中では装甲貫通の期待薄だ。
逆にパンターがシャーマンやファイアフライを狙う場合、命中すればほぼ100%貫通撃破可能である。
従って英軍としては、各個撃破されれば勝ち目がない。数に頼んで相手を包囲し、四方八方から撃ちまくって1両ずつ仕留めていく、という戦術が有効と思われる。

逆にパンターがシャーマンやファイアフライを狙う場合、命中すればほぼ100%貫通撃破可能である。
従って英軍としては、各個撃破されれば勝ち目がない。数に頼んで相手を包囲し、四方八方から撃ちまくって1両ずつ仕留めていく、という戦術が有効と思われる。


それに対して我がイギリス軍は、比較的マップの下半分が手薄と判断し、歩兵部隊の全力をマップ下半分に投入することにした。また戦車部隊は敵パンター戦車の突破を阻止すべくマップ左半分の高地帯に配置。可能な限りボカージュを利用してハルダウン姿勢として敵の突進に備える。

1Turn


2Turn
なおも南翼から突破を図る英軍であったが、ボカージュや麦畑といった難地形に阻まれてなかなか前進できない。その中で先行していた英軍のヒーロー(1-4-9)が接近してくる敵歩兵部隊を迎撃。一人で1個分隊を阻止するという奮戦を見せていた。



3Turn

先行していた英軍歩兵分隊が防御射撃を受けて半数を失った。しかし残った半数が敵操作班に肉薄し白兵戦に突入する。その他の英軍主力部隊はマップの中心部を越えてVP目標に接近する。

「ダメだ、この艦では奴らには勝てない」
その間、独軍歩兵は勝利条件となる丘に布陣。丘の中央に流れる渓谷の中に布陣した。ここなら周りから射撃を受ける危険が大幅に減るが、その一方で周囲へ脅威を及ぼすことができなくなる。









