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ASLをVASLでプレイしてみた。選択したシナリオは"Normandy-1944-"というモジュールの中に入っているシナリオの1本である「AP31.First Cristot」(クリスト第1戦)である。ノルマンディ上陸作戦の数日後。カーンとバイユーのほぼ中間に位置するクリストという小さな町でのドイツ軍と英軍の対決を描いている。

下名は英軍を担当した。


4Turn

イメージ 5先のTurn、正面射撃の無力さを思い知らされたので、正面射撃は諦めた。足回りを狙って足止めするという手もあったが、シャーマンの主砲ではそれも叶わない(注)。とはいえ攻撃側はこちらである。早いうちにパンターを無力化しておかないと、こちらの前進がストップしてしまう。

あとでルールを確認したら、この時「意図的な走行不能」を狙うのは可能であった。ルールC5.7によれば、砲の基本TK#が最も低い車体のAFよりも大きい事が必要とあるのだが、この時は「一番低い」というルールを見逃して、車体の正面装甲と比較したので「ダメだこりゃ」となってしまった。ちなみに「意図的な走行不能」を狙うと、DRMは「意図的な走行不能」の+5、大きさ-1、雨+1で合計+5。Hit#は10なので、2D6で5以下を出す必要がある。また照準による修正は適用されない。10/36で約28%。あまり大きな確率ではないが、ゼロに比べれば天と地ほど違いがある。

こうなれば損害覚悟で差し違えるしかない。幸いこちらは5両。相手は1両だ。1~2両程度の損害なら許容範囲内である。いや、3両死んでもパンターを仕留められれば目的は達成したと言って良い。怖いのはパンターの防御射撃と敵歩兵の携行対戦車兵器だ。ある程度リスクは許容するしかないが、歩兵の携行火器を避けるため、敵歩兵に極端に近付くのは止めよう。それから相手は重装甲だから単一方向から撃ちこんでも効果は期待できない。幸いパンターは正面装甲重視なので、側面装甲は比較的弱い。そこで麾下兵力を半数ずつに分け、両サイドからパンターを挟みこむことにした。これなら敵がどちらか一方を向けた途端、もう一方が弱点を見せることになる。

なんたる幸運。パンターが至近距離から放った防御射撃は悉く我が戦車の頭上をかすめた。まともに食らえば一撃でお陀仏だっただけに、この幸運は嬉しい。予定通り両サイドを奪ったシャーマンだが、敵もさるもの。一方方向に砲塔正面を向け、車体正面を反対方向に向けてきたのだ。それぞれの方向から受けた射撃を砲塔、車体の正面装甲で受け止めようという算段だ。砲塔に当たるか車体に当たるかは運次第なので、必ずしも上手く行く訳ではないが、何もしないよりはずっと良い。

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イメージ 4そんなこんなで前進射撃期。四方八方からシャーマンがパンターに徹甲弾を打ち込む。しかし
「移動直後の射撃はそうそう当たるものではない」
という。ジャイロスタビライザーを装備し、行進間射撃では一日の長があるシャーマンであったが、最初の3発までは外してしまった。
漸く命中弾を与えたのは4発目。車体正面を向けた方角からの射撃である。この時の射弾が車体命中なら徹甲弾はパンターの正面装甲で空しく弾かれるはずだったが、この時は砲塔に命中した。砲塔は背面を見せているため装甲が弱い。しかも至近距離からの命中弾である。さしものパンターもこれには耐えられずに爆発。2両目のパンターが撃破された。

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5Turn

イメージ 6ドイツの戦車2両を撃破した英軍は、戦車を自由に使えるようになった。勝利条件地点に肉薄しつつある英軍歩兵部隊は、次Turnの移動で勝利条件ヘクスへ突入できる。そこでこのTurnは戦車の移動を選択し、5両の戦車を散開配備につかせた。次Turnに行われるであろう味方歩兵の突撃を支援するための布陣だ。ドイツ軍はパンツァーファーストで反撃を試みるも、PFチェックに失敗して事なきを得る。

イメージ 7ドイツ軍Turn、移動するドイツ軍歩兵に対して防御射撃を実施。一度は6-5-8分隊を混乱させることに成功したものの、その後の射撃でピンゾロを出したドイツ軍がHoBで凶暴化。余計な射撃をするんじゃなかったと後悔する英軍も後の祭りであった。
突撃フェイズに峡谷に隠れていたドイツ兵が斜面に出てきて防御射撃姿勢につく。まさに反斜面防御の教科書のような布陣であり、その巧妙さに舌を巻く英軍なのであった。

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6Turn

イメージ 8最終Turnである。まず5両の戦車が砲火を集中し独軍歩兵を撃ちまくる。しかし運悪く射撃は効果なし。最早歩兵の突撃が全てである。6個分隊の英軍が3個分隊ずつに分かれて独軍防御陣地に肉薄する。それを独軍が防御射撃で迎え撃つ。6個分隊中4個がブロークンした。しかし残り2個分隊と指揮官が突撃期に勝利条件ヘクスに突入。6VPを獲得して勝利した。

感想

勝敗は抜きにしてASLのルールについて概要を理解できたのは成果だった。細かい点でミスは多かったが、対戦相手の方が親切に教えて頂いたので、ルールや戦術について理解を深めることができた。
ありがとうございました。

ASLについては、ルール面でも戦術面でもまだまだ学ぶことは沢山あるが、今回の対戦で面白さの一端を知ることができたので、今後対戦の機会を増やしていきたいと思う。