
かくいう私は学生時代にフルキャンペーンをプレイし、中国奥地に攻め込んで重慶政府を陥落せしめましたが、多分ルールを間違っていました。まともにプレイすればそんな展開にはならないと思います。
あれから約30年。今、再びこの有名ゲームを対戦する機会を得ました。
珊瑚海海戦

米空母が出てくる前にモレスピーを急襲しようと輸送船団が一気に珊瑚海を西進。モレスピーを急襲しました。本来なら砲爆撃で守備隊を制圧してから上陸するのが常道ですが、米空母がモレスピー向けて急接近してくるので、そんな暇はなさそう。強引に強襲上陸を敢行します。確率的にはかなりヤバイ戦いでしたが、海軍陸戦隊(7-0-1)と南海支隊(6-0-3)は奮戦して、オーストラリア第30旅団(5-1-4)を撃破。ポートモレスピーを占領しました。

勝利条件的には、ガダルカナルを取らなければらないという条件を失念していた日本軍プレイヤーの敗北。プレイ時間は実質1.5hぐらいでした(公称2h)。



フィリピン進攻1941

日本軍は史実通り航空攻撃でマニラ一帯の米比空軍を撃破した後、ルソン島北部アパリ付近に第48師団(7-1-11)その他が上陸。さらにルソン島東部ラモン湾付近に第16師団(5-1-12)が上陸しました。日本軍はそのままマニラを目がけて進撃。第48師団がクラークフィールド付近で北部ルソン軍団を撃破した後、2個師団を主力とする日本軍はマニラ市街戦に雪崩れ込みです。

マニラの陥落によって連合軍南西太平洋方面司令部(SW Pac HQ)は強制解散となり、米比軍の組織的抵抗が不可能になったので、この時点でゲーム終了としました。ここまでのプレイ時間は約0.5hです。


後に述べるように、今回のプレイではかなりルールミスがあり、特に上陸戦に関するルールミスが重大でした。これを正しく適用していれば、少なくともマニラがかくも簡単に1941年12月中に陥落するようなことはなく、仮に日本軍がマニラの早期陥落を望めば、相応のリスクをとる必要があります。そういった意味では、正しいルールで再戦してみたいシナリオです。
ガダルカナル
当初の予定では、上記2シナリオだけを当日の予定としていたのですが、あまりに呆気なくシナリオが終了したので、折角なのでもう1戦ということで、本命ともいうべきガダルカナルシナリオにチャレンジしてみました。今回、下名は連合軍を担当します。
ガダルカナルへ向かう米第1遠征艦隊は、空母3隻を基幹とするフレッチャー中将の機動部隊が航空援護を担当。上陸部隊はヴァンデグリフト少将率いる精鋭第1海兵師団(8-1-14,3StepLoss)と第1特殊戦連隊(8-0-2,1StepLoss)が担当します。

ヴァンデグリフト部隊は、精鋭の日本海軍陸戦隊の激しい抵抗に苦戦を強いられながらもなんとか橋頭保を確保。その後の戦闘で日本軍を壊滅せしめ、ガダルカナルを占領しました。
対する日本軍。ガダルカナルから2ヘクスのニュージョージア島に飛行場建設を進める一方、9月には川口旅団による逆上陸作戦を敢行するも失敗。その間、米軍はガダルカナルの守備兵力を着々と強化します。


一方日本軍の上陸部隊は丸山中将麾下の第2師団(6-1-14)。辻政信の著作ではボロクソに書かれている師団ですが、本作では練度6と日本軍の中ではトップクラス。ちなみに練度7の部隊は、日本軍の中では海軍陸戦隊と第5、第48、近衛の3個師団だけです。さらにいえば、米軍には練度7を超える練度8の部隊があり(第1~3海兵師団と一部特殊部隊)、我が戦友Sinボー氏曰く「身贔屓だぁ」とのことでした。

とまあこんな感じで時間切れのお開きとしました。

感想
まずは重大なルールミスが2点ありました。いずれも上陸作戦についてです。(英文p22 L6)
1.上陸時に攻撃側が強制後退の結果を受けた場合、モラルチェックに成功すれば、通常通りステップロスを食らうだけで上陸できる。 2.上陸した部隊は、たとえそこに敵がいなくても、それ以上移動できない。 3.追加作戦期間では、作戦実施プレイヤーは潜水艦以外の戦闘ができない。
1については、士気チェックで余程酷い目を出さない限り上陸そのものは成功することになります。ガ島戦の項にも書きましたが、一旦上陸に成功すれば島嶼内の敵を排除するのは相応のリスクが生じるので、なかなか決着がつかなくなり、史実に近い展開が期待できます。
2.については、「いつまで」という説明がないので、適用範囲が不明です。常識的に考えると、次に再度活性化するまでは移動禁止と考えるのが自然かなと思います。
逆にそうしないと珊瑚海シナリオでわざわざモレスピーに上陸する必要はなくなります(ブナに上陸して陸路を歩いた方が余程安全)
このルールを適用すると、フィリピンシナリオで12月中にマニラ陥落ということもなくなります。
逆にそうしないと珊瑚海シナリオでわざわざモレスピーに上陸する必要はなくなります(ブナに上陸して陸路を歩いた方が余程安全)
このルールを適用すると、フィリピンシナリオで12月中にマニラ陥落ということもなくなります。
3.は無限に作戦期間を延長させることへのアンチテーゼになりそうです。
プレイして思ったのは、意外とサクサク進むかな、という感じでした。最初にプレイしたシナリオはいずれも予想よりも遥かに短時間で終了し、最後のガダルカナルシナリオでもセットアップ込みで4~5時間です。今回は最終Turnまでプレイしなかったことを加味しても、1日あればガ島戦シナリオは十分完遂できそうです。

そういった意味では大型のキャンペーン乃至はフルキャンペーンに挑戦してみたいと感じるゲームでした。
「太平洋艦隊」「Empire of the Sun」、いずれも傑作ゲームですが、本作はこれらの作品に比肩し得る「太平洋戦争キャンペーンゲームの中で最高のものの1つ」と言えるように思います。
「太平洋艦隊」「Empire of the Sun」、いずれも傑作ゲームですが、本作はこれらの作品に比肩し得る「太平洋戦争キャンペーンゲームの中で最高のものの1つ」と言えるように思います。
誰か、一緒にフルキャンペーンに挑戦しませんか・・・?。







